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宗教朝礼

2009年10月21日放送の宗教朝礼より

 おはようございます。これから宗教朝礼を始めます。

 最近、990円という ジーンズが大型店で売り出され、その安さに驚いたのも束の間今度はそれより更に安く価格設定をした店舗が2軒もあり、最後にはとうとう690円のジーンズまで出てきたことを知りました。 また、先日は、フリース素材の衣料が490円などみなさんも既に耳にしている事と思います。不況による買え控えの影響なのか、安さを売り物にした不況からの打開策を各店舗で打ち出しているのでしょうか? 私はこの夏、家の整理をしようと思いたち、子供たちが置いていった物をはじめ,箪笥の整理も兼ねながら洋服の整理をしました。整理しながら思ったことは、昔の洋服の方が今より値段が高く、おそらく皆さんのおじいさんが若いころは大卒公務員の初任給が2~3万円の時代、スーツを買えば手元に残るお金が殆どないというほど高いため、大事に何年も使っていたのではないかと思います。勿論、既製品ではなく日本人の手によって型紙から起こしたオーダーメイドの服に至っては、1度に支払えないこともあったと思います。 7月、ワークキャンプに行くため、コットンパンツを見にお店にでかけました。店内では夏物バーゲンを既に始めていて、紅白幕のなかで300円コーナーのTシャツなどがありその安さに驚いた私は足を止め、どのようなTシャツなのか手に取ってみました。各色無地で揃えたそれは、不良品などではなく十分着ることのできる商品でした。 この時私は、以前新聞の投書欄で読んだ記事のことを思い出しました。それは、ある女子大生からの投書でした。親からの仕送りが少ないためアルバイトをしながら大学に通っていてとても洋服を買う余裕すらなかったけれど、自分でも買える安いブラウスを見つけたので新調することができたこと。しかし、その安いブラウスは自分と同世代の貧しい女性たちの、過酷な労働によって出来たものであることが思いだされ、その時、アルバイトをしながらでも大学に通える自分の幸せを改めて感じたという記事でした。 最近の安い商品のおかげで、1000円台で上下の洋服が手に入る時代、また、おそらく目を酷使しなければできない、ビーズがちりばめられたセーターなども、その作業に対する賃金にしてはあまりにも安価な金額で売られているのを見る時、一体どのような職場環境のもとで作業しているのか気になり、調べてみることにしました。ある大型店では、生産の拠点を中国やアジア諸国に置き、日本の繊維産業で30年以上の経験を持つ技術者が技術サポートをしていることや、日本の大手繊維メーカーとのパートナーシップによって新素材を生み出していることなどがわかりました。最も気になっていた中国で働く人々の賃金については、問い合わせても教えていただけなかったのが残念でした。その会社のホームページによれば、素材は日本のデニム業界のものを供給していることから想像すると、かなり人件費が安くなければ安価な商品はできないはず、今度はある日本の大手繊維メーカーに中国における賃金について伺うことにしました。

中国について考えていく時、広大な面積を持つ中国は地域によって経済格差がある為 最低賃金が異なりその差も大きいようです。大手メーカーによれば、高卒者が繊維工場でオペレーターとして働く場合、2008年のデーターによると1ヶ月あたり北京で800元、日本円にして10400円、大連で9100円となり、おおむね1万円前後から多くて2万円と幅がありました。おそらく、これは恵まれた方ではないでしょうか。女工さん達はというと、ある本によると頑張って働いて、1ヶ月500元日本円で6500円程度で、また、上海では週6日1日8時間とした場合50円~60円となり、これはまだ良い方で、1日10元日本円で130円のところは時給16円程度となります。お正月に帰省できればよいがお金がなくて帰れない時もあり、多くの工場では納期に間に合わせるため、夜中まで残業をする工場もあるといわれています。このように、日本の昔の女工同様、中国の労働者も衣食住の費用を給料から天引きされるため、低賃金、長時間労働、粗末な作業環境や寮に帰って寝るだけの生活に耐えているのです。なぜこのような大変な仕事をやめないかというと、女工さんの多くは農家出身で出稼ぎに来ていることがその理由なのです。2004年の場合を例にとると、都市では一人あたりの年間の収入は凡そ1万元弱だったのに対し、農村に住む人のそれは3000元とその差は3倍以上で、中国で最も収入の高い上海の人々に比べて、その差は5~6倍ともそれ以上とも言われています。

このように、広大な中国では海に面した沿岸部と内陸部、また都市と農村の経済格差が拡大しているため、若い女の子は自然相手の大変な作業で収入も少ない農家にいるよりは座って作業できる女工の方が仕送りもできる為 ましだというのです。 中国だけで4万あるといわれる衣料品工場では、品質・納期・サービス・価格などを互いに競争し、国際市場の厳しい要求に応えようと奮闘しているのです。

 90年代「非人道的な労働実態が明らかになった工場は撤退を検討する」としていた大手ジーンズメーカーに比べ、対応が消極的だったあるスポーツメーカーは不買運動の標的となり、労働環境の改善に乗り出すことになったそうです。

ある書物の中に「中国の安いTシャツは輸出国の消費者と企業利益にとっては勝利でも人道主義にとって敗北であると考える人々もいる・・・・」とあったのが印象的でした。安い商品を見つけたとき、あの日本の女子大生のように、皆さんと同世代の女工さんのことを思い浮かべて欲しいのです。更に、フェアトレードの視点から考えると、安さだけでなく生産者に農薬や化学肥料を多量に使って多大な負担を強いるのに対し、農薬を使わず牛糞などの肥料を使用して栽培したオーガニックコットン製品を購入するのも提案のひとつです。

  

  これで、宗教朝礼を終わります。

S.I.(家庭科)

 

 
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