
2010年5月12日の宗教朝礼より
これから宗教朝礼を始めます。
ゴールデンウィークが終わりました。この間まで咲いていた桜は、もう散ってしまい青々とした葉が目立つようになってきました。「いつまでも桜が咲いていればいいのに・・・。」と思うこともあるかもしれませんが、桜は春にしか咲いてくれません。春にしか咲かないから桜は私たちの心に特別な思いを刻んでいるのかもしれません。
さて、今朝のこの宗教朝礼のテーマは「種を蒔く人」です。「種を蒔く人」といえば聖書の中のからし種のたとえを思い出すところですが、今日は私の中に蒔かれた種についてお話しします。
みなさんは自分の中にある種に気づいていますか?中学生、高校生の時期に自分の中にある種を見つけるのは難しいのかもしれません。しかし、中には「私は○○をして世界で活躍したい」などと思っている人もいることでしょう。
私は中高生時代、自分の中にある種に気づきませんでした。将来やりたいこともなく、あてもなく勉強や部活をしていました。何のために私はここにいるのかを考えたこともありました。
しかし、大学に進学すると急に周りが開けてきました。どんな授業をとるか、どんな課外活動をするのかなど自分が決めるべきことが増えました。当初は「なんでもいいや。適当に過ごしていれば4年がたつ。」と思っていましたが、徐々に気持ちが変わっていきました。
それは大学2年の冬のことでした。学内の掲示板に「インターン生募集」と書かれたビラがありました。少し世の中を見てみたいと思い参加することになりました。インターンとは何かというと企業などの仕事を学生が体験するものです。私が参加したのは企業ではなく「議員」という仕事です。議員といってもいろいろとありますが、国会ではなく地方議員です。
それまで「議員」というと偉そうだ、悪いお金をもらってそうだ、など良い印象はありませんでした。色であらわすなら限りなく黒に近いグレートいうべきでしょうか。そして私自身は政治にあまり関心がありませんでした。(社会科学系統の学部だったのですが・・・。)
しかし、その時に出会った議員さんによって世界を見る目が変わってきました。私を引き受けてくださった議員さんは、学生の私にも優しく、そして上から目線ではなく話しかけてくれました。もちろん私に対してのみならず市民の方々とも対等に接していて、これまでの政治家の印象とは全く違ったものでした。特に障害のある人、高齢者など弱者の意見を自らの足で聞きまわり、それを行政側に伝え、そして政策に反映していました。
その議員さんの行動力、とりわけ現場主義、さらにはさまざまな問題に対して勉強する姿はとても参考になりました。
「社会が悪い。政治が悪い。」と世の中のどこかで言われているが、自分の近くに社会をよくしようと動いている人がいるのだと思いました。これ以降、私の心の中に小さな種が芽生えました。それは何かが悪いと言ってばかりいるのではなく、自分たちでそれを改善していこうという気持ちです。大学で学ぶ目的も明確になってきました。それまで自分は自分、他人は他人と思っていたことも、自分も誰かのために何かをしていきたいと思えるようになってきました。
きっと誰もが「種を蒔く人」です。まだ自分がどんな種を持っているか気づいていない人も多くいると思います。だけど、自分の持っている種は意外と誰かが知っているのかもしれません。
そして、いつの日か自分の使命に気づき行動しているときに、無力さを感じてしまうこともあるでしょう。そのようなときにマザー・テレサの「わたしたちのすることは大海のたった一滴の水にすぎないかもしれません。でもその一滴の水があつまって大海となるのです」という言葉を思い出してください。
この社会の中で小さくても何かをしていくこと、生きていることが、自分の中の種を育てているかもしれません。まだ名のない花かもしれませんが、いつの日か満開の十人十色の花となるでしょう。これからの不二聖心の生活、そしてこれからの人生の中で、ぜひ自分の中にある種を育てていってください。
これで宗教朝礼を終わります。
K.K(社会科)
引用:『マザー・テレサ 愛のことば』






