校長室から

こんにちは、シスター大原眞実です。

ここでは、私からのメッセージをお伝えします。朝礼等で生徒に語ったことや学院発行の冊子等に掲載したことの中から、また日頃感じていること等を含め折々に更新してまいります。

 “Sophie’s Diary”(不二聖心女子学院公式Facebook)等にも、担当の一人として写真やメッセージを掲載中です。様々な角度から、学院生活の様子を感じとって頂けたら幸いです。

2021.01.12

早春の香り

  キャンパスのあちらこちらに、春の季語とされる蕗の薹が顔を出しています。雪の多い地方では、白い雪の下に緑鮮やかな蕗の薹ですが、ここ富士の裾野では枯葉の下に隠れていることが多いです。そこにあると知らずに踏まれても、育ちゆくたくましくさ。古来、日本では邪気を払うとか、体に刺激や活力を与えるとされ、早春に食卓を飾ってきました。修道院でも、野草独特の苦みを楽しみながら、皆で早春の味覚を楽しみました。


土の香も携へて来し蕗の薹   稲畑汀子


 今日から、学院生活が再開されました。生徒たちの生き生きとした生命力に満ちた姿が学院に戻ってきた様子は、まさに春の到来のようです。多様な地域から生徒がつどっていること等も考慮し、授業はハイブリット型(対面とオンラインから選択できる形)で進めてまいります。多くの学校が再開されるこの時期に、全ての児童・生徒たちがコロナ禍から守られるよう祈ります。

2021.01.05

アーカイブ・ウイングにて

 創基100年を祝う本年度、中学一年生は学院のアーカイブ室で学院史にふれています。過去を思うだけではなく、海外や日本の姉妹校についても学びながら、世界5大陸に広がる姉妹校生と共に歩んでいることをも実感しています。(下の写真は、展示されている姉妹校のグッズを着用している様子)

 コロナによるパンデミックのさなかにも、海外姉妹校に留学する生徒たちの中には、帰国させられることなくお世話してくださった学校も多くありました。この1月以降も、姉妹校留学制度やそれ以外の形態で、一年間の留学に出発する生徒達がいます。

 ニューヨークやパリで働いた岩下清周(不二農園創設者)、ヨーロッパに長く留学した岩下壮一(温情舎初代校長)、そして海を渡って日本にやってきた聖心会のミショナリーのシスターたちによって創られた学院のDNAともいうのでしょうか、どんな状況にあっても、未知なる世界や異文化に開かれたフロンテイア・スピリットは鮮やかに息づいています。

2021.01.01

新しい年に

 謹んで、初春のお慶びを申し上げます。

 富士を眺めつつ、皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします。


あまそそる 富士の高ねし くれないに
はゆるあしたは 
さやけかりける…

  「不二聖心女子学院校歌」より


2020.12.25

Merry Christmas!

  クリスマス、おめでとうございます。

 今年の学院のクリスマス・キャロルは、「環~つなぐ~」をテーマにオンラインで開催されました。生徒達に贈られた御絵には、地球を見守る幼子イエスの姿が描かれています。原画は、聖心会のシスターであるMargaret Mary Nealis(1876-1957)によって描かれたものです。 

 コロナ禍にあって、多くの人々が、大切な人との生涯の別れを経験し、経済的な打撃を受け、教育の機会を奪わるという状態が続いています。様々な意味での分断を経験しているような時であるからこそ、一人ひとりの思いをつなぎ、「クリスマスの心」を具体的に分かち合うことに、いつも以上に意味があるように思います。冬休みの間も、生徒たちは、それぞれの場で、「環 つなぐ」というテーマを賢く実践していくことでしょう。 

2020.12.21

エンジェル制度の起源

 「エンジェル制度は、修道院から始まったのですよね?」
ひとりの先生に尋ねられ、シスターたちの中で、「私のエンジェルはシスター〇〇でした」と仰るのを耳にしたことがあるのを思い出し、何人かのシスターに伺ってみました。

 かつて、このキャンパスには、聖心会の修練院があり、ノビス(修練女)たちが住んでいました。彼女たちには、それぞれ天使のように親切に修道院のことを教える修道女がついていて、その人が「エンジェル」と呼ばれていたそうです。

 当時、寄宿生は、棟続きにあった修道院・修練院のシスターたちとより近く生活していました。そのようなこともあって、やがて寄宿生の高校3年生がエンジェルとして、寄宿生の新入生につき、寄宿舎生活について教えるようになりました。

 通学生にもエンジェル制度が広げられたのは、シスター奥井博子が校長時代のことです。エンジェルになることによって生徒が成長すること、新入生との間に生涯にわたるかかわりが築かれていくことが多いこと等をふまえてのことであったいうことでした。

 19世紀、フランスで修道院を設立母体として始まった学院ならではのエピソードといえるかもしれません。 

2020.12.14

百合の行列

 今年も、「百合の行列」が行われました。本学院ではオンラインも使いながら行われましたが、英国の姉妹校Kilgraston Schoolでは、感染対策を講じながら聖堂で行った様子が配信されてきました。生徒が一年間の留学に赴く学校の一つです。
https://youtu.be/A7ubhb9GSJM

聖心学院における百合の行列の歴史は、19世紀の創立者の時代に遡ります。


On December 8, 1854, Pius IX declared the dogma of the Immaculate Conception. Forty years earlier Mother Barat had dedicated all her schools to Our Lady under that title, and given them December 8 as their patronal feast. On that day in all her convents the lily procession took place, when each child offered a lily to Our Lady with the words: “O Mary, I give you the lily of my heart; be thou its guardian forever.”

Margaret Williams “Madeleine Sophie Barat” (Herder and Herder 1965)


 学院では、「マリア様、私の心の百合をお捧げします。生涯、清く保つことができますように」と唱え、一人ひとりが白い百合をお捧げいたします。毎年、一年の終わりも近づく時に、静かに心の深みに立ち返り、自らの生涯に思いを馳せる大切な時でもあります。

 生徒たちが、聖母マリアのように、かけがえのない今を、そして生涯を、清く、強く生き抜いてきますように。 

2020.12.07

Courage et Confiance!

 12月3日、聖フランシスコザビエルの祝日に、奨学会から寄贈された「少女時代の創立者マグダレナ・ソフィア・バラのご像」の祝別式が行われました。この日は、岩下壮一神父様の記念日(学院の前身である温情舎初代校長)でもあります。聖なる生涯を送られた神父様が、ご自身の洗礼名である聖フランシスコの祝日に神様のもとに召されたことに深い感慨を覚えます。

ご像のもとになった絵は、高校2年生(全員)が「フランス ルーツへの旅」で訪問する創立者のご生家にあります。今回、机上に置かれた紙には、不二聖心の生徒たちへのメッセージとして、「富士山」の絵と”Courage et Confiance!”というフランス語の文字を書いていただきました。富士山の気高さは、神の存在、理想や高みを目指すことの大切さを、日々、生徒たちに語りかけてくれています。また、「勇気と(神への)信頼!」というのは、生前、創立者が語られたお言葉です。コロナ禍にあっても前向きに多様な学びに取り組む生徒たちにふさわしいと考え、祈りを込めて書き入れていただきました。

ご像は、創立者が生徒たちにより近い年齢であった頃の姿が表現されています。全校生が日々目にできるようにと、聖堂前に安置いたしました。「ソフィア」(英知)という名にふさわしく、学ぶことを大切に過ごした聖女に倣って、生徒たちが日々成長していきますよう願います。ご寄贈くださいました保護者の皆様に、心より感謝申し上げます。なお、今後、正式な台座の製作に入ります。 

2020.12.01

勤労感謝の日に

 勤労感謝の日に、キャンパスにある3つの修道院や、学院の様々な場に、生徒たちから感謝のカードが届けられました。手書きの絵、切り絵・貼り絵等で作られた手作りのカードの数々です。修道院では聖堂の祭壇に置いて、学校では職員朝礼で分かち合い、生徒たちのために祈りました。


 感謝を口にすることは礼儀正しく楽しい。感謝を行動で表すことは、高潔で気高い。感謝を生きることは天国に触れること。

To speak gratitude is courteous and pleasant, to enact gratitude is generous and noble, but to live gratitude is to touch Heaven.

Johannes A. Gaertner


 この日は、生徒たちからエネルギーをもらって一日を始められたと思います。学院生活の中で、感謝が感謝を呼ぶようなかかわりを大切にしていきたいです。

2020.11.23

Heart Story

  今月、創基100年記念キャンパス巡礼ガイドブック”Heart Story”が発刊されました。学年の周年誌とは異なるため、比較的自由に考えて作ることができました。裾野市の情報誌『SUSONO STYLE(すそのスタイル)』に倣い、棚の中に置いておく立派な冊子ではなく、身近に携行して読めるようなものをと考えました。

私が聖心会のノビスとして過ごした修練院や大きな修道院は、今は壊され、寄宿舎となりました。アーカイブのシェルドン・コーナーは、マザーダフの院長室であった時代もあるようです。当時の形は失われても、祈りがしみこんでいるように思います。

今は、ここにいらっしゃらない方、天国にいらっしゃる方も含め、皆で作ってきた「不二聖心女子学院」というハート・ストーリーを、これからも皆で丁寧に書いていきたいです。物語の主人公は、いつも、生徒たちです。

2020.11.16

未来への旅

 コロナ禍のため、高校2年生の研修旅行は、フランス「ルーツへの旅」から、沖縄・種子島「未来への旅」に替えて実施する方向で準備が進められています。下見で訪れた種子島宇宙センター宇宙科学技術館で、土井宇宙飛行士の次のような言葉に出会いました。


 スペースシャトルに乗っている私たちにとって、ふるさとと言えば地球しかありません。アメリカも日本もウクライナもインドも、それらの国がどこにあるかは見えなくとも、この地球が私たちのふるさとなのです。(土井隆雄)


 沖縄での平和学習、種子島での宇宙への学びから、生徒たちが生きていく未来についての考えを深め、一人ひとりが神様からいただいている使命を再認識し、勇気と力をいただくような旅にしたいと願っております。