
2010年9月1日放送の宗教朝礼より
おはようございます。宗教朝礼を始めます。
みなさん、おかえりなさい。終わってしまうとあっという間の夏休みですよね。
長い休みを有意義に過ごすことができましたか?
さて、先週末に放送された「24時間テレビ」を見た方はいらっしゃるでしょうか?
子供の頃、8月の最後の週末に放送されるこの番組が始まると「あ、夏休みが終わるのだな」と寂しさを感じていました。
友達には会いたいけれど、学校には行きたくなくて家でまだまだのんびりしていたい。
そんな風に思いながら番組を見ていたものです。
今年で33回目となる「24時間テレビ」のテーマは「ありがとう」でした。
番組の中ではたくさんの人の「ありがとう」の気持ちが紹介されました。
家族へのありがとう
友人へのありがとう
恩師へのありがとう
さまざまな形の、それぞれに心のこもった「ありがとう」がありました。
たった5文字の短い言葉ですが、「ありがとう」には大きな力があると思います。
私は特に10代の頃、なかなか素直に「ありがとう」と言うことができませんでした。
心の中では感謝しているのに、気恥ずかしさが勝って、たった5文字の言葉を口にすることができず、もじもじしているうちに機を逸して後悔したこともありました。
ある日、父と喧嘩をして気まずくなった数日後のことですが、2人で本屋へ行ったことがありました。
その時、欲しいなと思う本が数冊あって迷っていたところ、父が全て買ってくれました。
あまりに嬉しくて心の中では感謝しているのに、喧嘩したことをまだ少し引きずっていた私は、恥ずかしさと気まずさからお礼を言うことを躊躇ってしまいました。でも、これではいけない、と勇気を出すことにしました。
すると、思いがけず出たのは「ありがとうございます」という言葉でした。
父は、私の突然の丁寧語に驚いたらしく「何だ、そんなにかしこまって。他人みたいじゃないか」と笑って答えてくれました。
その時の、父のその言葉がなぜか嬉しくて、きっと緊張が解けたからだと思うのですが、買ってもらったたくさんの本を抱えて泣きそうになるのを車の助手席で必死にこらえたことを今でも良く覚えています。
とても些細な出来事ではありますが、この頃の私は反抗期で家族に対してなかなか素直ではありませんでした。この日「素直になろう。ありがとう、ってちゃんと言おう」と意を決したことが反抗期を脱する糸口になったのではないかと今は思います。
高校生活最後のお弁当の日のことも良く覚えています。
いつもの仲良しの友人と、いつもの教室のいつもの場所で昼食のお弁当を広げて最後の「いただきます」をした直後のことでした。
友人の一人が突然泣き出したのです。
見ると、ご飯の上につまようじと紙で作られた、手作りの旗が添えてありました。
そこには「ママのお弁当を6年間食べ続けてくれてありがとう」というお母様からのメッセージが書かれていました。
感動のあまり、私たち全員がしばらく黙って、それぞれの母親に感謝しつつお弁当を食べました。
今私は一人暮らしをしていますが、無性に母親の手料理が食べたくなる時があります。私にとっては一番のごちそうです。「おいしいご飯をありがとう」と今では会うたびに感謝しています。
「ありがとう」という言葉は人を幸せにします。
心をこめた「ありがとう」には、大きな大きなパワーが宿っています。
夏休み中、小さなことではありますが頼みごとを聞いてくれた友人に「ありがとう」と伝えたところ
「あたりまえじゃない」と言われました。
「そう?でも嬉しいから」と返すと「でもいいね。こっちまで笑顔になるよ」と友人は言いました。
「ありがとう」は笑顔をもたらす素敵な言葉です。そして笑顔になった人は「幸せ」だと感じることができます。
先週末は「24時間テレビ」の中のたくさんの「ありがとう」を見ながら、その言葉の力強さと温かさと繊細さを改めて感じ、大事にしようと思いました。
みなさん、今「ありがとう」と伝えたい人はいますか?
隣に座っているお友達ですか?
目の前にいる先生ですか?
家で待っている家族ですか?
恥ずかしくてなかなか言えないな、と思ってもぜひ、素直になって「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えましょう。「ありがとう」と口にした瞬間、言った自分にも伝えた相手にも大きな笑顔と幸せが広がっていきます。
これで宗教朝礼を終わります。






