
2009年5月27日放送の宗教朝礼より
皆さんは、テレビを観ますか?観るとしたら、どんな番組が好きですか。歌番組、ドラマ、お笑い、スポーツ、ニュース…人それぞれ、好みの番組があることでしょう。私が最近つい見てしまうのは、人物について紹介する、という番組です。昨夜も、この宗教朝礼の原稿を書かねばと思いながら、「プロフェッショナル仕事の流儀」という番組に見入ってしまい、最先端の科学研究をしているという教授の「楽しいだけではプロではない、プロは勝たなければいけない」「目の前にあることをしっかりと見つめる」といった言葉に「うーん、なるほど」と聞きいってしまいました。自分と違う環境で活躍されている方の言葉には、新しい発見や、目の覚めるような衝撃があり、こういう番組を見終わった後は、「よーし、私も頑張るぞ!」という新たなエネルギーがわいてくるように思うのです。
さて今日は、最近見た番組の中でも特に印象的だった「小山薫堂」という人について紹介したいと思います。皆さんは、小山薫堂さんについて聞いたことがありますか。私は彼について全く何も知らず、サラサラヘアに眼鏡をかけ穏やかに微笑む彼を見て、「こんな普通っぽい人なのに、どうして特集するのだろう」と疑問に思いました。しかし、彼の業績について聞いていくうちに、「あ、この人だったんだ!」と思い当たることが色々ありました。小山薫堂さんは、現在45歳、日本大学の芸術学部を卒業し、放送作家、脚本家、ラジオパーソナリティ、作詞家、小説家などとして活躍する傍ら、自らも2つの企画会社を経営し、更には日光金谷ホテルの顧問を務め、最近では東北芸術工科大学で企画構想学科の学科長に就任するなど、多彩な才能を発揮している方です。放送作家として彼が手がけた番組は、「料理の鉄人」「進め!電波少年」「ポンキッキーズ」「THE世界遺産」などで、どれも新しい企画で視聴者を驚かせ、時代の先端をいった番組です。また、アカデミー賞を受賞した「おくりびと」の脚本を手掛けたのも彼なのです。小山さんは美味しいものが大好きで、東京タワーに「東京カレーラボ」というカレー専門店も開いているそうです。次々と新しい企画を生み出し、世の人をアッと言わせる彼の想像力はどこから生まれるのだろう、と不思議に思いました。
小山さんは普段歩いている時も、ただぼーっと道を歩くだけでなく、疑問を見つけながら歩き、常にクエスチョンを探し続けているのだそうです。なぜここに花が植えられているのだろう、なぜ横断歩道はこんなデザインなんだろう、などと考えてみる。そこには様々な人たちの「企画」と「思い」が隠されているのだそうです。そんなことをいつも考えていると、日常がワクワクしてくるし、それを「もっとよくできないかな、僕だったらこうするのにな」と考え、勝手にテコ入れすることでアイデアの種が自分の中にストックされるのだそうです。
彼は入浴タイムも有効に使うのだそうです。朝お風呂に入り、原稿を書くために頭を整理したり、台本に赤入れをしたり、企画を考えたり…。脳科学者の茂木健一郎さんの「外の情報を遮断した時にアイデアは生まれやすい」という言葉通り、閉ざされた空間であるお風呂の中ではいろいろなアイデアが浮かんでくるのだそうです。
エコ活動についても、彼は独特な論理を展開しています。「地球環境を守るためにできること」と言ったら、私たちはどんなことを挙げるでしょうか。電気をこまめに消す、紙を節約する、などありきたりのことしか私には思いつきませんでした。しかし彼は「譲り合って運転する。交通事故によって生じる渋滞によって、エネルギーを無駄遣いするから。」「深夜まで起きている生活サイクルを少しだけ朝にずらして、朝時間を楽しむ」ことなどを提案しているのです。普段から疑問を見つけ、勝手にテコ入れしている小山さんならではの新しい視点だなあ、と感じ入りました。
彼はどんな会社に就職し、どんな役割を担おうとも、必ず必要になるのは「企画」という力だ、と言っています。この言葉を聞いて、不二聖心で学ぶ生徒たちが総合学習や行事を通して身につけているのは、正に彼の言う「企画力」なのではないか、と思いました。普段の何げないことに疑問を見つける、より良いものを求めて工夫する、人をサプライズさせ喜ばせることを考える…これらは不二聖心の生徒が得意とすることだと思います。体育大会の応援合戦、ダンスも、見ている人を喜ばせる楽しいものでした。これからもまだ色々な行事があり、時には忙しさから辛いと思うこともあると思いますが、小山さんのように人を喜ばせ、サプライズを企画することを楽しんでくれたらと願っています。最後に、小山さんが企画を考えるときに大切にしているという3つの観点を紹介したいと思います。「新しいか」「誰かを幸せにするか」「自分にとって楽しいか」…企画のプロの言葉を参考に、皆で学校をより楽しくしていきましょう。
J.N.(英語科)





