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宗教朝礼

2010年2月3日の宗教朝礼より

おはようございます。宗教朝礼を始めます。

 先週はマラソン大会がありました。空前のマラソンブームといわれる最近の時流にのってみなさんもマラソン大会を大いに楽しんだことと思います。

好き嫌いに関わらず、前を向いて一歩一歩進み、ゴールしたみなさんの姿に私は若いすがすがしい力を感じました。

 

さて、マラソンといえば、みなさんは谷川真理さんという人を知っていますか。1990年代の日本を代表するマラソンランナーで、バルセロナ、アトランタオリンピックの代表候補にまでなった人です。

現在でも、マラソンの解説や、スポーツコメンテーターとして活躍する一方で、ランナーとして走り続けています。その谷川真理さんは、毎年1月東京で、「谷川真理ハーフマラソン 地雷ではなく花をください」というチャリティ・マラソン大会を主催しています。

マラソン大会のサブタイトルになっている「地雷ではなく花をください」というのは、柳瀬房子さんという方によって書かれた地雷撤去をよびかける絵本のタイトルです。世界では64カ国に計1億1千万個以上もの地雷が埋設されているといわれています。地雷の恐ろしさはみなさんも様々な機会を通して学んでいると思いますが、この絵本は、地雷の恐ろしさを広く伝えると共に、地雷を取り除き、代わりに花を植えたいねという世界平和への願いがこめられています。

谷川さんは、1998年に、対人地雷廃絶を訴えて走るチャリティ・ランで、地雷撤去中に右手、右足を失ったクリス・ムーンさんという方の伴走をしたことで、地雷問題に強い関心を持つようになりました。

 そして、少しでも多くの人に地雷の問題を知ってほしい、地雷問題解決に協力したいという思いから、「谷川真理ハーフマラソン」というチャリティ・マラソンを主催するようになりました。「谷川真理ハーフマラソン」は今年で11回目になります。参加者は、参加料に、任意のチャリティー金額を加えて申し込みをします。

今年は約330万円の募金が集まり、難民を助ける会を通して、地雷廃絶活動に使われるそうです。

 

現在、私たちの住む地球は、貧困と飢餓、環境破壊、戦争、といったたくさんの問題を抱えています。グローバル化が進み、地球が小さくなっているといわれる今、かつてのように、自分の国だけが物質的に豊かになれば幸福であるという時代は終わり、世界中が経済面でも環境面でも密接に関わり合っている時代です。平和な世界をつくるために、地球の一員である私たちに何ができるかを真剣に問いかけられている時代であるとも言えます。

 世界平和に対して、地球の未来に対して、皆さんはどのような責任を持ち、どのような働きかけができると考えていますか。そういわれると途方もなく大きな課題を前に、とても自分の手には負えないと放りだしたくなった人もいることでしょう。

 私も、大きな災害、問題を新聞やテレビのニュースで見ても、どこか対岸の火事のように感じられ、自分のように何の力も持たない者が、世界の問題に太刀打ちできるとはとても思えないというのが正直なところでした。

 しかし、ご自身の特技である、一見、地雷とは何の関係もないマラソンを通して地雷撲滅活動を行う谷川真理さんの姿はそのような私の考えを改めさせてくれました。

 

 何かを「好きだ」「頑張ろう」という思いはとてつもなく大きなエネルギーをもっています。走ることが好き、絵を描くことが好き、歌うことが好き。わたしたちの、何かを好きだというエネルギーを、周囲の人に、困っている人に、そして世界に、有効に生かすことはできないものでしょうか。

苦手で嫌いなことを、我慢して行うことは立派なことですが、続けていくことも難しいですし、「いやだな、大変だな」というマイナスのエネルギーが働きます。しかし、「好き」なことをならば、多少大変なことがあっても、頑張ることが喜びですらあるはずです。その喜びの力を、「好き」だという前向きのエネルギーを、困っている人、弱い人を励まし、助ける活動につなげることができたら、大きすぎるように見える地球の抱える問題も、私たちが働きかけることのできる私たちの問題へと変わって見えてくるはずです。

「好き」なことに誠実に取り組むことが、自分を成長させるだけではなく、世界平和に繋がっていく可能性があることを是非心にとめておいてください。

 

 走ることが好きな皆さん、走ることは嫌いだけど、頑張ってみたいと思っている皆さん。一年中、日本の各地で様々な団体が主催するチャリティー・マラソン大会が開かれています。こうした大会は、遅いか速いかを競うだけではなく、健康で、平和な世界を走ることのできる喜びを、世界平和や、困っている人を助ける力や形へと変換してくれることでしょう。

 みなさんの、「何かを好きだ、頑張りたい」というエネルギーが世界や社会の問題に繋がり、平和な世界をつくる力となることを信じています。

  これで宗教朝礼をおわります。

H.G.(寄宿舎)

 
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