校長室から

こんにちは、シスター大原眞実です。

ここでは、私からのメッセージをお伝えします。朝礼等で生徒に語ったことや学院発行の冊子等に掲載したことの中から、また日頃感じていること等を含め折々に更新してまいります。

 “Sophie’s Diary”(不二聖心女子学院公式Facebook)等にも、担当の一人として写真やメッセージを掲載中です。様々な角度から、学院生活の様子を感じとって頂けたら幸いです。

2021.04.07

不二聖心女子学院 2021(令和3)年度 学校目標

~魂を育てる~  Courage et Confiance!


キリスト教の人間観に基づいた人間の全領域にわたる教育

 聖心女子学院の教育は、キリスト教の精神に基づき、「魂を育てる」「知性を磨く」「実行力を養う」の各領域においてバランスよく成長し、「社会に貢献する賢明な女性」として成長していくよう準備します。これら3つの領域が統合されていくためには、生徒・教職員が、各領域を自分自身と関連づけながら学院生活を送ることが必要です。不二聖心女子学院では、毎年、一つの領域に焦点をあて、3年間の中で教育方針をスパイラルに深めていきます。今年は「魂を育てる」という扉から入る年です。(「聖心女子学院の18歳のプロファイル」中の「魂を育てる」の項目参照)

そして、本年度の学院目標を、"Courage et Confiance!"〔「勇気と(神への)信頼」の意:フランス語〕といたします。これは、私たちの創立者 聖マグダレナ・ソフィア・バラ(1779年12月12日-1865年5月25日)がたびたび使われた御言葉です。

⑴ ソフィア・バラの生涯から  
ソフィアが「修道者になりたい」という希望を家族に打ち明けたのは、1793年3月であったと言われます(現在の中学1・2年生にあたる年齢)。同年10月には、マリー・アントワネットがパリのコンシェルジュリーに投獄され、処刑されました。フランス革命は、ブルボン王朝と結びついていたカトリック教会にも大きな打撃を与えました。カトリック教会は排斥され、フランス国内のすべての修道院は閉鎖、ソフィアが洗礼を受けたサンチボー教会は商いの場と化し、司祭を志していた兄ルイは逃亡生活の末に投獄されて処刑を待つ身でした。
ジュワニーの生家(現在はCentre Sophie Baratとして聖心会が運営)を訪ねると、ルイが隠れていた屋根裏部屋に通じる場所で、当時のバラ家が置かれていた状況を担当のシスターが説明してくださいます。すぐ横にはソフィアが使っていた部屋があります。彼女が、子ども心にも時代の重い空気を肌で感じとっていたことは想像に難くありません。
1795年秋、ソフィアはこの年に解放された兄ルイと共にヨンヌ河からセーヌ河へと続く3日3晩の船旅でパリに向かいます(現在の中学3年生・高校1年生にあたる年齢)。彼女がパリで生活した家も残っています。1800年、20歳の時に新しい修道会(後の聖心会)の創立にかかわり、23歳の若さで院長に選ばれ、やがて総長となりました。帰天するまでの63年間に、幾度となく、聖心会や聖心学院の存続を危うくするような嵐を経験しました。

"Confiance!"~神への深い信頼のうちに
ソフィアが生まれ育ったジュワニーは、キリスト教信仰の長い伝統をもつブルゴーニュの西北にあります。現在もワインの産地として有名なこの地には、美しいぶどう畑が広がっています。信仰深い家庭で、両親の愛を受けて育ったソフィアは、ヨハネ福音書15章にあるように、「まことのぶどうの木」であるイエスにつながってこそ「豊かな実を結ぶ」ことを心に深く刻みながら成長しました。
総長マグダレナ・ソフィアを描いた御絵には、十字架と聖心会会憲を手にとり神に心を向ける姿がかれたものが多くみられます。イエスの聖心(みこころ)から力を汲み取り、子どもたちの教育を通して世界をよりよく変容していくという使命を生き抜いた姿のシンボルのように思えます。
カトリック教会において「聖人」(せいじん)とは、生涯をかけてキリストの愛の模範に忠実に従い、その教えを実行した人たちに与えられる称号です。ソフィアも帰天後、バチカンで聖人の位に上げられ、聖ペトロ大聖堂にその名が刻まれました。大聖堂に安置された聖女のご像は、傍らの「少女」を見つめるというモチーフで表現されています。この少女は、ソフィアにとって特別な存在であった聖心女子学院の子どもたち、すなわち、今、ここにいらっしゃる皆さんお一人おひとりを表しています。「私の中には二つの炎が燃えている。イエスの聖心(みこころ)に対する愛の炎と、子どもたちに対する愛の炎です」(マグダレナ・ソフィア・バラ)

"Courage!" ~祈りに根差した行動力
聖心女子学院で学ぶ皆さんは、創立者 聖マグダレナ・ソフィア・バラを通して神様から与えられた使命を生きるよう招かれています。それは、イエス・キリストの聖心(みこころ)を学び、それを生涯の中で生きることです。創立以来、多くの人々によって、この使命のバトンはつながれてきました。
皆さんが良く知っていらっしゃる緒方貞子さんもその一人です。緒方さんは聖心女子大学一回生で、初代学長マザー エリザベス・ブリットから多大なる影響を受け、在学中に洗礼を受けました。緒方さんが国際社会に力強く示した地球規模の課題と解決に向けての行動は、神の愛に根差した内的な力に支えられたものであったのではないでしょうか。「文化、宗教、信念が異なろうと、大切なのは苦しむ人々の命を救うこと。自分の国だけの平和はありえない。世界はつながっているのだから。」(緒方貞子)
2021年5月13日から2023年4月27日までの約2年間、聖心グローバル・プラザで、「緒方貞子さんと聖心の教育」というテーマで特別展示が始まり、6月にはオンラインで国際シンポジウム「緒方貞子さんの思いを受け継ぐ」が予定されています(聖心グローバル共生研究所企画)。シンポジウムのプレゼンターの一人は、WFP(国連世界食糧計画)で働く本学院の卒業生です。これらの企画も、"Courage et Confiance!"への理解を深めることにつながるでしょう。

今年のイースター(復活祭)の教皇メッセージの中で、フランシスコ教皇は、新型コロナウイルス感染拡大に対して「世界の一致」を呼びかけられました。コロナによってもたらされた様々なレベルの課題に目をとめつつ、学院として、個人として、またご家族の中で、何ができるのかを考え、賢明に行動してまいりましょう。皆さんお一人おひとりの新年度の日々に、イースター(復活祭)の祝福が豊かにありますように

2021年4月7日 始業にあたって

不二聖心女子学院校長 大原 眞実

2021.04.01

多様性の中で培われるもの

  2020年のノーベル平和賞に、世界各地で食糧支援を行っている国連WFP(世界食糧計画)が選ばれたことは、記憶に新しいのではないでしょうか?WFPは、ローマに本部を置き、1961年に設立された食糧などの人道支援を目的に創設された国連の機関です。

今年、オンラインで行われた授賞式で、WFP事務局長デビッド・ビーズリー氏は、スピーチの中で、「 このノーベル平和賞のメダルに刻まれている“平和と兄弟愛”というアルフレッド・ノーベルの精神にのっとって、彼ら全員を食べさせてあげましょう。 食は平和へと続く道です。」と述べました。
https://ja.wfp.org/news/wfp-chief-urges-world-use-its-wealth-prevent-famine-nobel-acceptance-speech

本学院の卒業生にも、WFPで働く人がいます。彼女は、中学3年生の「卒業研究」で地雷問題に取り組んだことが国際協力の場で働きたいと思ったきっかけだったそうです。また。思春期に、様々な考えをもつ同級生との寄宿舎生活を通して、互いの違いを受け入れ共に生活した経験は、現在、多文化のチームで働くことに、とても役立っていると述べています。

2021.03.29

母の会から

 年度の終わりにあたり、母の会より「母の会特製バッグチャーム」をいただきました。制服や制鞄、校章があしらわれたもので、秋のつどい等で販売されました。アーカイブにもご寄贈いただきました。保護者の皆様に、心から感謝申し上げます。 

2021.03.22

寄宿舎生活の中で

  『AERA with Kids』2021春号の中の「自立力を高める寮のある学校」という記事の中に、本学院の寄宿舎セント・マドレーヌが、札幌聖心女子学院の寄宿舎とともに掲載されています。
https://spr-sacred-heart.ed.jp/

セント・マドレーヌは週末帰宅型、札幌聖心の寄宿舎は長期滞在も可能です。現在、一緒に住むシスターのひとりは、かつて長く札幌聖心にいらした方で、聖堂からは、宮の森シャンンツェからスキージャンプの選手が空を切るように飛び立つ姿が見えること等を懐かしそうに話してくださいます。地域や形態は異なっても、どちらの寄宿舎にも、聖心会を母体に1801年にフランスのアミアンで寄宿学校として始まった聖心の教育の伝統が息づいています。

なお、この冊子には、静岡県の多彩な文化や自然の体験、達人との出会いを通して、子どもたちが本物に出会い学びを深める「MANAVIVA!」も紹介されています。
https://manaviva-suruga.com/

2021.03.15

裾野市長様表敬訪問

  「地域探求プログラム」(全国ステージ)で、『裾野市アトラクションウォーキング』という活動によって、文部科学大臣賞を受賞した高校1年生と高村市長様を訪問いたしました。裾野市の歴史・文化、伝統への深い理解と愛情をもって語る生徒から、私自身もたくさん習うことがありました。

https://fujinosato.niye.go.jp/app/wp-content/uploads/2021/03/4ea615e32d8e547a9d021b52be28edf3.pdf


 その後、コロナ禍の一年、市長様はじめ市のご関係の皆様には、様々な形でご助言やサポートを戴いたことにお礼を申し上げつつ、学院のこの一年のご報告をいたしました。産官学協働を推進する中で、今後も、裾野市の魅力をより多くの方々に分かち合っていけたら、と思います。

2021.03.08

思いがけない贈り物

 学年末試験最終日(4日)に、保護者の方々から、生徒達一人ひとりにサプライズがありました。一人ひとりに「母の会特製ジャム」が配られたのです。学院の本館のイラストが描かれた瓶に詰められたストロベリー、ブルーベリー等のジャムには、保護者の皆様の愛情が詰まっています。瓶には、次のようなメッセージが記されたカードが添えられていました。


 生徒の皆さんへ
 今年度は例年とは違う学院生活となりました。そのような状況でも、前向きに乗り越えようと励んでいる皆さんにエールの気持ちを込めて、ささやかですが母の会グッズ人気NO.1のジャムをお届けします。これからもお健やかに過ごされますように。
母の会より

 お心尽くしの贈り物に、生徒たちは、とてもうれしそうでした。教職員もいただきました。保護者の皆様の寛大なるご協力のもと、今日まで過ごしてまいりしたことに、改めて心より感謝申し上げます。

2021.03.01

4月からの入学生を迎えて

 2月27日(土)、新入生を迎えてのガイダンスが行われました。前日の会場準備は、生徒たちと共に行われました。卒業した高校3年生が残してくれた手作りのホーム・ルーム ノートカバー、エンジェルとなる高校2年生の心がまえ、地区毎の保護者の方々による歓迎会、修道院の祈り、開花を待つ桜そして入学式の準備等、目に見えない様々な思いや希望が、新入生の皆さんを包んでいます。

 コロナ対策により、身体的な距離をとっての着席となりましたが、実際に出会ってみて、心の距離は少し近づいたでしょうか?



蒲公英(たんぽぽ)の絮(わた)吹いてすぐ仲良しに

                 堀口  星眠

2021.02.22

1832年の頃

 日本の新型コロナウイルス感染者数の発表は、累計で40万人を超えました。学院のある裾野市では、2月20日(土)に、市内で37例目となる感染症患者の発生が発表されました。一日も早い収束を願ってやみません。

創立者の時代も、様々な伝染病に悩まされました。たとえば、1832年にパリを襲い、全国に蔓延したコレラの影響により、パリだけで2万人、フランス全土で10万人が亡くなったといわれます。フランスの聖心学院でも、生徒たちの健康を守るために様々な対応がなされ、なんとか大事を免れたようです。パリの学院では、この疫病で保護者を失った子供たちを15人、引き取ったとの記録も残されています。1830年の革命の影響とも絡み合って、非常に困難な時でした。
https://rscjinternational.org/news/epidemics-society-sacred-heart-lifetime-madeleine-sophie-barat-1779-1865

同年5月、コレラの流行による検疫の厳しい中、創立者は、イタリアの学院の視察を決行しています。この頃は、聖心会に託された様々な事業が軌道にのり始めた時期で、ヨーロッパや北米に次々に修道院や学校の創立も検討されました。このようなエネルギーの源に、神様への愛と、生徒たちへの愛があったことはいうまでもありません。 

2021.02.15

春の気配

 先週は、卒業週間でした。高校2年生がオンラインを使って企画した送別会は、まるで一篇のすてきなドラマか映画を見るようでした。聖心スピリットあふれるメッセージが現代的に表現されていて、とても感動しました。

 卒業式は、保護者の方々にもご参列いただき、チャプレンによる「感謝の祈り」、「伝統の灯を下級生に託す儀式」等を含め、高校3年生の旅立ちの時をご一緒にお祝いいたしました。コロナ感染予防のため下級生は代表だけの参加となりましたが、心はしっかりとつながっていたと思います。卒業生代表の言葉に耳を澄ましながら、改めて、コロナ禍の中、最高学年としての務めを真摯に果たし、学院生活に貢献してきた高校3年生の方々に、感謝と尊敬の念を抱きました。創立者ソフィア・バラも天国から微笑んでいらしたことでしょう。



 今は考えられないことですが、一年半前、私たちは皆でフランスに行きました。(略)ジュワニーの古い町並みや葡萄畑を歩きながら、創立者の「私はたった一人の子どものためにもこの学校を建てたでしょう」というお言葉を思い出し、SDG4番と創立者の言葉に響き合うものを感じました。
 一人でも多くの子どもたちに良い教育を受けさせるという創立者のお考えは、すべての人々に質の高い教育を与えたいと願うユネスコの理想に通ずるものがあると感じたのです。「たった一人の誰かのためにも」という精神を生きることが、創立者の精神を現代において生きることであると学んだ旅でした。
(2020年度卒業式「卒業生の言葉」より)


 彼女たちの命を受け継ぐ新入生を迎える準備も、並行してなされています。別れと出会いの時が交錯する日にあって、天そそる富士を戴く学院には晴れやかな春の気配が漂っています。

2021.02.08

For The Sake of One Child

 2021年は2月12日が台湾の春節にあたります。台北にある聖心女子学院より全世界の聖心学院にお祝いのビデオが送られてきました。(2月2日「不二聖心からのお知らせ」に掲載)パンデミックの中での連帯感が感じられるメッセージでした。例年なら、1月から2月にかけて台湾からの交換留学生が本学院に滞在、1月には韓国ソウル聖心生のグループも訪問し、にぎやかな交流がなされます。

台湾聖心の壮麗な本館は、ローマの聖心会本部にいらしたマザーBenzigerの発案で、全世界の聖心学院の生徒からの寄付により集まったお金で建設されました。本年度、創立60周年を迎えた台湾聖心が製作した“For The Sake of One Child”というアニメーション・ムービー(35分程度)の中で、当時の様子が紹介されています。(10分30秒以降参照)。
https://rscjinternational.org/news/taiwan-mission-koc-province-celebrates-its-60th-anniversary(こちらをクリック)
本学院の生徒の皆さんも、ぜひ、ご覧ください。

実際に顔と顔を合わせての再開がかないますように!