校長室から

こんにちは、シスター大原眞実です。

ここでは、私からのメッセージをお伝えします。朝礼等で生徒に語ったことや学院発行の冊子等に掲載したことの中から、また日頃感じていること等を含め折々に更新してまいります。

 “Sophie’s Diary”(不二聖心女子学院公式Facebook)等にも、担当の一人として写真やメッセージを掲載中です。様々な角度から、学院生活の様子を感じとって頂けたら幸いです。

2019.06.22

紫陽花の頃

 学院の坂道の紫陽花は、かつて正門の近くにあった桜の家修道院にお住まいだったシスター糸川澄子とシスター尾高良子が植えてくださったと伺っています。自分たちがいなくなっても、紫陽花が子どもたちや来校者を迎えてくれるでしょうから、という思いで、一つ一つ丁寧に植えられたそうです。お二人とも、ご自分のことを後回しにされても、周りの人に尽くす方々でした。
 青、紫、ピンク等の鮮やかな花々が、夜は暗闇の中に白いぼんぼりのように幻想的に浮かび上がります。シスター糸川は天に召され、シスター尾高は東京の修道院に移られましたが、シスター方の祈りは紫陽花とともに、また裾野修道院のシスター方に受け継がれ、キャンパスに根づいています。

2019.05.25

創立者の月に

 月の創立者マグダレナ・ソフィア・バラ祝日行事には、ごミサの中で神父様に祝別していただいた本年度の学院目標入りの御絵を子どもたちに贈りました。続いて末吉里花さん(エシカル協会代表)より、エシカル消費についての講演を伺いました。折しも、国連WFP(UN World Food Programme)のローマ本部で活躍する卒業生の記事が届きました。
一連の出来事を通して、「たった一人の生徒のためにも聖心を建てたでしょう」という創立者の思いを現実的に深めるチャンスをいただいたように思います。

2019.04.05

2019年度 不二聖心女子学院 学院目標

 2019年度 不二聖心女子学院 学院目標

 聖心女子学院の教育は、カトリックの精神に基づき、「魂を育てる」「知性を磨く」「実行力を養う」の各領域においてバランスよく成長し、「社会に貢献する賢明な女性」として成長していくよう準備します。これら3つの領域が統合されていくためには、生徒・教職員が、各領域を自分自身と関連づけ、具体的に意識して学院生活を送ることが必要です。不二聖心女子学院では、毎年、一つの領域に焦点をあて、3年間の中で教育方針をスパイラルに深めていきます。今年は「知性を磨く」に焦点をあてた上で、学院目標を"Design your future! "といたします。
 年度の始めに生徒・教員が集うこの機会に、天性の教育者と呼ばれた聖心会第6代総長マザースチュアート(Janet Erskine Stuart:1857-1914)の御言葉に、共に耳を傾けてみたいと思います。彼女のメッセージは、著書The Education of Catholic Girls(『カトリック学校における女子生徒の教育』)等から知ることができます。1世紀以上前に書かれたものながら、時代や文化背景を超え、色褪せない響きをもっています。教える側を意識して書かれた内容であっても、生徒の皆さんにも助けになるのではないでしょうか。原文が英語ですので、上級生はそのままを味わうこともできるでしょう。

1) 学びたいという望みを深めるように
"Cultivate the wish to learn, rather than the wish to be taught. Be determined to "pick up" and do not wait for the Professor and the pedagogical devices of his or her craft...Do not think that lessons will do it, if you wait for lessons you will wait a life-time...If we wait to be taught, we shall never learn. "

教えられることを待つ者は、永遠に学ぶことはない――、厳しくも含蓄ある言葉です。逆にいえば、学びのエンジンが動き出したら、あとは自然に動き出すというような面もあるということでしょう。このように、主体的に何かをつかみとっていくという学びにおいて、今の皆さんはどうでしょうか?一人ひとり、振り返ってみましょう。授業の時間には、先生、そして共に学ぶ仲間と共に、豊かな学びの時間を創り上げていってください。学院の伝統である探究的な学習を大切にしてください。個々のテーマと向き合う卒業研究やESD等を通して正解のない問いに応える力を養っていくことができるでしょう。学習において具体的な成果を上げることは大切ですが、それに余りに固執して、失敗やリスクをとることを怖れないでほしいと思います。マザーが別の箇所で語っていらっしゃる言葉を借りるなら、あなた方には「小さな完成された作品」ではなく、「作り始められた大きな作品」であってほしいのです。

2) 未知なる未来に向かって
"We are then the discoverers of our own lives. Our world is new every day. Either we are sailing towards new shores, daring mariners in search of the unknown and day by day the horizon dips lower and our stars rise higher, or we are explorers by land, and new wonders reveal themselves on each day's march. "

私たちは、日々、未知なる未来に向かって、自らの人生を創造しています。新しく与えられた一日をどう生きるかは、自らの価値基準や目的、そこからくる態度や選びにかかっています。計画的であることは必要ですが、それだけにとらわれないようにいたしましょう。思いがけない変更を強いられる時、かえって回り道に見えたことに意味があったと後で気づくことも多いのです。与えられた時を真に生きたものとするため、先ほど朗読された聖書のように、「若き日にこそ、あなたの創り主である神を心に留め」(コヘレト書12:1)、永遠に価値ある愛のまなざしに基をおいて生活するよう心がけていきましょう。

3) より良い未来に向けての使命
"We must remember that each one of our children is destined for a mission in life. Neither we nor they can know what it is, but we must know and make them believe that each one has a mission in life and that she is bound to find out what it is, that there is some special work for God which will remain undone unless she does it, some place in life which no one else can fill. "

一人ひとりは、神様から、その人にしか果たせない使命が与えられています。一人の人の日々の学びや在り様は、周りの人々や、この世界の現実と深くかかわっていきます。私たちは皆、この世界の未来に対して責任があるということです。“Your Future”とは、あなた自身の未来であると同時に、共に生きる人々や地球の未来でもあるのです。皆さんには、世界の現状について考える機会が多く与えられています。どのような未来を創造していこうとするのか、他者と共に生きることを学びつつ(UNESCO「21世紀国際委員会」学習の4本の柱より)、固有の使命を見出していこうという気概をもって、日々の学びを深めてまいりましょう。

"It is always here and now, there is always the present moment to do the very best we can with,
and the future depends on the way these moments are spent. "  J. Stuart

イースター(復活祭)が近づくこの季節に、一人ひとりの思いを神様が守り、強め、導いてくださいますように。
2019年4月4日始業式 校長講話より(シスター大原 眞実)

2019.03.12

日本画家によるマーテル・アドミラビリス

 パーラーにかけられているマーテル・アドミラビリスの絵。19世紀にシスターポーリーヌ・ペルドゥローによって書かれたフレスコ画の原画はローマにあります。やがてこの聖マリアの姿が、聖心の生徒の理想像と結びつけてとらえられるようになり、A. Solinasという画家によって描かれた模写が世界中の聖心で見られるようになりました。本学院にも幾つかSolinas作があるのですが、本館のパーラーにあるマーテルは、歴代天皇の肖像画や、旧紙幣の聖徳太子、伊藤博文、岩倉具視の肖像画を描かれた馬堀法眼画伯の手によるものであることは刻印から知っていました。でも、なぜ画伯がマーテルを描かれたのか理由はわからず、国内外からのお客様から尋ねられても答えることができないでいました。先日、ある卒業生の方が、シスター木村すみ子の校長時代にご家族が馬堀画伯に依頼し学院に寄贈されたものであるということを話してくださいました。聖書に、「右の手のしていることを左の手に知らせてはならない」(マタイ6章3節)とあるように、一切、公には話題にされなかったようです。そろそろ補修が必要な時期と思われての告白でした。いずれ、画伯がどのようにこの絵を描かれたか等、エピソードを書いていただきたいと思っています。

2019.02.01

愛あればこそ

 先週、かつて学院で養護教諭をされていた村井先生のご葬儀に参列いたしました。ご遺言により供花はご辞退。それだけに中央に置かれた十字架が印象的でした。両側には故人が愛されたフリージア、凛とした白衣姿で、愛をもって生徒に接していらっしゃった故人が強く偲ばれました。
70代から入院直前まで13年にわたって続けていらしたという韓国語。先生がご在職中、学院が韓国へのプログラムを始めたことともつながっていたのかもしれません。病室に掛けられていた額は、不二聖心に大きな虹がかかった時の写真であったとのこと。先生は、牧師様がお見舞いに訪れ、耳元で賛美歌を歌って差し上げている間に、安らかにご帰天されたそうです。
ご葬儀の間、学院に関する二つの気がかりなことを、自然に先生にお話していました。戻ってみると、どちらも解決していることがわかりました。学院の歴史は、不二聖心を大切に思ってくださる方々の愛の歴史であることを思い、感謝の祈りを捧げています。

2019.01.01

新春

青空の中に凛とそびえる富士を仰ぎ見つつ、初春のお慶びを申し上げます。

新春のキャンパスは、とても静謐で澄んだ空気が流れています。
生徒たちが冬休み中の中、聖心会のマリア修道院(リトリートハウス)には、全国から人々が祈りに訪れています。このキャンパスには、人々の思いを清め、願いを深めてくれる力があると感じます。

冬休みを過ごす生徒たちのために、修道院では、毎日、お祈りが捧げられています。下の写真は、クリスマス・キャロル後に、お客様が退場された後、理事長のお話を伺う様子です。この生徒たちの妹になる未来の聖心ファミリーの誕生を心待ちにしつつ、入試を控えた方々が、十分に力を発揮されますよう願っております。

皆様と、ご家族の方々の上に、新年の祝福が豊かにありますようお祈り申し上げます。
本年も、どうぞ、宜しくお願い申し上げます。

2018.12.26

冬休みの祈り

 12月22日、ハリー・ポッターのように大きな荷物を抱えて生徒たちが帰っていきました。この日を心待ちにしていらしたご家族のお迎えで帰った生徒たちもいます。学院はひっそりとして、先生方はほっとするやら寂しいやら・・・。一年の締めくくりの大掃除や、増加傾向にある寄宿舎のリフォーム、増設に向けての準備が進んでいます。
 修道院では、シスター方が、毎日、冬休みを過ごす生徒たちのために祈ってくださっています。

2018.12.03

クリスマス・キャロル

 クリスマスおめでとうございます。
 聖ローズ・フィリピン・ドゥシェーンの渡米200年祭を祝う本年度、学院は“Listen to Your Inner Heart”という目標を掲げています。クリスマスを迎えるにあたり、生徒たちは、それを意識し Le Saint Esprit~聖霊 神の息吹~”をテーマに選びました。

 私たちをとりまく世界は、SDGs(「持続可能な開発目標」)の17の目標にみられるような様々な課題を抱えています。今夏、本学院が担当した聖心姉妹校生によるSOFISワークショップでも、これを取り上げました。生徒たちは諸課題を自らの生活や行動様式と結びつけて考え、個人として、学校として、また聖心ネットワークとしてできることは何かを祈り、分かち合い、そして行動に移そうとしています。課題は大きくとも、その姿には希望を感じます。

   彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が先立って進み、ついに
   幼子のいる場所の上に止まった。学者たちはその星を見て喜びにあふれた。
   (マタイによる福音書2章9-10節)

 三人の博士たちは、暗闇の中に輝く星に導かれ、キリストのもとにたどりつきました。これはLe Saint Espritに従って歩む人々の姿を表しています。私たちも、心の深みで語りかける神様の声に耳を澄ませ、難しい現実の中にあっても、希望をもって平和な世界の構築に向けて共に歩んでまいりたいと思います。
 生徒たちは、クリスマス奉仕やプラクティス等に励みながらクリスマスの準備をしてまいりました。チャリティーセールの売り上げは、温情の会委員会を通して世界中で支援を必要とされている方々へと送らせていただきます。ご協力いただけたら幸いです。
皆様とご家族の方々の上に、クリスマスの平和と喜びが豊かにありますよう、心からお祈り申し上げます。


2018.11.01

秋のつどい

  今年、世界中の聖心が一つになって、聖ローズ・フィリピン・ドゥシェーン(1769年8月29日-1852年11月18日)が、1818年3月21日にフランスのボルドーを発ち、アメリカ大陸に聖心を創立してからちょうど200年目の記念を祝っています。聖女を守護の聖人として戴く本学院でも、その精神や態度に学び、祈り、実践する様々な取り組みがなされています。

 「レベッカ」(Rebecca)とは、アメリカ大陸へのミッションの責任者であった聖フィリピンと、4人のシスター方(オクタヴィ・ベルトー、ユージェニ・オーデ、カタリーヌ・ラマール、マルギュリット・マントー)が乗った帆船の名前です。2か月を超える船旅の中で、嵐、船酔いや病、海賊等、様々な困難と直面しなければなりませんでしたが、嵐の中でローズ・フィリピンが “Ave Maris Stella” を歌うと嵐が静まったという記録が残されているのは興味深いことです。5月29日にニューオーリンズに到着し、レベッカを降りる時、船長は「これまでで最も品位のある乗客」と一行を称えたともあります。航海の間、フィリピン・ドゥシェーンが、いかに神様に信頼しつつ、仲間や同じ船に乗り合わせた方々とよいかかわりを保ち、支え合い、また助けとなっていたかが目に浮かびます。
 春、不二聖心の生徒たちも、秋のつどいを目指し、「レベッカ」という一つの船に乗って出立しました。それぞれが、学習や研究、創作や発表、また運営の準備等において、「今、ここに聖ローズ・フィリピンがいらしたら、どのようにされたでしょうか」という思いを大切にしながら、自らの限界を克服し、同じ船に乗る仲間との考えや方法の違いを超えながら活動してきたことと思います。今日は、そのようなフロンティア・スピリットに支えられた発表をご覧いただけたら幸いです。
 聖ローズ・フィリピンにお取次ぎを願いつつ、ご来校いただきました皆様と、皆様につながるすべての方々の上に、神様の祝福をお祈り申し上げます。

2018.10.01

フランス「ルーツへの旅」

  先月、高校2年生(学年全員対象)と共に行って参りました。これは、創立者Madeleine Sophie Baratのご生家をはじめ足跡を辿り、そのスピリットにふれること、またそれを未来に向かってどのように生きていくかを考える旅です。フランスの聖心会のシスター方、フランスの同窓会はじめ、聖心グローバルファミリーに支えられたハンドメイドの旅でした。旅の様子は、学院ダイアリーや学院Facebookでご報告してありますので、ご一読いただけたら幸いです。帰国後、子どもたちから度々聞かれたのが「フランスに帰りたい」という言葉でした。「あなたの居場所はここですよ」と答えつつ、あちらでいかにアットホームな形で迎えて頂いたかを再認識させられています。旅の途上で、幸せそうな彼女たちの姿を見て、また研修の中でどんどん成長していく様子を目の当たりにして、連れてきて良かったと心から思いました。創立者が生まれた町ジョワニーは、ワインで有名なブルゴーニュ地方にあり、聖書のぶどうの木のたとえ話(ヨハネ福音書15章)がお好きだった創立者にちなみ、ぶどう畑でのワークショップも行われました。収穫の季節を迎えているぶどうの実を見ながら、生徒たちの成長を願い、祈りを捧げました。

 創立者のお名前のついたワイン”Barat”を購入して帰りました。祝日のごミサなどで使えたら、と思います。