シスター・先生から(宗教朝礼)

2018.06.13

2018年6月13日放送の宗教朝礼から

 これから宗教朝礼を始めます。今の私の生活にボランティア活動は欠かせないものであり、生活の一部ともなっています。

私のボランティア活動のスタートは中学生になる少し前からでした。このときは千葉県木更津市内の子ども会に、イベントの補助でレクリエーションをお手伝いにいったりキャンプの引率に行ったりして、幼稚園や小学生の児童たちと一緒に遊ぶことをしていました。この活動は静岡市に転校した高校2年生からも継続し,学生の途中でその活動から離れることにしました。県をまたがって長期間の活動でしたが、この経験は、高校生で進路を考えたときに「学校の先生を目指そう」と考えるきっかけになったり、その後の様々なボランティア活動の中でとても生かされるものとなりました。

大学生のときは、東日本大震災が発災した直後に大学に入学したこともあり、「現地の方々のために自ら活動をしたい」と思った私は,その年の8月、静岡市内で募集していた災害ボランティアに応募し、参加しました。それから学生時代は1年に1度はボランティアというかたちで現地を訪れるようにしていました。

私はこの災害ボランティアに参加して、もう1つ大きな経験をします。それは異年齢異業種の集団の中で活動・生活を共にすることでした。年齢や職業はもちろん、これまでの人生の背景なども異なり、お互いを全く知らない人たちが同じ志や思いを持って集まる、そんな集団で活動していました。201410月に静岡市で起こった豪雨による災害の時には、1人で救援活動に向かいましたが、現地では今まで災害ボランティアとして活動を共にした方たちと再会することになります。それぞれ居住地は異なります。誰が声をかけたわけでもなく、それぞれが同じ思いを持って集まったことに驚くばかりでした。このボランティアという異年齢異業種の集団に入ることで、いろいろな方から、その人の職業や人生の話を伺うなど、普段何気なく生活していた学校の中では得ることのできない経験を多くすることができました。それからは学内の活動だけでなく定期的に外部で様々な方が集まるところで活動させていただくことも多くありました。現在も県内でいくつかのボランティア活動に参加させてもらっています。この様々なボランティア活動が今の私の核となっており、それらで得た経験が様々なところで役に立っています。

 学校に話を変えると、異年齢異業種ではなくても、近隣の生徒だけでなく、静岡県も含め17都府県からこの不二聖心に集まっています。中学生または高校生から異なる都府県に住んでいる人たちと同じ環境で過ごすことは貴重な経験だと思います。同じ志を持った同志を見つけることもできれば、ときには些細なことでぶつかってしまうこともあるかもしれません。そんな中でも、いろいろな価値観や多様性を持った人たちがいることを受け入れ、それを理解し合うことが何よりも大切なことなのではないかと思っています。

 同じ志といえば、学校生活の中でも5月にあった体育大会では,学年やクラスは異なっていても「優勝」という同じ志のもと,練習していた日々も含めて自分たちが出場する競技や同じ色の仲間に声援を送ることに一生懸命だったことと思います。1つの目的に向かって努力しているみなさんの姿はとてもかっこよかったです。

 また、先月28日のSr.ドナ・コリンズのお話や、「聖マグダレナ・ソフィアの生涯」の本の中にも書かれていますが、マグダレナソフィア・バラとローズ・フィリピン・ドゥシェーンはヴァラン神父様の助言により出会うことになります。ですが、2人の年齢差はおよそ10歳、それまでの家庭環境も対照的でした。それでも学院を世界に広められたのは、お互いに幅広い教養を身につけていたこともありますし、何より同じ志を持っていたからだと思います。フィリピン・ドゥシェーンは自分自身の成し遂げたい思いも持ってアメリカへと渡り、聖心学院を創立し、最後は自分自身の望みでもあった、先住民に囲まれてその生涯を送りました。

 私たち自身もフィリピン・ドゥシェーンのように何かを成し遂げたい、などといった思いがあると思います。それを自分自身だけの力で成し遂げることも可能かもしれませんが、まわりにいる友人や家族などの力も借りていくことも大切だと思います。ときには自分の心にも耳を傾けて、今、このときを大切に過ごしてもらえたら、と思っています。そして、自分の周りにいる同級生または上下級生の仲間をぜひ大切にしてください。ここでのつながりはこれからも大切なものとなるはずです。

 これで、宗教朝礼を終わります。


M.M.(数学科・情報科)