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宗教朝礼

2010年6月9日放送の宗教朝礼より

迷子になった犬や、世話しきれなくなって、捨てられる犬などを保護する動物愛護相談センターがあります。十数年も一緒に暮らした生き物をなぜこんなふうに手放すことができるのか、また時には皮膚病が悪化して見るからに弱っている犬を運ぶ先がどうして動物病院でなくてセンターなのかと思います。そこでは、一定期間収容するがそれを過ぎると殺処分になる、すなわち死んでいくしかないのです。そんな実情を見かねて、其のセンターで保護された動物を引き取る動物愛護団体があります。其のひとつに「ミグノン」という団体があり、そこの店長である友森さんのところに、まったく人を寄せつけず、すぐに噛み付く老犬で、フィラリアらしい咳をし、犬の歯が削られ声帯は切除されているのに去勢はしていない、このままだと安楽死しかないというので引き取ることになりました。あぐあぐ噛むから『アグ』という名前でよばれた老犬「アグ」は人間に対して強烈な抵抗を示します。人の手でも何でも視野に入ったものは反射的に攻撃するのは虐待を受けていたからと友森さんは考えました。「アグ」の世話は大変で46時中ゲージの中で過ごし、中の排泄物の片付けは一人が分厚いマットを盾にして一人がサッとリードを引いて出すという2人がかりです、タイミングを一瞬はずせば腕でも腰でも近くにあるものを順番にかまれます。外に出すことに成功してもすれ違う人に危害を加えかねません。店長の友森さんは、このような犬を欲しがってくれる人は現れまい。だからといって、それが命を奪う理由になるだろうか?アグがこうなったのは彼のせいではない。彼を扱った人達と生きてきた環境がさせたことだ。それなのにアグが死ななければならないなんてそんな理不尽はないと考えました。友森さんは「うちにいればいいよ。しょっちゅう人が出入りしていて落ち着かないかもしれないけれども、ご飯とおやつだけはおいしいものを奮発するから我慢して。本当の家族になれないし、抱きしめることも出来ないけれど、それで許してくれるかな・・安楽死よりいいよね」とアグに話しかけました。ところが、1ヶ月が過ぎる頃になるとアグの様子が、少しずつ良くなり、何と室内でもゲージの網越しでさわれた日は、友森さんはスタッフと手を取りあって喜びました。たまにはガブッとやられもするが、それでも店に来たときに比べれば格段の進歩です。調子に乗って客のいない日にはリードをつけたまま店内を自由に歩かせたりもしました。しかしある日、そこで事件が起きました。いきなり店のドアが開いて蕎麦屋のお兄さんが出前を届けにきたのです。あせってリードをつかもうにも間に合いません。襲われる・・・瞬間凍りついて声もでない店長の目に、信じられない光景が映りました。お兄さんはまったくの無防備でアグに手を出して、あろうことか首のあたりをがしがし撫で回しているのです。そしてアグはといえば、目をつぶってウッとりとしています。あのアグが、目の前に来たものはとりあえずかむという信念の持ち主が、初対面のお兄さんからされるがままになっている。友森さんは大きな驚きと感動を覚えました。其の日からの一ヶ月はかれにアグをさわってもらう目的で毎日、蕎麦屋の出前を取りました。スタッフはメニューに飽きて明らかにいやそうな顔をするが、そんなことは気にしません。さわれる人にはどんどんさわってもらうことのほうが、ずっと大事だと友森さんは考えました。その後、ネットで新しい飼い主を募集するサイトに登録しました。「柴犬、オス、推定10歳、去勢済み、噛み付きます、声帯を切除されているために声がでません、フィラリア陽性」マイナスな条件ばかりだし、いいといってくれる人なんておいそれと現れないだろうと友森さんは思いました。ところが、この後のアグの運命は予想もつかない展開が待っています。詳しくは図書館にこの本「世界にたった一つの犬と私の物語」を入れていただくことになりましたので読んで見てください。T.H.(数学科)

 

 
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