学校法人聖心女学院 不二聖心女子学院・ 中学校・高等学校
アクセス Q&A リンク 卒業生のページ
文字を大きく デフォルト 文字を小さく
サイトマップ HOME
不二聖心の教育 学校生活 寄宿舎 図書館 奉仕活動 海外体験学習 不二の自然 入試情報 不二農園
 
校長室から
在校生・卒業生の保護者の方へ
在校生・卒業生の声
校長室から
入試情報
聖心女子学院
 

平成22年4月 平成22年度 始業式 学校目標


学校目標「かかわりを広げる」~賢明な女性をめざして~

校長 山本 滉 

 

 あるとき、一人の中学生に質問されました。「先生は何のために生きていますか。」わたしはとっさに「幸せになるためだよ。」と答えました。「先生にとって幸せとは何ですか。」重ねて質問されました。「家族が健康で生き生きしていることが、ぼくの幸せかな。」わたしの言葉に、ソウカとその中学生はつぶやき「ありがとうございました。」と去っていきました。その後ろ姿を目で追いながら、自分の「生」を真剣に考えていることをいとしく思い、私は宮沢賢治の言葉を思い起こしていました。

 

世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない。

 (農民芸術概論綱要)

 経済の成長、経済の規模が大きくなれば、社会が豊かになり人間も幸福になると考えられてきましたが、今、日本ではさまざまな社会問題が起こり幸福だと感じている人が、日本より経済的に貧しい国々の人たちよりも少ないようです。その要因の一つに「かかわり」が希薄になっていることがあげられます。かつては祖父母と一緒の家庭が多く、それぞれが家族の役割を持ってかかわり合い助け合って生活していました。地域でも深くかかわり協力し合って生活していました。祖父母や地域の人たちから人生の知恵を学ぶ機会が多くありました。しかし現在、深くかかわるという経験が少なくなっています。人と深くかかわることを避けたり、苦手だと思っている人も少なくないようです。私たちは一人で幸せになることはできません。「私」と「何か」がかかわりをもっている、つながっていることで幸福を感じます。頼ったり頼られたりする経験が私たちの心と目を豊かに養っていきます。18才のプロファイルに「かかわり能力が伸びてきています。」という項目があります。くり返し読んでください。それを高校卒業のときまで育んでいく努力を続けましょう。実社会で人間関係を育てていくためにも重要な要素です。

 みなさんは不二聖心で多くの人たちとかかわっていきます。まず、人に関心をもつことがかかわりを広げる旅への第一歩です。人の心の世界に土足で入りこむことは避けなければなりません。しかし人の痛みを想像し寄り添うことが大切です。かかわりを広げる根っこは「心」「魂」です。教育方針の三つ、「魂を育てる」「知性を磨く」「実行力を養う」の各項目を熟読して、自分を耕す努力をしてください。知性も教養も大切です。いろいろな考え方、生き方を知る読書も大切です。マナーや表現力を身につけることも重要です。世界の現実を知ることも必要です。

 進んで人とかかわり、協力し合う姿勢をつくり、その輪を広げていく意志を持ってほしいと思います。隣の人の心の痛みに敏感になって親切にかかわってください。閉鎖的にならず、遠く離れた世界の現実の苦しみ、悲しみを想像する力を持ってください。それが宮沢賢治の「個人の幸福」への歩みになります。

 不二聖心の保護者聖フィリピン・ドゥシェーンは1769年8月29日にフランスのグルノーブルに誕生し、聖心会に入会後やがてキリストの愛、聖マグダレナ・ソフィアの思いをインディアンに伝えたいと12年もの間、願っていました。念願がかない1818年3月アメリカに渡り、多くの困難を乗り越え、ミズーリー州のセントチャールズに聖心女子学院を創立しました。祈り、情熱、使命感、何ごとにもくじけない精神が大きなかかわりを広げることになったのでした。不二聖心のアメリカ体験学習ではセントチャールズを訪問し、聖フィリピン・ドゥシェーンの足跡をたどっています。また、現在でも世界の特に恵まれない子どもたちのために聖心会のシスター方が深く関わっていらっしゃいます。皆さんの、温情の会の活動の支援に対して、先日、フィリピン、インドネシア、ウガンダの子どもたちのために働いていらっしゃるシスター方から心のこもったお礼状が届きました。掲示しますのでよく読み、知って感じて考えて行動することの尊さ、かかわりを広げることの意味をしっかり考えてほしいと思います。

 今年二人の女性の人生を紹介しようと計画しています。一人はアンネ・フランクです。4月から5月中旬まで図書館で、アンネ・フランクのパネル展を行います。もう一人はチベット人のバイマーヤンジンという方です。6月18日バイマーヤンジンさんのお話を伺う機会を設けました。歴史に翻弄されたアンネ・フランクと故国チベットの子どもたちのために行動しているバイマーヤンジンさん。それぞれの人生から何を感じ何を考えるのか。人生で経験することが「私」という人間をつくっていきます。それぞれの経験を少しでも共有し私たちの貴重な経験となるように期待しています。

 新入生と出会うこともかかわりを広げ賢明な女性をめざすいいチャンスです。上級生は新入生と親切にかかわり、新入生が早く学校生活になれるように努力してください。中学生、高校生、心を合わせて理想の自分の真心を尽くす一年にしましょう。
 
個人情報保護方針 サイトポリシー 免責事項
Copyright 2009 Fujiseishin Jyoshigakuin. All Rights Reserved