校長室から

こんにちは、シスター大原眞実です。

ここでは、私からのメッセージをお伝えします。朝礼等で生徒に語ったことや学院発行の冊子等に掲載したことの中から、また日頃感じていること等を含め折々に更新してまいります。

 “Sophie’s Diary”(不二聖心女子学院公式Facebook)等にも、担当の一人として写真やメッセージを掲載中です。様々な角度から、学院生活の様子を感じとって頂けたら幸いです。

校長室からトップ写真

和紅茶の香り (2018年6月5日)

JR東海道・山陽新幹線のグリーン車に搭載される雑誌『ひととき(WEDGE)』6月号で、「聖心の紅茶」タダニシキを紹介していただきました。19世紀に、多田元吉がインドから持ち帰ったアッサム種で、和食にも合う優しい風味が魅力です。

          http://wedge.ismedia.jp/category/hitotoki

紅茶の色の変化を意識して作られたという缶の説明文字は、今でも英語です。不二農園・温情舎ゆかりの仲省吾先生を通して、バーナード・リーチなども飲まれたことがあったのでは、と想像しています。今では、ここ不二農園しかまとまって栽培している茶園はないとのこと、ミッショナリーのシスター方も愛された幻の紅茶をこれからも大切にしていきたいと思います。

20180605校長室より

木には希望がある (2018年5月19日)

 ローズ・フィリピン・ドゥシェーンが、バチカンで列聖されたのは1988(昭和63)年のことです。ドゥシェーンとは樫の木を意味し、彼女の不屈の精神を表現すものとされることから、列聖記念として学院に一本の樫の木が植樹されました。人の背丈よりやや高いくらいであったこの木は、今は天に向かって大きく伸び、枝を張っています。

     木には希望がある、というように、木は切られても、また新芽を吹き、
     若葉の絶えることはない。地におろしたその根が老い、幹が朽ちて塵に
     返ろうとも、水気にあえばまた芽を吹き苗木のように枝を張る。
                            (ヨブ記14:7-9)

 今年、渡米200年祭にあたり、聖心会修道院と同窓会のご厚意によって、植樹記念のプレートが新しくなりました。時代を超え、世代を超えて、卒業生や子供たちの中に、聖フィリピンへの思いと、どんな困難にあっても希望のうちに生きようとする強さがつながれていきます。

20180519校長室より

新たな歩みの中で (2018年4月28日)

中1の宗教の時間に、キャンパス内にある聖心会の霊園を訪れました。途中、かつての通学路である欅坂、旧ルルド、岩下家墓所等も訪ねました。これら全て、普段は生徒だけでは行ってはならない領域にあります。そよ風が、子供たちの列を爽やかに駆け抜けていきます。
そして、今は天国にいらっしゃるマザー エリザベス・ダフはじめ、多くのシスター方の取次ぎのもと、これから6年間の成長を、静かに祈りました。学院の新たな歴史を刻み始めた彼女たちの中に、静けさを味わう感覚が育ってきていることをうれしく思います。

           毎秒、きみは生まれ変わる
           毎秒がきみのあたらしいスタート
           それは選択
           きみの選択
                (クリアウォーター)

20180428校長室より

2018年度のはじめに (2018年4月9日)

不二聖心女子学院2018(平成 30)年度 学校目標
魂を育てる ~ Listen to your inner heart ~

20180409校長室より学校目標教育理念

 不二聖心女子学院では、カトリックの精神に基づき、「魂」「知性」「実行力」の各領域をバランスよく育み、「社会に貢献する賢明な女性」として成長していくよう準備します。これら3つの領域が統合されていくためには、生徒・教職員一人ひとりが各領域を自分と関連づけて意識していくことが必要です。そこで、学院では、毎年、一つの領域に焦点をあて、年度目標に取り入れ6年間を通してスパイラルに深めていくよう留意しています。本年度は、「魂を育てる」を意識する年です。
 また2018年は、学院の守護聖人である聖ローズ・フィリピン・ドゥシェーンが、アメリカ大陸に聖心を創立してから200年にあたります。そこで、「祈りの人」と呼ばれた聖女の生き方に鑑み、学校目標を”Listen to your inner heart”と致しました。

1)「成功」よりも、「神のみ旨」を望む
 「私がミッショナリーにあこがれたきっかけは、8歳の時に、ルイジアナに宣教に行かれたイエズス会の神父様に先住民の方々の話を聞かせて頂いたことです。」とローズ・フィリピンは語っています。その後、フランス革命の混乱期を経て、不思議な導きのもとに聖心会へ入会した彼女が、長い間持ち続けた望みを総長ソフィア・バラに打ち明けたのは1806年のことでした。
 それからアメリカへのミッションの責任者として派遣されるまで12年もの歳月を要しました。1818年3月21日、レベッカ号に乗ってボルドーを出発、5月29日、ニュー・オーリンズに錨を降ろします。この日は、奇しくも「聖心(みこころ)の祝日」でした。セントチャールズに最初の学校を設立し、以後23年間に渡り次々と学校を創立していきました。この間も、先住民のもとへという夢が消えることはありませんでした。
 ようやく彼女が、シュガークリークのポトワトミー族のもとへ行くことが許されたのは72歳の時でした。彼らのことばを覚えるには年をとりすぎていたフィリピンは、無力感を感じつつもできる仕事をこなし、先住民の人たちのために長時間祈りました。健康が衰えため、1年後にセント・チャールズに呼び戻され、最後の10年間をセントチャールズで過ごしました。この間も、苦労の絶えなかったアメリカ各地の聖心女子学院のために力を尽くしました。手記には、「私は名誉より十字架を、安易よりも貧困を欲し、成功を求めるのではなく、神のみ旨を望んでいます」と書かれています。1852年11月18日、後継者のマザー・デュルージェの到着から2日後に、ローズ・フイリピンは天に召されました。
 彼女は知りませんでしたが、ポトワトミー族の人々が「聖なる人」と実感したのは、有能な働きをした人たちに対してではなく、「自分は役に立たない」と思い祈ったフィリピン・ドゥシェーンでした。この深い敬愛の念が、世紀を超え、世代を超えて受け継がれ、後にバチカンでの列聖(1988年)へとつながっていくのです。
 ご帰天から100年後に裾野の地に創立され、聖女を守護者として戴く不二聖心の生徒たちは、創立来、聖女の精神を大切に受け継いできました。この学院の中には、聖フィリピンの祈りとスピリットが宿っています。

2)人生は、「より大いなるもの」のためにある
 不二農園の開祖岩下清周の長男で、本学院の前身である温情舎小学校の初代校長となった岩下壮一神父様は、中高時代、麻布の自宅からの通学ではなく、あえて寄宿生として九段の暁星で学びました。優秀な壮一は、1900年に2年飛び級して中学に進み、中学卒業時には英語、フランス語をマスターしました。昼夜に渡る暁星で学びの中で、彼はカトリックの洗礼を受けます。洗礼名はフランシスコ・ザベリオ。次第に、父清周が期待する実業家としての将来への問いが生じ、最終的には哲学の道へと方向転換していきます。恩師のひとりであるエミール・エック師は壮一に、「君の人生は、より尊いもの、より大いなるもののためにある」と告げたと伝えられています。
 東京大学へと進んだ壮一は、長い欧州留学を経て、最終的に司祭への道を選びます。学問の発展、教育、そしてハンセン病患者のために生涯を捧げ尽くした彼の生涯は、まさにより大いなるもののためにありました。その選択や生き方は、フランシスコが、パリ大学でイグナチオ・ロヨラに出会い、イエズス会司祭へと召されていった姿と重なります。この聖なる司祭は、1940年、多くの人に惜しまれながら、聖フランシスコの祝日(命日)である12月3日に天に召されました。
 皆さん一人ひとりの人生も、「より大いなるもの」のためにあります。いつ、どこで、何をしていても、神様の望まれる愛の生き方を志すことが「聖心の生徒の使命」であるということを、心の深みでよく味わってみましょう。

3) Listen to your inner heart
 超スマート社会に向かう現代、私たちを取り巻く世界は、騒音や情報、目まぐるしさに満ちています。心身共に、静けさのうちに過ごし難い時代といっていいかもしれません。しかしながら、内的な静寂なしに物事の正しい選択や判断はし難いものです。幸い、21万坪の自然豊かなキャンパスで過ごす皆さんは、意識すれば、外的な静寂の中に身を置き、それを内的な静寂につなげていきやすい環境にあります。聖堂の存在、アンジェラスの鐘の沈黙の時間も助けとなることでしょう。ただし、いくら外的に静かな環境にあっても、心の中に、執着や不安、雑念等が渦巻いていたなら、内的に静寂であるとはいえないでしょう。
 私たちは、日々の生活の中で、あえて「一人になる」(Solitude)時間をもつことが必要ではないでしょうか。これはいわゆる孤独感(Loneliness)とは異なり、騒音や雑念、惰性や他者の中に埋没した状態から、本来の自分に立ち返らせ、真の自由や安定、共生へと促してくれるものです。
 心は、良心の声、すなわち神の声が響く場でもあり、一人ひとりをユニークな存在として創られた神様が、各々に与えられた使命について語りかける場でもあります。フィリピンや壮一神父様も、自らの心の深みに丁寧に聴き、日々の選択や、人生の大きな決断をしていったのです。

全世界の聖心が心を一つにして、聖フィリピンの渡米200年祭をお祝いするこの年が、聖女のスピリットを深め、内的な豊かさにおいていっそう成長する年となりますように。

2018(平成 30)年度 始業式にて                       校長 シスター大原眞実

春休みの祈り (2018年4月1日)

Happy Easter!

満開の桜に包まれて天国のように美しい学院から、皆様にイースターの祝福をお祈り申し上げます。

春休みは、ケンブリッジ・グローバルキャリアプログラムの一部を視察して参りました。不二聖心のために、特別に作っていただいたプログラムで、静謐な環境、愛と情熱に溢れた先生方、賢い大学生のサポーターの方々に囲まれ、恵み豊かな研修となりました。帰国の途につきつつある生徒・先生方の旅の安全を祈っています。

イースターのごミサは、カトリック沼津教会で与りました。洗礼を受けられた保護者の方々、侍者をする生徒たちの中には新入生もいて嬉しく思いました。教会では、多くの卒業生も奉仕していらっしゃいました。

春休みを終え、新たな思いで学院に戻ってきてくれるであろう生徒たちを心待ちにしながら、先生方は新学期の準備を進めています。修道院の祈りは、いつも子供たちとご家族、そして卒業生、旧職員、元保護者等のために捧げられています。

新年度も、どうぞ、宜しくお願いいたします。

            

水仙 (2018年3月1日)

3月23日から、高校生(希望者)は、イギリスのケンブリッジ大学で研修を行います。今日、このプログラムの事前学習でお世話になった先生から、参加者一人ひとりに、英語で書かれたカードが届きました。思いがけないプレゼントに感激いたしました。すでにケンブリッジにいらしているそうで、私に届いたカードは日本語で「研修が始まる頃には、水仙が満開、ケンブリッジの春を楽しむことができると思います」と書かれていました。

思わず、校内スピーチコンテストで、中学3年生が全員で暗唱するウイリアム・ワーズワースの詩「水仙」(”The Daffodils”)を思い浮かべました。「谷間をただよう雲のように 一人さまよい歩いていると 思いもかけずひと群れの 黄金に輝く水仙に出会った 湖のかたわら 木々の根元に 風に揺られて踊る花々・・・」

卒業を控えた中学3年生一人ひとりと面接をした時の、彼女たちの表情と、輝く水仙とが一つに重なります。聖心坂でも、風にゆれる水仙が、私たちの心を和ませてくれています。

新しい春に向かって (2018年2月1日)

聖心会の”New Frontiers”(JPIC Office, Rome・UN-NGO, New Yorkのニュースレター)に、“What I Can Do for the People in Need”という一人の生徒の記事が掲載されました。https://mailchi.mp/1bc0ea20b186/new-frontiers-349317?e=4133cc6f3f 

テーマは「水」。富士山の雪解け水を飲み、その水が湛えられたプールで泳ぎ、ウォッシュレット化が進む学院の中で育ってきた生徒たちの中に、このような課題意識が育っていることを大変うれしく思います。

雨も雪も、ひとたび天から降れば むなしく天に戻ることはない。
それは大地を潤し、芽を出させ、生い茂らせ 種蒔く人には種を与え
食べる人には糧を与える。
そのように、わたしの口から出るわたしの言葉も むなしくは、わたしのもとに戻らない。
それはわたしの望むことを成し遂げ わたしが与えた使命を必ず果たす。
                          (イザヤ書55章10~11節)

梅の花の開花と共に、暦が移りゆき、新たな季節へと向かうこの時期、子供たち一人ひとりもふさわしく開花し、それぞれが神様から与えられた使命に向かって踏み出していってほしいと祈る日々です。

塔 光

ソウル聖心来校 (2018年1月19日)

다시 만날 날을 계속 기다렸어요. (また会える日をずっと待っていました。)

今年も、ソウル聖心生徒が来校しました。夏には、日本から韓国へ、冬には韓国から日本へという交流プログラムが、1992(平成4)年から継続しています。バスが到着すると、ずっと待っていた子どもたちから韓国語・日本語・英語が入り混じった歓声が上がりました。理屈抜きで心を通わせられる姉妹校の力を土台に、新たな日韓関係を築いていく生徒たちを頼もしく思います。

教職員も同様です。日本語のできる韓国聖心の先生、韓国語のできる不二聖心の先生も増えています。生徒たちがホームステイに出かけた後、お互いの学校の現状を分かち合い、親交を深めました。ソウル聖心のグローバルな取り組みからも、多くのヒントを頂きました。これからも、様々な海外姉妹校との交流プログラムや教員研修を通して、ホライゾンを広げていきたいと思います。 
       

初富士を仰ぎつつ

 新年おめでとうございます。
 2018年は、学院の守護聖人である聖ローズ・フィリピン・ドゥシェーンの渡米200年祭です。アメリカの聖心の学校と心を合わせ、聖女の精神を深める年となりますように。

 富士を仰ぎつつ、本年も皆様に神様からの祝福が豊かにありますようにお祈り申し上げます。

被災地のモミの木

 12月9日に一日がかりで掘り起こされた学院のモミの木3本が、卒業生のお父様がかかわっていらっしゃるNPO(フェローズ・ウィル)を通して南三陸町のハマーレ歌津商店街に運ばれ、無事に移植されました。23日には、同商店街にてモミの木の贈呈式と点灯式が行われ、木の根元には寄贈者として学院のお名前を刻んだプレートも設置してくださったとのことです。参加された皆様は、遠く裾野から運ばれて電飾を施されたモミの木を大変喜んでくださったと伺いました。
 大きなクレーンで青空に向かって吊り上げられるモミの木を思い出しながら、被災地の子供たちの成長を願うと共に、このような機会を与えてくださったことを心から感謝いたします。今後も、東北の被災地の方々と様々な形でつながっていたいと思います。主のご降誕のお喜びを申し上げます。

    

クリスマス・キャロルによせて

 主のご降誕のお喜びを申し上げます。
 クリスマスが近づくにつれて、多くの場所でイルミネーションが輝き、建物や通りがライトアップされます。「暗闇の中の光」というのは、どのような時にも、人々の心に喜びや安らぎをもたらしてくれるものです。
 不二聖心女子学院には、輝くイルミネーションはありません。けれども、富士の裾野に立つ学院の澄んだ空には、たくさんの星々が瞬き、夜のしじまにカシオペア座やオリオン座がくっきりと見えます。寄宿生の夕の祈りの時間に外に出てみると、アーチ型の聖堂の窓明かりと星々が調和する美しさに思わず佇んでしまうほどです。そして、通学生も含め、「生徒たちの心には、今日一日、どのような明かりが灯されていたのでしょう…」と思いを馳せます。

  あなたの体のともし火は目である。目が澄んでいれば、
  あなたの全身が明るいが、濁っていれば、体も暗い。だから
  あなたの中にある光が消えていないか調べなさい。あなたの
  全身が明るく、少しも暗いところがなければ、ちょうど、
  ともし火がその輝きであなたを照らすときのように、
  全身は輝いている。 (ルカによる福音書11章33-36節)

 クリスマスは、私たちが原点に立ち戻る時でもあります。“Illuminate~心に灯を~”――、ベトレヘムでお生まれになったキリストを見つめ、愛そのものであるキリストの光によって全身が照らされ、それを日々の生活の中で分かち合っていくことができますようにと心から願います。
 いつも生徒たちと学院のために祈り、お支えくださる皆様の心の灯によって、生徒たちの内なる灯がどれほど強められていることでしょう。心からの感謝のうちに、すべての皆様の上に、クリスマスの祝福をお祈り申し上げます。

        

百合花によせて (2017年12月1日)

 カトリック教会では12月8日を「無原罪の聖母の祝日」としてお祝いいたします。本学院では、この日の少し前に「ゆりの行列」が行われ、生徒・教職員全員が「マリア様、私の心の百合をお捧げいたします。いつまでも清く保つことができますように」と祈り、百合の花を捧げます。創立当初は百合の生花でしたが、現在は35・36回生のお母様方が、布を染めるところから始めて手作りされた造花を使っています。
 全ての生徒たちが、生涯、聖母マリアに守られ、神様が一人ひとりに望まれる方向へと開花していくことができますように。
        

総長様をお迎えして(2017年11月1日)

 台風の影響で休校となった先月の30日、ローマから聖心会総長様シスターバーバラ・ドーソンをお迎えいたしました。聖心会日本管区長シスター新庄美重子も同行されました。校内をご案内した後、教職員とシスタースによる歓迎の茶話会を催しました。

 総長様は、お話の中で、本学院の守護聖人である聖ローズ・フィリピンが育ったグルノーブルのサン・マリーの学校と不二聖心女子学院との共通点についてもふれられました。サン・マリーはアルプスの麓に、不二聖心は富士山の麓にあります。そこで生徒だった時代に、聖フィリピンは神様とのかかわりを深め、自らの使命に目覚め、山を越え海を越えて、それを生きていきました。その結果、ヨーロッパ以外の場所にも聖心が創立され、不二聖心の創立にもつながっていきました。あらためて聖女の存在の大きさ、自らの境界を越えていくことの意味、そして中高時代の学びや出会いが人生の土台を作っていくことに思いを馳せました。

 シスター方お手製のケーキ等を頂きながら、全員が個々に総長様と歓談いたしました。先生方が列を成して、次々にお話に伺う姿にもとても感銘を受けました。
        

アーサー・ダフ氏のご訪問(2017年10月24日)

 10月22日(日)、初代院長マザーエリザベス・ダフの大甥にあたるアーサー・ダフ氏が来校されました。アーサー氏ご自身は、マザーにお目にかかったことはないものの、マザーからご家族へのお手紙や、学院を訪ねたことのあるお父様のフランク氏からのお話によって、マザーダフにとても親しみを感じていらしたそうです。
 私はお目にかかることができませんでしたが、シスター寺田、シスター石崎が、エリザベス・ダフコーナーやマザーの眠るお墓をご案内くださいました。シスター方によると、ダフ家の御顔立ちと雰囲気をおもちのとても聡明で温かくユーモアのセンス溢れる方だったそうです。アーサー氏は建築家で、来年の3月までインドの大学で教えていらっしゃるそうです。アイルランドに帰国される前に、もう一度訪ねたいとおっしゃられたそうです。その際には、生徒たちも出会えるようにと願っております。
          
   

SDGS 持続可能な開発目標 (2017年10月4日)

国連は、2016年1月1日から、2030年までの15年間の目標として、17の項目から成るSDGS(Sustainable Development Goals)を掲げています。たとえばGOAL6の「安全なトイレと水の普及」の問題。本学院は「富士山の雪解け水」の恵みを豊かに受け、お手洗いもウオッシュレット化が進められています。しかしながら、世界人口の40%を超える人々が、水不足の影響を受けており、この割合はさらに増えるとも考えられています。また約18億人が汚染された飲料水源を利用していると言われます。このような世界の現実をふまえ、生徒たちと共にSDGSに積極的に取り組んでいきたいと思います。

"Ignite the heart for the sake of one child" (2017年9月1日)

8月は、子供たちのみならず。私にとりましても豊かな学びの月となりました。

― 聖心丹沢学舎(神奈川)で行われた国内の聖心姉妹校4校(小中高)による新任研修と15年次研修。若さ溢れる先生方に感動しつつ、初心に返る思いでした。15年次の先生方との共同のプログラムでの学び合いも、活発に意見交換がなされ迫力がありました。

ー 聖心インターナショナルスクール(東京 広尾)で開催されたAsia Pacific Sacred Heart Educators' Conference(アジア・オセアニア地区の聖心の教員研修会)。本学院からは、国語科・社会科・英語科の先生方が参加しました。すべて英語で行われる研修のため、事前に文書を読み合わせしたりして臨みました。参加者はもとより、担当校である国際色豊かなインターナショナル・スクールの先生方からも大きな刺激をいただきました。

―本学院での夏季教職員研修。本学院のアイデンティティであるカトリック教育、そして文科省の教育改革の動向を意識した内容で研修いたしました。様々な分野から講師陣を迎えましたが、先生方の意欲的な姿勢を講師の方々に大変誉めていただいたのがうれしかったです。いくらカリキュラムや機器を整備しても、人こそが人を育てるのですから。

聖心の教育がもつ広がりを意識するとともに、生徒と共に学び続ける態度を持ち続けようという思いを新たにされ、夏休み明けの学院生活がスタートしました。

        

カムサハムニダ!(2017年8月5日)

 今、生徒たちは様々な場所で体験的な学びを行っています。私も一昨日、韓国のソウル聖心との交流プログラムより戻ってまいりました。事前学習の後、日本の姉妹校(札幌、東京、小林の聖心)の生徒たちとも一緒に出かけました。仏国寺、水原華城、宗廟等で歴史・文化にふれ、独立記念館、戦争記念館、板門店等では日韓や南北分断の現実を目の当たりにし、ソウル聖心では交流会や生徒宅へのホームステイもいたしました。一番、心に残ったのは、様々な出会いの中で、生徒たちが変えられていく姿です。世界の未来を拓いていこうとする若さが光っていました。

温情の灯を掲げて (2017年7月4日)

 7月2日、今年も学院で「温情の灯会」が開かれました。1920年に岩下壮一神父様を校長として創立された「温情舎」(本学院の前身)の卒業生の方々の集まりです。この場で、オリンピック・イヤーでもある2020年に、温情舎創立からの100年を「創基100年」としてお祝いすべく準備に入ったことをお伝えしました。

 昨年の集まりから今日までの間に、3名の会員が天に召されました。会員の皆様の「オリンピックはともかく、このお祝いまでは生きていましょうね」というお言葉が印象的でした。お祝いに向けて、温情舎時代からの歴史をより深く知るよう努めていくにあたり、温情の灯会の皆様のお力添えをお願いしつつ、再会を期してお別れしました。
               

母の会新作「マグカップ」(2017年6月20日)

 「校章」と、「本年度の学院目標」 "Bring Joy to Others" の入ったマグカップを母の会の方々が作ってくださいました。

 折しも、ケニアの聖心会から、新たに聖心の小学校をケニアに建設するためにお送りした寄付のお礼状が届きました。ケニアは、昨年、学院にいらしてくださったシスターコンソラータの母国であり、今、小習いしているシスター寺田やシスター石崎と深いつながりがあります。日本の小学校にあたる年代の子供たちが学校に行く割合は約80%、中高生にあたる年代は約50%、大学生になると4%ともいわれるケニアの現状をふまえ、聖心の小学校建設のもつ意味を、生徒たちと共に考えました。

 「山と山とは出会うことができないが、人と人とは出会うことができる」というスワヒリ語の諺にあるように、いつかケニアの聖心の生徒たちと出会う日もくることでしょう。
         

Little Sophieのように(2017年6月12日)

 6月は、カトリック教会では「聖心の月」。イエス・キリストの「聖心」を校名にいただく学院にとりましては、アイデンティテイを意識し直す月でもあります。この6月を目指して準備してまいりました「聖心会ソフィー・バラ センター」が本館にオープンいたしました。

 この中に、"Little Sophie"と名付けられた小さなコーナーを作り、少女時代の創立者の小さな御絵を飾りました。学院で学ぶすべての子どもたちが、少女時代の創立者のように、知恵(ソフィア)に満ちて成長していくよう願いつつ。
        

Peace is deeply rooted here. (2017年6月1日)

“The stories of the prescient people who built this school flow from its hills out into the world and the surrounding fields. Peace is deeply rooted here.”――、創立者の祝日にご講演いただいたアーサー・ビナード氏が残してくださったメッセージです。

カトリック教会で「聖心(みこころ)に捧げられた月」である6月は、学院にとって自らのアイデンティティを強く意識する月です。美しい自然の中に創立され今日まで歩んでこられたことに感謝しつつ、先人たちの思いをつなぎ、不二聖心女子学院に与えらえた使命を深めていきたいと思います。

アーサー・ビナードさんの芳名帳

創立者の祝日行事(2017年5月26日)

毎年、5月25日のあたりの金曜日に、創立者マグダレナ・ソフィア・バラの祝日行事が行われます。今年は26日に行われ、チャプレンの牧山神父様によるごミサ、アーサー・ビナード氏による講演会が行われました。

子どもたちが帰宅後、創立者の精神を学ぶための教職員研修会が行われます。今回の講師は、聖心女子大学の安達まみ先生でした。その後、修道院のシスター方との懇談会が催され、皆で創立者に捧げる賛歌を歌い一日を終えました。

今年の祝日の御絵はかつてマザーニールスの書かれたもの、本年度の目標である創立者のお言葉 ”Bring Joy to Others” が書かれています。創立者の思いが、子供たちや私たちの教職員の中で豊かに実っていくよう願いながら作られました。

心のみちを 神に任せて (2017年5月16日)

 新年度を迎え、市内の小中学校にご挨拶に伺っています。須山を訪れた際、偶然、須山浅間神社の近くを通り、その清廉な空気に心が洗われました。神社横には、道興准后が詠んだ歌の碑、

 よそにみし ふしのしら雪 けふ分ぬ 心のみちを 神に任せて

富士山須山口が歴史上に登場するのは、1200年のことだそうです。いつも「童話の世界に迷い込んだような」思いに駆られる須山と、新しく出会ったような気がしました。

パリの祈り(2017年5月8日)

 3月に生徒たちと共に出かけたフランスで、創立者聖マグダレナ・ソフィア・バラのご遺体が安置されている教会で祈りました。ここは、パリの聖心があった場所に近く、創立者が亡くなられた建物も残っています。帰国後、イースターの時に、教会などを案内してくださったシスターマリボンヌからメールが入りました。

 「今回の出会いで、不二聖心がとても身近なものになりました。学院のパンフレット(英語版をお渡ししました)も、とても興味深いものでした。私は、毎朝、教会でミサに与る度に、不二聖心女子学院の子供たちのために祈っていますよ。」

 今はサマータイムなので、フランスと日本との間の時差は7時間です。午後2時頃になるのでしょうか、金色のシャスの前で、ソフィア・バラに取りなしを願いつつ祈っていてくださる方があることに大きな支えを感じます。

2017年度のはじめに (2017年4月7日)


不二聖心女子学院2017(平成29)年度学校目標
実行力を養う Bring Joy to Others


 不二聖心女子学院では、カトリックの精神に基づき、「魂」「知性」「実行力」の各領域をバランスよく育み、「社会に貢献する賢明な女性」として成長していくよう準備します。これら3つの領域が統合されていくためには、皆さん自身が各領域をご自分と関連づけて意識していくことが必要です。そこで、本学院では、毎年、一つの領域に焦点をあて、年度目標に取り入れています。本年度は、「実行力を養う」を意識する年にあたります。より具体的な目標としては、“Bring Joy to Others”を掲げることといたしました。

1)「喜びの訪れ」 “その子はあなたにとって喜びとなり、楽しみとなる。”(ルカ福音書1:14)

  クリスマスで読まれる聖書の箇所には、「喜び」について語られたものが多いです。クリスマスとはイエス・キリストの誕生の出来事をいうのですが、イエスの誕生そのものが大きな「喜び」の訪れであったということです。それを告知された母マリアは「私の魂は主をあがめ、私の霊は救い主である主を喜びたたえます」(ルカ1:47)述べ、イエスに先立って生まれ、その道を準備するよう召されたヨハネの誕生に関しても「その子はあなたにとって喜びとなり、楽しみとなる。多くの人もその誕生を喜ぶ」(ルカ1:14)と書かれています。
 新しい命の誕生の喜び――、これは皆さん一人ひとりにもいえることです。生まれたばかりの時、何かができたわけでもないでしょう。この世に生を受けたという事実、そして皆さんの存在そのものが、ご家族にとって大きな「喜びの訪れ」であり、神様がくださった最高のギフトなのです。これは、あなた方が本質的にもっているかけがえのない価値です。どうぞ、ご自分を大切にしてください。同じように他の人をも大切にしてください。そして、決して消えることのない深い喜びとはどういうものなのかを思い巡らしてみましょう。  皆さんが「物」としてのギフトと異なる点は、成長の過程で、思考し、学び、変化し、周囲に変化をもたらす力をもっているということです。人は、常に”will be”(「なっていく」存在)です。本年度は、一人ひとりがもつ「喜びを生み出す力」を意識しながら、「実行力を養う」一年といたしましょう。

2)子供たちを通してこの世界に愛の力が花開くように

 この目標は、創立者聖マグダレナ・ソフィア・バラのお言葉 ”Be humble, be simple, and bring joy to others.” からとりました。皆さんには、ソフィア・バラの思い、学院の教育理念、そして世界やご自分をとりまく現実に照らしつつ、具体的に取り組んでいただきたいと願っています。
 私たちの創立者は、未来を担う子供たちの教育にこそ世界をよりよく変容していく鍵があると考え、聖心女子学院を創立しました。1852年に生徒に向けて書かれたお手紙の中に、次のような箇所があります。

利己主義が蔓延して悲しむべき荒廃をもたらしている現代こそ、聖心(みこころ)の子供である
ということに神様の特別な使命が与えられています。この特別な使命とは、イエス・キリストの愛をまだ知らない多くの人に、その愛を伝えるために生きるということです。皆さんの行いは、言葉にまさって世の人々の心を動かすものとなるでしょう。しかし、そのためには、神様が下さるはかりしれない恵みに信頼しながら、日々の生活を通して、今のうちに自分を準備しなければなりません。

このお言葉は、21世紀に生きる私たちにも褪せることのない響きをもっています。教皇フランシスコは、『福音の喜び』(使徒的勧告:2013年11月24日)の中で、「多様で圧倒的な消費の提供を伴う現代世界における重大な危機は、個人主義のむなしさ」であり、それは人と人の間のきずなの成長と安定性を弱めるものであると述べ、その後も無関心のグローバル化について繰り返し述べておられます。同時代の空気を吸っている私たち自身も、このような傾向と無関係ではありません。どうぞ、時代に流されず、キリストの聖心(みこころ)に捧げられた学院で学ぶあなた方が共有する使命について考えてみてください。そして、一人ひとりに与えられている固有の使命についても深めていっていただきたいと思います。


3)“Bring Joy to Others” 身近な実践を通して <創基100年に向けて>
 本学院は、日本の聖心女子学院の中で、唯一、前身となる学校をもつ学院です。不二農園(1914年創設)の創設者である岩下清周が、1920年、長男の壮一神父様を校長に創立した温情舎小学校です。農園も学校も、ヨーロッパの文化や思想に親しんだ岩下家のキリスト教的ヒューマニズムに則った先駆的なものでした。2020年には温情舎小学校の創立から数えて100年となりますので、3年前にあたる本年度から、創基100年の準備を進めていきたいと考えています。
 このような聖心となる以前の歴史の中にも、“Bring Joy to Others”の実践をみることができます。たとえば、清周は地域の人たちのため、私財を投じて黄瀬川に県内初のコンクリート製のアーチ橋を架け、幅広い人脈を生かして新しい専門的な農業を学ぶ場を作り、地域の発展に寄与しました。茶園の中に今も残る大きな桜や楓の大木は、清周が農園で働く人々が木陰で憩えるようにと植えたものです。復生病院で日本人初の院長を兼任された壮一神父様は、毎夜、どんなに忙しくても、必ず病棟を一回りしてから床につき、その足音はハンセン病で苦しむ人々の「闇を照らす足音」と言われました。ロンドンで邦人初の聖心会のシスターとなった三女亀代子の存在が、不二農園・温情舎の流れと、聖心の流れを一つにしていくのですが、彼女もまた聖心女子大学などで教鞭をとった後、戦後の混乱期に困難な状況にあった女性を支えるため清周寮の建設に尽力されました。この方々は皆、身近なところから“Bring Joy to Others”を実践された方々でした。だからこそ、大きな功績を残されたともいえるでしょう。

将来、「社会に貢献する賢明な女性」となっていくようここに集められた皆さん、皆さんの存在や言動が、周囲の人にとって、安心感、信頼、希望、勇気、慰め、励ましにつながっていくよう努めてまいりましょう。学院での友人、上下級生や先生方とのかかわり、そしてご家族や社会とのかかわりが、喜びを分かち合う日々の積み重ねとなっていきますように。お一人おひとりの喜びを生み出す力に期待しています。
                                                  2017(平成29)年度 始業式にて

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