
12月2日放送の宗教朝礼より
先日、イルミネーションに飾られたお店に立ち寄った時に、来年度用の手帳がたくさん店頭に並んでいたのでふと足をとめました。私は手帳を見るといつも一つの友人を思い出します。彼女は東北にいるのでなかなか会うことはできませんが、この時期になると不思議とどちらともなく連絡を取り合います。今日はそんな私と友人の話をしようと思います。
私は一度働いてから大学に通ったため、彼女は私よりも少しだけ年下でした。しかし年下でも自分の考えをしっかり持っていて10年先20年先にどうでありたいか考えるような友人でした。私も彼女も大学に入った目的は一つ。学校で働くために必要な教員免許をとることでしたから、出会ってからよく話をするようになるまでにそう時間はかかりませんでした。
彼女の様子が他の人と違うな・・・と気づいたのは同じ講義を受けるようになってからでした。彼女は講義で使う本やノート以外に小さな手帳をいつも持っているのです。講義を聞きながらノートをとるのですが、時々その小さい手帳に何か書いているのです。隣にいた私はだんだんその手帳に何を書いているのか知りたくなりました。そこで、あるときに聞いてみたのです。「いつも授業を受ける時に小さい手帳を置いているでしょう。あれは何に使っているの?」すると彼女は笑って「ああこれね。これは「なるほど手帳」よ。授業を受けているときに先生が時々いいことを言ったり、本の紹介をすることがあるでしょう。だから自分がなるほど、、、って思えたり、それ読んでみようかな、、、と思ったりしたらすぐその場でメモができるように置いているの。」と言うのです。
「なるほど手帳か、、、なるほど、、、」思わずつぶやいてしまいました。彼女の様子を見ていると本当によく手帳に書きこんでいて一緒に図書館で勉強しているときにもその手帳を必ず近くに置いて、時々何かを書きこみながらすごい集中力で勉強するのです。再びその様子が気になった私は、「勉強中もなるほど手帳に何を書きながら勉強しているの?」と聞いてみました。すると「勉強の計画をそこに入れて、終わったらその計画に線を引いて消してるの。消した時にやり終えたぞっ!て達成感が感じられてまた計画を立てようという気になるのよ」と笑って答えました。見せてもらった手帳には、課題の提出日以外に、勉強の計画内容が書かれ、余白にぎっしりと彼女の感じたり思ったことが毎日書かれていました。その手帳に感動した私は、その年に一つ手帳を買いました。そして同じように机の傍らに置いて書き込むようになりました。
そうするうちに、彼女とその日の授業で感じたことや、思ったこと、また本の感想を話したり議論をしたりすることが日課となっていました。そして私の課題の進め方や勉強の進め方も少しずつ変化していきました。私はだいたい無理な計画をたてて達成できませんでしたし、ギリギリに終わらせるタイプでしたから早めに進めている彼女を見て自分を焦らせるようにしていました。
そんな彼女との付き合いも来年で7年目です。そう言えば去年の手帳はだいぶ大きいものを買ったと聞きました。きっと彼女の日々の気づきや思いが増えたのでしょう。そろそろ来年の手帳を買おうかと思って、、なんて今度話をした時に言ってきそうです。
皆さんもきっと、いろんな人の話を聞いて「なるほど、、、」「そうか、、、」と感じることがたくさんあることでしょう。それは先生からだけではなく家族であったり、祖父母やおじさんおばさん、友人や本や新聞などいろいろな所から感じると思います。でも人間はどうしても忘れやすいところがあります。皆さんが感じた「なるほど」は、きっと大事な気づきです。ぜひどこかに書きとめておくことをお勧めします。そうすることで何年何十年たった時に再び、なるほど、、と感じ、またそこから自分の感性が磨かれていくように思います。私もこれからもなるほど手帳に書き留めながら、昨年生まれた娘と将来、たくさんのなるほど話を一緒にできたらいいなと思っています。
それと同時に、自分に与えられた課題や勉強は自分で進めていかなければいけません。どうやって進めていくのかはその人によってやり方がありますし、自分にあった方法で進めていけばいいのです。計画を立てることは一つの方法です。きっともうすでに行っている人も多くいることでしょう。皆さんにあった課題・勉強方法が見つかるといいなと思っています。
ふと気がつくと、もう12月です。富士山もすっかり白くなり、だいぶ冷え込むようになりました。勉強しているうちにそのまま寝てしまって、風邪をひいてしまったということがないように、ぜひ体調に気をつけて残り少ない一年を大切に過ごしてください。これで宗教朝礼を終わります。
Y.Y.(保健室)





