シスター・先生から(宗教朝礼)

2023.04.12

2023年4月12日放送の宗教朝礼から

 シャローム!おはようございます。あなた方に平和がありますように!

この日曜日9日に、世界中のカトリック教会、世界中の聖心で「復活祭・イースター」という大きなお祝い日を迎えて、皆で交わし合った挨拶です。今朝は皆さんとも、このシャローム、平和がありますように!という挨拶をするのを楽しみに待っていました。
今ご紹介いただいた私は、皆さんと同じよう、この山の上に住んでいる聖心会修道院のシスターです。シスタ-たちは今7人います。皆さんをこの不二聖心にお迎えできる日を祈りながら、とても楽みに待っていました。ご入学そしてご進級、おめでとうございます!朝礼のために並んだ、あなた、とういう制服姿の個性的なお一人お一人は、自然界の山や木々、花々、虫たち、小鳥たちにまけず、それぞれの美しさをもってこの不二聖心を飾っています。
シスターたちが先生方とともに、願っているのは、生徒の皆さんと共に、この裾野を超えて地球的な世界の人々とのSDGsへの取り組みなど広い世界に向かって行うとしていることです。シスターたちも、皆さんと同じこの精神を大切にしながら生きていますよ。
この始業式のシスター大原校長先生のお言葉の中でも、おっしゃっておられますが、創立者聖マグダレナ・ソフィアの生涯をつらぬいた愛の炎、つまりイエス様のみこころへの愛とは、何かを学び、親しくなり、愛ある人として、ご一緒に実行していきましょう!
ところで、先日、修道院の部屋を片付けていましたら、ある大切な物を見つけました。不思議な彫刻、大理石に刻まれた「ペリカンが自分のおなかをつつき、ひなたちを養っている姿」でした。すぐピンときたことは、自分の体と血を流して、人々を助けようとされるキリスト・イエス様を表していることです。
ヨーロッパで伝えられているお話で、イエス様の愛を表すシンボルとしてのペリカン像だったのです。
なぜここにあるの?と、長くここにおられたシスターに伺ってみると、1951年~2年、上海聖心は、毛沢東の革命によって閉鎖・シスターたちは宗教難民になりました。この不二聖心が創立されるキッカケとなった年ですね。
逃げて来られた、マザーダフが、このペリカン像を、必死にかかえて、ここに直接、裾野へ持ってこられた、とのことでした。イエス様のみこころの愛のシンボル。ペリカン像を、(とても重いものですが)手ずから持ってこられた尊いものだったのです。
このペリカン像は不二聖心のアーカイブにおさめられる、とのことです。皆さんも、いつかごらんください。
これについて、私がここで特に述べたのは、創立者聖マグダレナ・ソフィアが、ちょうど皆さんぐらいのお年の時、お若い頃の聖マグダレナ・ソフィアの作品として伝えられている刺繍の額絵があります。その絵の内容こそ、
イエスのみこころの炎が燃える下に、血と体を、ひなの子供たちに与えているペリカンの刺繍の絵です。これも
聖マグダレナ・ソフィアの遺品としてよく見る絵ですが、どうぞごらんください。
シャロームという挨拶について話を戻しますと、実はこの挨拶はイエス様のお言葉です。イエス様は、私たちを愛するあまり、十字架を背負われ、その死を超えて、みこころの愛の炎を示してくださったのです。復活されたそのイエス様は「シャローム、」と挨拶をされて弟子たちを勇気づけておられます。
「イエス様は、生きておられる!シャロームと挨拶をされている」。「平和がありますように!」
シャロームは、ヘブライ語で、おはようございます、平和がありますように、こんにちは、などの挨拶語と同じだそうです。懐かしいイエス様のお声を聴いて弟子たちは、どんなに嬉しかったでしょう。
シャローム、こんにちは!と挨拶をされたイエス様。「今、生きているイエス様」はシャローム、と挨拶をなさりあなたがたに向かって、「あなたは、一人ではない。あなたと共に今を一緒に歩いていますよ」と言われるイエス様です。そして、目に見えない大切なことを見るようにせよ、と言われるのです。
あなたは一人ではない。
私は、いつもあなたと共に歩んでいる。
見えない「今生きているイエス様」があなたと共に歩まれている。あなたは一人ではない。
M.Y.(聖心会裾野修道院長)