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  2009年7月8日放送の宗教朝礼より

みなさんは、中東やアフリカなどの紛争地で、武装解除の交渉にあたっている日本人女性をご存知ですか?私は今年4月にあるテレビ番組を見て、この女性の存在を知りました。彼女は高校3年生のときに、新聞でルワンダの難民の写真を見たことがきっかけで紛争地域の社会復興の仕事を志すことを決意しました。紛争していた人々は、武器を捨てるだけでは、また小さなきっかけで憎しみ合い、戦いをはじめてしまいます。武器を捨てるだけでなく、彼らの間にあるわだかまりや誤解を取り除かなければ本当の平和にはつながりません。

例えば、スーダンでは彼女は、ある少年兵に向き合いました。少年兵は幼くして戦争に駆り出され、学校に通ったことのない少年時代を過ごしました。少年兵の問題は、スーダン南部だけでも2万人に達し、深刻な問題になっています。少年兵は、自分の夢は軍を除隊して学校に行くことだと彼女に告げます。少年は学校に通うこと、兵隊をやめて社会復帰をすることを願っていました。ところが、少年の隊長は、上部の命令で学校に行くための除隊は認めないと、彼の願いを退けます。少年兵の隊長が理由とする、軍の上層部の命令とは正しいのでしょうか?彼女は、何十キロも離れた軍の上層部のところに行き、少年兵の思い、学校に行くための除隊が認められないのかと、直接交渉します。結果、少年兵の隊長は命令を誤解していたことを突き止め、隊長に正しい情報を伝えることによって、少年兵が学校へ通える道を切り開きます。

隊長の思い込みによる拒絶のように、一見困難ばかりの道でも、粘り強い話し合い、一人の少年の夢をかなえようと懸命に行動することが、将来の大きな平和につながることを彼女は確信しています。彼女は次のように言います。「人には道を切り開く力がある やらない言い訳をしない 人生は自分の手で変えられる」

わだかまりを解消するには、両方の声に耳をかたむけ、じっくりと声をきき、丁寧に両方が納得する解決策を導かなければなりません。私たちの生活の中でも、自分自身が誰かとわだかまりを持っていたり、お互いの間に誤解があったり、心の壁を作ってしまっていることがあるかもしれません。時には、誰かと誰かの間に入り仲直りを手助けすることもあるでしょう。そして、みなさんは将来、自分が属している組織がより良い関係を築くための潤滑油として、自分が人をつなぐ立場になることもあるでしょう。身近な一人一人のわだかまりを取り除くこと、理解しあうことから平和は始まります。人と人をつなげようと努力することが平和への道になることを忘れてはいけません。もう一度彼女の言葉を繰り返します。「人には道を切り開く力がある やらない言い訳をしない 人生は自分の手で変えられる」

彼女の名前は瀬谷ルミ子さんといいます。雑誌NEWSWEEK日本版の7月8日号の特集「2009年度版世界が尊敬する日本人100人」 の一人に彼女は選ばれました。 図書館でぜひ読んで見てください。
    
T.H.(英語科)     

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