シスター・先生から(宗教朝礼)

2021.05.19

5月19日放送の宗教朝礼から

 おはようございます。これから宗教朝礼を始めます。

突然ですが、いま、頭に自分の長所と短所を思い浮かべてみてください。
長所と短所、どちらが多く思い浮かんだでしょうか?
もしかすると、短所の方が多く思い浮かんだという人が多かったかもしれません。
私が最近読んだ本に、短所を見つけるのは簡単だが、長所を見つけるためには知性が必要であると書いてありました。
私は小学校2年生から中学高校大学と15年間サッカー漬けの日々を送ってきました。その中でサッカーノートというものを書いていました。毎日の練習や試合を振り返り、その日の成果や課題などを記録していくというものです。
書いていると、やはり「できたこと」より、「できなかったこと」の方が多く書き出せたという記憶があります。なので、短所を見つけるのは簡単で、長所を見つけるためには知性が必要と知り、とても納得しました。
皆さんは普段、どのくらい長所に目を向けているでしょうか。
これは自分自身のことに対しても、そして周りにいる人々に対しても言えることです。
自分自身や周りの人の、長所に目を向ける癖をつけてみませんか?たいそうなものでなくても構いません。「毎日の挨拶が明るくていいよね」「ノートを綺麗に取っているよね」「掃除の時に進んで動いているよね」「隙間時間を有効に使っているよね」など、日常のちょっとしたことから、お互いの長所を見つけてみてはどうでしょうか?
自分自身の短所については、向き合い、改善していくことも、もちろん必要です。これをしなくていいと言っているわけではありません。ただ、長所に目を向け、伸ばしていくことも、これからの時代を生き抜くために、とても大切だと私は考えています。
長所に目を向ける力を中高生のうちに身につけておくことができるよう、是非意識してみてください。皆さんが社会に出た時、きっとプラスに働いてくれることでしょう。
話は変わりますが、私はGWの間「プライドウィーク」に参加しました。「LGBTQに関する15選」というYouTubeにアップされた15個の動画を見るという形での参加です。メモを取りながら動画を見ていましたが、その中で、今現在日本でLGBTQだと認識している人の数は、日本全体の5〜6%だと知りました。この数字を聞いて皆さんは、多いと思うでしょうか?少ないと思うでしょうか?
5〜6%が、どれくらいの感覚かと言うと、AB型の人の数や、左利きの人の数ぐらいだそうです。各クラスにAB型の人、左利きの人はどれぐらいいるでしょうか?
また、日本人の多い苗字トップ4と言われている「田中さん」「佐藤さん」「鈴木さん」「高橋さん」の4つを合わせた割合も約6%と言われているそうです。
そう考えてみると、LGBTQと認識している人の数は思っていたより多い、と感じる人もいるかもしれません。そしてこの中の80%がいじめや不快な発言をされたなどの経験があると、動画の中で知りました。
「女の子なんだから」「男の子なんだから」そういった発言に傷ついたという人々もいるとのことです。
ここまでLGBTQという言葉を何度か発してきましたが、私はこの表現よりSOGIという表現の方が好きです。SOGIはsexual orientationとgender identityの頭文字S.O.G.Iをとったもので、性的指向と性自認、もっとわかりやすく言えば、好きになる性と心の性という意味です。LGBTQは一部の「人々」のことを指すのに対して、SOGIは全ての人の「特性」を指すという違いがあります。つまりこの場にいる、不二聖心にいる全ての人に1人1人にSOGIが存在し、その在り方はとても多様です。決めつけられるものではありません。
私がなぜこの話をしたかと言うと、SOGIをはじめとして、人の在り方は人それぞれだということを伝えたかったからです。人と違うところがあって当然なのです。むしろ周りの人と同じ過ぎることは不自然とも言えます。
皆さんは、周りを気にしすぎてはいませんか。
例えば何か大人数で決め事をするとき、自分の頭で考え、自分の意見を主張することができていますか。人数分だけ意見があって当然です。
人と自分の違うところを、いい意味で尊重してみてはいかがでしょうか。
適度に団結することは必要です。
コミニュケーションを取ること、協力しながら何かを作り上げることもこれからの時代、必要なことの1つです。
ただそれは、1人でも行動することができる自立した個人の集まりでないと意味がありません。
意味もなく群れることと、自立した個人が集まって力を合わせることはちがいます。
皆さんはしっかり自分の頭で考え、自立した個人として行動できていますか。
社会に出て必要になる力を、今のうちから培っておいてほしい、私はそう思います。
もうすぐ体育大会です。
例年とは違った形の開催で、もしかすると、うまくいかないこともあるかもしれません。
それでも体育委員を始め、各色の団長副団長、係別のメンバーなど、それだけでなく、この学校の全員が、体育大会に向けて貴重な時間を割いて準備をして、練習し努力して、様々な苦労をしてきたと思います。
それが例えどのような結果になったとしても、体育大会の1日、準備期間、これらを通して、自分自身の長所を、そして周りの人々の長所を、1つでも多く見つけられるよう、
そして、皆さん1人1人が自立した個人として、団結し力を発揮する姿を見ることができるよう、心から祈っています。
これで宗教朝礼を終わります。
N.I.(保健体育科)