シスター・先生から(宗教朝礼)

2023.01.19

2023年1月18日放送の宗教朝礼から

 宗教朝礼を始めます。新しい年が明け、半月が経ちました。初詣に出かけて今年こそは良い年になりますようにとお願いした人も多いと思います。
 ただ、残念なことにコロナ感染はいまだに収束せず、病院で診察を受けられず救急車で病院をたらい回しにされる人の映像を目にします。またロシアとウクライナの戦争も終結する兆しがなく、つい先日もウクライナの住宅地にミサイルが撃ち込まれ多くの人ががれきの中で犠牲になる映像が連日テレビに映し出されています。このことは目をそむけることの出来ない現実であり、今年中に終わって欲しいと祈らずにはいられません。
  信憑性は定かではありませんが、最初ロシアは日本に侵攻するという計画も立てていたというニュースがありました。北海道の根室や羅臼からは、北方四島の一部がはっきりと見え、ロシアがすぐ近くの隣国だと認識出来ます。
 他国の戦争ではなく、日本も当事者として考えなくてはなりません。
 
 教皇フランシスコが2015年に書かれた本の中に次のことが書かれています。
「テクノサイエンスは、よい方向に向けられれば、生活家電から大規模輸送システム、建築物、公共空間まで、生活の質を向上させる重要な手段を生み出します。航空機や超高層ビルの美しさを誰が否定しうるでしょうか。美術や音楽の優れた作品は今では新しいテクノロジーを利用しています。(途中略)
 しかしまた、核エネルギー、バイオ、情報工学、DNAに関する知識、獲得してきた多くの能力によって絶大な権力を手にしてきたことをわきまえなくてはいけません。それらを利用する人々に世界に及ぶ強大な支配権を与えてきました。そうした権力が賢明に行使される保証はありません。現代の戦争では今まで以上に破壊的な兵器が用いられています。かつて日本に投下された核爆弾、何百万人もの殺戮に用いられた数多くのテクノロジーを思い出します。それらを行使する権力をだれが手中に収めているのでしょうか。 少数の人がそうした権力を握ることは極めて危険です。」
 すでにロシアによる戦争が起こることを予見しているかのような内容です。
 教皇フランシスコは、将来世代に残す世界がどうあるべきか考え、物事を違ったふうに眺め、この世界が無償で与えられ、他者と分かち合うべき贈り物であることに気づくこと、生息可能な惑星を将来世代に残すことは、私たちにかかっていると呼び掛けられています。
 カトリック学校に学ぶ皆さんは、この教えを大切にして意識しながら大きなことは出来なくても自分に出来ることは何かを考え活動し、世界が平和になるように祈り続けて下さい。 
*『回勅 ラウダート・シ』より  著:教皇フランシスコ 発行:カトリック中央協議会
J.K.(数学科・情報科)