校長室から

2013.05.21

第4回 中高別朝礼の話(2013年5月20日、21日)

おはようございます。今週末は、体育大会ですね。高3の方々を中心に、準備も最終段階に入っていらっしゃることでしょう。先週末、東京の大学のキャンパスで、多くの卒業生の方々と偶然出会いました。何人もの方々が、「体育大会に行きます」とおっしゃっていました。卒業しても変わることのない母校への思いを感じ、とてもうれしく思いました。

  さて、先週、ホームページに「ルーツへの旅」というコーナーができました。皆さんや卒業生の方々をはじめ、学院を愛する方々が、「不二聖心女子学院のルーツをたどる旅」に出かける時の参考にして頂けるように、と担当の先生が始めてくださったものです。少しずつ内容を更新していってくださる予定ですので、参考にしてください。

 たとえば、元パリの聖心女子学院は、今はロダン美術館になっていて「考える人」の彫像などを見ることができます。パリの中心にあり、観光名所の一つですから、一般的なガイドブックにも行き方や説明は必ずのっています。ただし、世界中から訪れる聖心の関係者の主目的は、マグダレナ・ソフィア・バラがいらした頃の学院の様子に思いをはせることですから、ここを訪れる時は、『聖マグダレナ・ソフィアの生涯』(三好切子著 毎日新聞社 1978年)の105~119ページの「パリのビロン邸」を読むとよいでしょう。世界史の好きな方は、フランス革命に関連する人物との関係を考えながら読むと面白いかもしれません。いつか訪れる時に備えて、少しずつ知識を蓄えていくことをお勧めします。

  実に、「学院のルーツへの旅」をたどることは、「私たちが、今こうしてここに共にいること」と深くかかわっています。

- もし、1952年に聖心温情舎(不二聖心の前身)が創立されなかったら、私たちは、今日こうして出あうことはありませんでした。

-もし、1908年に聖心会が日本に来日しなかったら、不二聖心は創立されなかったかもしれません。

- もし、1800年にマグダレナ・ソフィアが聖心会を創立されなかったら、聖心会の来日はありませんでした。

-  もし、マグダレナ・ソフィアという方がこの世にいらっしゃらなかったら、聖心会は創立されなかったでしょう。

 学院のルーツや歴史は、私たち自身とつながっているのです。その中で育まれてきた価値観や伝統、そしてスピリットは、過去のものではなく、生きたものとして私たちのただ中にあり、アイデンティティに影響を与えています。その事実に心をとめまがら、こうして出会えたことに感謝しつつ、創立61年目の旅を続けていきましょう。