| ヤマホトトギス
属名 ユリ科ホトトギス属 学名 Tricyrtis macropoda
裏道を降りていくとアカメガシワの大きな木が1本生えているところがあり、その反対側の土手で、毎年、ヤマホトトギスが美しい花を咲かせています。この名前は、花全体に紫色の斑点が散らばっているのをホトトギスの胸の模様にたとえてつけられました。昔の人は、自然をよく見ていたものだとつくづく思います。ヤマホトドギスは、埼玉県や大阪府などで絶滅危惧種に指定されている希少な植物ですが、不二聖心のヤマホトトギスは、今年もしっかり結実しており、来年はまたいっそう数が増えることが予想されます。
(平成21年10月1日) |
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| アオマツムシ
科名 バッタ目コオロギ科 学名 Calyptotrypes hibinonis
裏道の東名のガード付近でアオマツムシの脱皮の様子を撮影しました。アオマツムシは、100年ほど前に中国の福建省から日本に入りこんだと言われる虫です。今は、秋に鳴く虫の代表格となっています。この脱皮は 7回目の脱皮で、終齢幼虫が成虫になるところです。驚くほど短時間で、みるみるうちに姿が変化していきました。脱皮は最も危険にさらされる時ですから、うかうかしてはいられないのです。小さな命の懸命な営みを、息をのむ思いで見つめました。
(平成21年9月25日) |
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| ツリガネニンジン
属名 キキョウ科ツリガネニンジン属 学名 Adenophora triphylla var. japonica
ツリガネニンジンの可憐な花を愛する人は多く、「不二の自然」にも入れてほしいと二人の方から言われました。
ツリガネニンジンの「ニンジン」は根が「朝鮮人参」に似ていることからつけられました。春の若芽はトトキと呼ばれ、山菜として親しまれています。ちなみにトトキは朝鮮語です。
ツリガネニンジンがあまり見られなくなったという声をよく聞きますが、幸い不二聖心ではたくさんのツリガネニンジンが自生しています。
(平成21年9月24日) |
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| ツマグロヒョウモン
属名 チョウ目タテハチョウ科 学名 Argyreus hyperbius
久しぶりに牧草地でツマグロヒョウモンのメスが飛んでいる姿を目にしました。ツマグロヒョウモンはもともと南方系のチョウですが、地球温暖化によって生息域を北に広げていると言われています。
幼虫の食草はスミレ科の植物で、その中にはパンジーなども含まれるので都市部でも比較的、目にすることの多いチョウです。以前、裾野のヤオハンで売り物のパンジーにツマグロヒョウモンが産卵しているのを目にしたことがあります。
(平成21年9月19日) |
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| ニホンザル
属名 オナガザル科マカク属 学名 Macaca fuscata
農業被害をもたらすやっかいものとして扱われることの多いニホンザルですが、世界的な視点で見るとまた別の見方をすることができます。生物学者の高槻成紀先生は『野生動物と共存できるか』(岩波ジュニア新書)という本の中でそのことを強く訴えていました。世界的に見たときにニホンザルは、野生のサルの中で、地球上で最も北に生息するサルであり、その意味でたいへん貴重な存在であるというのです。欧米の学者は、日本で、山奥でもないのにサルが出るのを見て非常に驚くそうです。不二聖心では通学路にサルが出ますと言ったらさぞ驚かれることでしょう。
その貴重なサルを駆除しているなどというのは、欧米人には信じがたいことであるわけです。これからはグローバルな視点で不二聖心のサルとも向き合いたいと高槻先生の本を読んで思いました。
(平成21年9月14日)
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| オオアメイロオナガバチ
科名 ハチ目ヒメバチ科 学名 Megarhyssa gloriosa
雑木林のクヌギの木にオナガバチが産卵管をつき刺しているのを見つけました。カミキリムシなどの幼虫に産卵しているものと思われます。木の中に潜むカミキリムシの幼虫の居場所を、オナガバチはにおいでつきとめ、産卵管を突き刺して卵を送りこみます。
不二聖心にはたくさんの寄生バチが生息していますが、寄生バチが産卵するカミキリムシやコガネムシなどの幼虫は高タンパクで、卵から孵ったハチの幼虫はその豊富な栄養を摂取して育ちます。
著名な昆虫学者の矢島稔氏は、オナガバチの産卵シーンを見たくて山道を歩きつづけた時期があったそうです。多くの人をひきつけてやまないオナガバチの産卵シーンが校内で見られるというのは素晴らしいことだと思います。
(平成21年9月4日) |
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| ホンシュウジカ
科名 偶蹄目シカ科 学名 Cervus Nippon centrails
お茶畑で母子と思われる2頭のシカと出会いました。こちらの気配に気づいて小鹿はすぐに隠れてしまいましたが、もう1頭の雌鹿はしばらくこちらを見ていました。数分たって突然、「ピイッ」というけたたましい音があたりに響きわたりました。雌鹿の発した警告音です。音が聞こえた直後に、隠れていた小鹿が再び現れ、2頭は森の中へと走り去っていきました。
母鹿は自らが囮になってでも子鹿を守ろうとするという話を聞いたことがあります。もしかしたら雌鹿は、こちらの視線を自分の方を引き寄せようと必死だったのかもしれません。
(平成21年9月1日) |
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| ベニシジミ
科名 チョウ目シジミチョウ科 学名 Lycaena phlaeas
不二聖心の中には何種類かのシジミチョウが生息していますが、最もよく見られるのはこのベニシジミです。数が多い理由は、幼虫の食草にあります。幼虫が食べるのはスイバやギシギシなどのタデ科の植物で、たいへん生命力旺盛な雑草です。たくましい雑草を食草としたことでベニシジミもその繁栄を手に入れることができました。
ありふれた蝶ですが、ファンは多く、例えば作家の三木卓はベニシジミについて次のような文章を書いています。
ベニシジミも、わたしのおなじみさんである。小さなオレンジ色の可憐な姿で空地の雑草や野原で舞っている。出会うと、たとえそれが旅先であっても「やあ、いたなあ」という気分になり、家に帰ってきたような気がする。
一緒に写っている花はイヌキクイモで、かつて食用にするためによく植えられたキクイモの仲間です。不二聖心でもあちらこちらで見かける花で、不二聖心の夏に美しい彩りを添えてくれています。
(平成21年7月17日) |
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| シロオビトリノフンダマシ
科名 ナゲナワグモ科トリノフンダマシ属 学名 Cyrtarachne nagasakiensis
この写真を見て鳥の糞かなと思った方は、見事に相手の術中にはまってしまったことになります。これはクモが鳥の糞に化けている姿なのです。このクモの擬態は芸が細かく、鳥の糞の尿酸の白い部分までそっくり似せ、いかにも濡れた糞らしくつややかな色をしています。和名はシロオビトリノフンダマシです。不二聖心の中ではすでに2カ所で生息を確認していますが、普段はなかなかお目にかかることができません。初めて出会った時は、どうしてもこれがクモだとは思えず、思わず手でふれて動くかどうかを確認してしまいました。このように他の物に自分の姿を似せて捕食者から身を守る擬態を隠蔽型擬態と言います。
シロオビトリノフンダマシは夜行性で、不二聖心で観察された2匹はともにススキの葉の上でじっとしていました。この写真を撮った日も、きっと夜中には網をせっせと張り狩りをしたことでしょう。
ちなみに、トリノフンダマシ類が夜行性だということを発見したのは、大熊千代子さんという女性の研究者でした。徹夜の観察によってそのことをつきとめたそうです。
(平成21年7月13日) |
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