2012.02.22 Wednesday
牧草地の池にユスリカの幼虫がいました。(画像は20倍ほど拡大しています。)エリユスリカ亜科Orthocladiinaeのユスリカの幼虫のようです。属は、エリユスリカ属Orthocladiusかフユユスリカ属Hydrobaenusのどちらかで、キソガワフユユスリカH. kondoi Sætherの可能性が最も高いであろうというアドバイスを専門家の方からいただきました。ユスリカについて詳しく学ぶだけでも、生物の多様性に対する認識は格段に深まりそうです。

今日のことば
わたしたちには、笑う権利があり、幸せに生きる権利がある。それを阻むもの、蔑ろにするもの、軽んじるもの、踏みにじろうとするものに対し、闘わねばならないと思うのだ。笑うことで人は救われる。ほんの半歩、前に進める。生き続けられる。政治とは、経済とは、国とは、とどのつまり、人々の小さな笑いを守っていくためにあるのではないか。
あさのあつこ
2012.02.21 Tuesday
ラッパズイセンがたくさんの花を咲かせています。ラッパズイセンはウェールズの国花としても知られており、以前不二聖心で講演してくださった、ウェールズ出身の作家、C・W・ニコル氏は長野のアファンの森にたくさんの水仙の球根を植えられたそうです。

牧草地の池にいるハイイロゲンゴロウの写真を撮りました。水生昆虫の多くは各地で生息数を減らしていますが、ハイイロゲンゴロウも例外ではありません。東京都では、すでに絶滅してしまいました。牧草地の池には他にもさまざまな水生昆虫がいて、そこだけで豊かな生態系をつくっています。

今日のことば
雪の日に 吉野弘
――誠実でありたい
そんなねがいを
どこから手にいれた。
それは すでに
欺くことでしかないのに。
それが突然わかってしまった雪の
かなしみの上に 新しい雪が ひたひたと
かさなっている。
雪は 一度 世界を包んでしまうと
そのあと 限りなく降りつづけねばならない。
純白をあとからあとからかさねてゆかないと
雪のよごれをかくすことが出来ないのだ。
誠実が 誠実を
どうしたら欺かないでいることが出来るか
それが もはや
誠実の手には負えなくなってしまったかのように
雪は今日も降っている。
雪の上に雪が
その上から雪が
たとえようのない重さで
ひたひたと かさねられてゆく。
かさなってゆく。
2012.02.20 Monday
林道に生えているオニシバリがたくさんの蕾をつけています。オニシバリは昨日紹介したミツマタと同じジンチョウゲ科に属しています。鬼を縛っても大丈夫なほどに繊維が強いことから「オニシバリ」と名付けられました。昨日の「フィールド日記」で紹介したミツマタも繊維が強いことで知られています。ジンチョウゲ科の一つの特徴はこの繊維の強さにあると言えるでしょう。
オニシバリは以下のようにいろいろな県でレッドデータリストの中に含まれています。これほど減少してきている植物が不二聖心の森の中でたくさん見られることに驚きを感じます。
絶滅危惧Ⅰ類 奈良県
絶滅危惧Ⅱ類 埼玉県 徳島県 福岡県
準絶滅危惧種 宮城県 茨城県 京都府 広島県 大分県

オニシバリの葉に絵かき虫によって食べられた痕を見つけました。オニシバリが絶滅するとこの絵かき虫も行き場を失うことになります。

今日のことば
深くかつ遠く思はん天地の中の小さき星に生まれて
湯川秀樹
2012.02.19 Sunday
今日も不二聖心に雪が降りました。午前11時の段階で気温は2度。寒い一日でした。

寒さの中でも季節は着実に春に向かって進んでいます。ミツマタの花の蕾もだいぶ膨らんできました。あのミツマタの良い香りを楽しめる日が来るのが待ち遠しいです。ミツマタという名前は枝が三方に分かれるところからつけられました。繊維が強く紙幣の材料としても使われてきました。


今日のことば
私たちには人間を超える大きな存在に繋がっているという感覚が必須である。それがないと人間は成長することができない。
ダニエル・ピンク
2012.02.18 Saturday
今日は卒業式でした。良いお天気に恵まれましたが、朝の寒さは一段と厳しさを増していました。牧草地でも一面の霜柱を観察することができました。


このような厳しい寒さの中でもたくましく成長を続ける草花があります。ネズミの耳のような葉の形が印象的なオランダミミナグサもその一つです。ヨーロッパから世界各地に広がった植物ですが、厳寒に耐え得る生命力が分布拡大の力となっているものと思われます。南ヨーロッパ原産のようですが、和名にはオランダとついています。これは日本とオランダとの関係の深さを示す一例であり、時としてオランダは日本人にとってヨーロッパの代名詞となり得ることを示しています。
世界各地で見られるオランダミミナグサについては、ウィキペディアの英語版にも詳しい説明が出ています。日本語版とは違った面白さがありますので、その一部を以下に引用しておきます。
Cerastium glomeratum is a species of flowering plant in the pink family known by the common names sticky mouse-ear chickweed and clammy chickweed. It is probably native to Eurasia but it is known on most continents as an introduced species. It grows in many types of habitat. This is an annual herb growing from a slender taproot. It produces a branched, hairy stem up to 40 or 45 centimeters tall. The hairy leaves are up to 2 or 3 centimeters long.
オランダミミナグサは、2月の下旬から3月の上旬にかけて開花するものと予想されます。三島では既に蕾をつけているオランダミミナグサも見かけました。「花は風雪に耐えてこそ美しく咲く」と言います。卒業生のみなさんにも、世の風雪に耐えてやがて美しい花を咲かせてほしいと心から願っています。
今日のことば
一日の時が恵み深く光や風や雲やさまざまな季節の訪れとともに人間のもとにやってきているのを現代人は忘れている。それは「心をときめかせて生きること」を忘れているということに他ならない。
辻邦生






不二聖心のフィールド日記