校長室から

こんにちは、シスター大原眞実です。

ここでは、私からのメッセージをお伝えします。朝礼等で生徒に語ったことや学院発行の冊子等に掲載したことの中から、また日頃感じていること等を含め折々に更新してまいります。

 “Sophie’s Diary”(不二聖心女子学院公式Facebook)等にも、担当の一人として写真やメッセージを掲載中です。様々な角度から、学院生活の様子を感じとって頂けたら幸いです。

2020.09.23

気候変動とスポーツの祭典

 聖心グローバル・プラザ(渋谷区広尾)では、2年間に渡って気候変動をテーマとした展示がなされています。現在は、「気候変動とスポーツの祭典」という観点から、バーチャルで展示を見るこができます。
https://www.u-sacred-heart.ac.jp/event/20200904/5547/

 この中に、「世界で最も早く朝日が昇る国」と言われるキリバス共和国のオリンピック選手(重量挙げ)からの強いメッセージも掲載されています。キリバスは、クリスチャンが多く、クリスマス島も含めた諸島群から成る美しい国です。海抜はわずか2メートル。地球温暖化の影響による海水位の上昇から、国土の水没危機が深刻な課題となっています。

 気候が穏やかで住みやすいと言われる静岡も、今年は例年にないような大雨に見舞われることが多く、キャンパスや校舎にも様々な影響が出ています。日常の変化を体感しながら、見えない世界のより重い現実に目を向け、サステナブルな未来に向けての教育を推進していきたいと思います。

2020.09.15

祈りの丘

 生徒たちが好きな場所の一つに、体育館とマリア修道院(黙想)の間の十字路付近があります。360度、見晴らしがよく、富士が正面に見える場所でもあります。

今日の日中は、くっきりと紺色がかった富士が美しく、夕方にまた訪ねました。雲にかかって見えませんでしたが、息をのむような美しい夕焼けと、楽しそうに語り合う中学1年生達に出会うことができました。


   富士の冴え祈りの心諭しけり


 旧職員の西山民雄先生の作です。無言のうちに、心を神に向けさせ、落ち着きを与え、清めてくれる富士に見守られながら、生徒達と過ごす日々に感謝しています。

2020.09.08

「責任」の感覚

 アンジェラスの鐘の音を聴きながら祈った後、放送で、委員任命式が行われました。学院生活においては、全員が、何らかの委員や係としての役割を担います。誰も傍観者はいません。頼もしい最上級生の方々が、任命式をリードし、下級生にメッセージを伝えてくれました。

 将来の生活への推移の段階にある高等学校では、上級生がより広い独創性と責任をもって、
 各自の学習を編成するようになっています。それゆえ、上級生は、義務の念をもって自由を
 使することを習いながら、いつも学校内で、家庭の「姉」としてとるべき任務をよく自覚していな
 ければなりません。

 今から60年ほど前に、全世界の聖心学院の生徒に向けて書かれた小冊子(「聖心女子学院の生活」)からの引用です。時代は変わりましたが、今も同じ精神が息づいているのを感じ、清々しい気持ちで一日を始められました。

生徒の皆さんへの期待と感謝をこめて

 

2020.09.01

ルドベキアのように

 キャンパスには、季節ごとに様々な花が咲きます。初夏から秋にかけて目を引く花の一つがルドベキア。小さなひまわりにも似た花弁が、夏の到来を感じさせてくれます。今年のような猛暑の中でも、生き生きと黄色い花を咲かせ続けています。ルドベキアの花言葉は「正義」、「公平」、そして「強い精神力」――、名の由来となっているスウェーデンの植物学者オロフ・ルドベックに由来するそうです。

 この花々に、生徒たちの姿が重なりました。コロナ禍での生活様式や熱中症を心配して迎えた夏休み明けでしたが、思いのほか元気で、日々たくさんの笑顔がみられます。学校でも寄宿舎セントマドレーヌでも、夏休み前以上に、自分たちで感染対策を心がけようという意識の向上が感じられます。11月の「秋のつどい」(学院祭)もオンライン開催に変更されましたが、実行委員長の高校3年生は、学院史上初めてとなる第1回「オンライン秋のつどい」を成功させましょうと、全校生徒に力強く呼びかけています。10代の輝くエネルギーに、力をもらっています。

 

2020.08.24

夏休み明けのさわやかな朝に

 一か月以上の夏休みを経て、本日から、授業が再開されました。先週までと異なり、今朝は涼しさも感じられるようなさわやかさ、そんな中、笑顔で生徒たちが戻ってきました。

最初の2週間は、ハイブリッド授業から入り、学校・寄宿舎という集団生活における「新しい生活様式」を確認する期間を設けます。全員が一斉に登校する場合も、様々な事情でオンラインを選択せざるをえない生徒のためにオンライン配信を継続いたします。職員による指導と共に、年齢に応じたリーダーシップを育て、各人の自主的な対策行動を推進していくことが、今後、ますます求められていきます。

登校初日にあたり、感染対策に向けての意識を共有すると共に、文科省のホームページに掲載されている吉野彰氏(2019年ノーベル化学賞受賞)から、コロナ禍にある青少年に向けてのメッセージ動画を紹介しました。


まだ今回の出来事を総括する時期ではありませんが、一つ
確実に言えるのはまだまだ人類は無力な面をたくさん残し
ているということです。これは文系、理系を問わず人類が
解決しなければならない課題が山積していることを再認識
させられたということかと思います。これらの課題を実際
に解決していくのはこれからです。そして、その原動力に
なるのは若い皆さん方だと思います。学習、勉強、研究の
遅れなどで不安に思われているかも知れませんが、逆に天
から大きな使命を与えられたと捉えてください。それをモ
チベーションにして頑張っていただきたいと思います。力
強いモチベーションがあれば、どんな困難も乗り越えるこ
とができます。                   
https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00030.html


生徒たちが、未知なる未来に向かって夢を実現していくモチベーションを持ち続け、また社会に対する使命を自覚していくようでありますように。


創立者 聖ソフィア・バラへの祈りとともに

2020.08.17

Saint Madeleine Sophie and the Children of the World.

  聖心会のウェブサイトに、「聖マグダレナ・ソフィアと世界の子どもたち」を表現したステンドグラスに関する記事が掲載されています。中には、着物姿の少女も見えます。北アイルランドの聖心の小学校(Mount St Catherine’s Primary School)からの記事です。同じ敷地内に、St Catherine's Collegeという日本の中学・高校にあたる学校もあります。

英国とアイルランドの間には、北アイルランドの領有権等をめぐる長い対立の歴史があります。北アイルランドは今も英国の一部ですが、聖心会の地域区分においてはアイルランド管区に属しています。

セント・キャサリンズ・カレッジには、英国の聖心の学校との間で、生徒の相互交流に根差した和解に向けてのプログラムがあったと記憶しています。そのような学校にこのステンドグラスが置かれる意味と、「子どもたちを通してこの世界に神の聖心の愛が花開くように」と願われた創立者の思いを味わっています。

2020.08.14

平和を希求して

 聖心会霊園と岩下家墓所との間に、大きな十字架がひっそりと立っています。元々は東京の聖心女子学院にあったものです。1945(昭和20)年の東京大空襲は、東京聖心の校舎にも大きな被害をもたらしました。本館を焼失させた火は、聖堂に燃え移るかと思われたのですが、鉄扉にはばまれ、その壁面にかかっていた十字架の前で止まったと聞いています。

 十字架の木の部分はぼろぼろに焦げていたそうで、その後、修復されたものが、今、ここに立てられています。不二聖心のキャンパス(当時はまだ岩下家の所有で、不二農園・温情舎と呼ばれた時代)は戦禍を免れ、疎開者を受け入れたような場所ですが、戦争や平和を考えることにつながるものがあちらこちらに残されています。

 教皇フランシスコは、原爆投下から75年目を迎えた広島・長崎へのメッセージの中で、昨年の来日でのご経験をもとに、「わたくしは、平和を強く希求し、平和のために自らを捧げようとする、今日の人々、特に若い人々の熱望を、今も心にとどめ続けています」と述べられました。不二聖心で学ぶ生徒たちの中にも、その情熱は培われています。

 

 

2020.08.06

Generosity

 本年度、初めて、グループとしてお客様をお迎えした自然体験ツアーが無事に終了いたしました。直前まで、気候温暖な土地らしからぬ大雨が降り、思いもよらぬ影響が校内外に出ました。直前まで、それぞれの場で、担当であるなしにかかわらず、学院を愛する多くの教職員の手が入り、ようやく開催にこぎつけられました。修道院のシスター方も支えてくださいました。

 そのような準備のさなか、私はうっかりあるものを失くしてしまいました。最後に、アーカイブ室で見つかったのですが、そこに至るまでの間、多大なる時間と労力を先生方におかけしました。コロナ対応もあって、例年以上に忙しくしている夏だけに、大変、申し訳なく思いました。

創立者マグダレナ・ソフィアが大切にされていた態度にGenerosityというものがあります。日本語で「物惜しみしない心」と訳されることが多いですが、キリストのみこころの寛大さに倣うように、との意味が根底にはあると思います。時代は変わっても、学院の中に流れ続ける他者のために時間や労力を物惜しみなく使う精神を感じつつ、ポスト・コロナのただ中にあって、共に前に向かって進む力をいただいたように感じています。

2020.08.03

心に刻まれた思い

 夏休み自然体験ツアーが始まりました。ボランテイアに来てくれている生徒たちの中には、中学1年生もいるのですが、一生懸命、キャンパスの自然や、学院について説明しています。「初熱心」とでもいうのでしょうか、何度も参加している上級生とはまた違った感動が、先生方にはあるようです。
 入学前に自分が受けたもの、心惹かれているものは、誰に教えられなくても自然に身についていくという面があるのかもしれません。

心に深く刻み込まれるさまざまな思いというものは、
特に長い伝統に育まれた子どもたちにとって顕著なもので、
その学校の歴史、伝統の気風、
そしてその学校独自の教育目標と関連しています。
(聖心会 第6第総長Janet E. Stuart)

 夏休みの学院には、個別見学で来校される方々も多いです。それぞれの方が、ご自分の心に響く学校、成長につながる学校と出会われるようにと願っております。

2020.07.17

Learning Never Stops―夏休みを迎えるにあたって

今日が、夏休み前、最後の登校日となりました。4月よりオンライン授業、5月以降の分散登校も、ハイブリッド授業(対面授業とオンライン授業を併用した)を実施してきたことにより、例年通りの時期に夏休みを迎えることができました。

オンライン学習の環境作りや、自家用車での送迎、除菌用品等のご寄付等、多方面からご協力くださっている保護者の方々の存在あってのことと感謝申し上げます。そして、修道院のシスター方の祈りや支え、何より神様の守りがあって、この日を無事に迎えることができました。

生徒たちには、このような状況を当然と思わず、世界の子供たちが直面する教育の現状を知り、考え、学びを深めていってほしいと伝えました。様々な制約の中にあっても、 ”Let Peace Begin With Me“(本年度の学院目標)を忘れずに生活してくれるものと期待しています。

https://en.unesco.org/covid19/educationresponse