校長室から

2019.02.01

愛あればこそ

 先週、かつて学院で養護教諭をされていた村井先生のご葬儀に参列いたしました。ご遺言により供花はご辞退。それだけに中央に置かれた十字架が印象的でした。両側には故人が愛されたフリージア、凛とした白衣姿で、愛をもって生徒に接していらっしゃった故人が強く偲ばれました。
70代から入院直前まで13年にわたって続けていらしたという韓国語。先生がご在職中、学院が韓国へのプログラムを始めたことともつながっていたのかもしれません。病室に掛けられていた額は、不二聖心に大きな虹がかかった時の写真であったとのこと。先生は、牧師様がお見舞いに訪れ、耳元で賛美歌を歌って差し上げている間に、安らかにご帰天されたそうです。
ご葬儀の間、学院に関する二つの気がかりなことを、自然に先生にお話していました。戻ってみると、どちらも解決していることがわかりました。学院の歴史は、不二聖心を大切に思ってくださる方々の愛の歴史であることを思い、感謝の祈りを捧げています。

2019.01.01

新春

青空の中に凛とそびえる富士を仰ぎ見つつ、初春のお慶びを申し上げます。

新春のキャンパスは、とても静謐で澄んだ空気が流れています。
生徒たちが冬休み中の中、聖心会のマリア修道院(リトリートハウス)には、全国から人々が祈りに訪れています。このキャンパスには、人々の思いを清め、願いを深めてくれる力があると感じます。

冬休みを過ごす生徒たちのために、修道院では、毎日、お祈りが捧げられています。下の写真は、クリスマス・キャロル後に、お客様が退場された後、理事長のお話を伺う様子です。この生徒たちの妹になる未来の聖心ファミリーの誕生を心待ちにしつつ、入試を控えた方々が、十分に力を発揮されますよう願っております。

皆様と、ご家族の方々の上に、新年の祝福が豊かにありますようお祈り申し上げます。
本年も、どうぞ、宜しくお願い申し上げます。

2018.12.26

冬休みの祈り

 12月22日、ハリー・ポッターのように大きな荷物を抱えて生徒たちが帰っていきました。この日を心待ちにしていらしたご家族のお迎えで帰った生徒たちもいます。学院はひっそりとして、先生方はほっとするやら寂しいやら・・・。一年の締めくくりの大掃除や、増加傾向にある寄宿舎のリフォーム、増設に向けての準備が進んでいます。
 修道院では、シスター方が、毎日、冬休みを過ごす生徒たちのために祈ってくださっています。

2018.12.03

クリスマス・キャロル

 クリスマスおめでとうございます。
 聖ローズ・フィリピン・ドゥシェーンの渡米200年祭を祝う本年度、学院は“Listen to Your Inner Heart”という目標を掲げています。クリスマスを迎えるにあたり、生徒たちは、それを意識し Le Saint Esprit~聖霊 神の息吹~”をテーマに選びました。

 私たちをとりまく世界は、SDGs(「持続可能な開発目標」)の17の目標にみられるような様々な課題を抱えています。今夏、本学院が担当した聖心姉妹校生によるSOFISワークショップでも、これを取り上げました。生徒たちは諸課題を自らの生活や行動様式と結びつけて考え、個人として、学校として、また聖心ネットワークとしてできることは何かを祈り、分かち合い、そして行動に移そうとしています。課題は大きくとも、その姿には希望を感じます。

   彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が先立って進み、ついに
   幼子のいる場所の上に止まった。学者たちはその星を見て喜びにあふれた。
   (マタイによる福音書2章9-10節)

 三人の博士たちは、暗闇の中に輝く星に導かれ、キリストのもとにたどりつきました。これはLe Saint Espritに従って歩む人々の姿を表しています。私たちも、心の深みで語りかける神様の声に耳を澄ませ、難しい現実の中にあっても、希望をもって平和な世界の構築に向けて共に歩んでまいりたいと思います。
 生徒たちは、クリスマス奉仕やプラクティス等に励みながらクリスマスの準備をしてまいりました。チャリティーセールの売り上げは、温情の会委員会を通して世界中で支援を必要とされている方々へと送らせていただきます。ご協力いただけたら幸いです。
皆様とご家族の方々の上に、クリスマスの平和と喜びが豊かにありますよう、心からお祈り申し上げます。


2018.11.01

秋のつどい

  今年、世界中の聖心が一つになって、聖ローズ・フィリピン・ドゥシェーン(1769年8月29日-1852年11月18日)が、1818年3月21日にフランスのボルドーを発ち、アメリカ大陸に聖心を創立してからちょうど200年目の記念を祝っています。聖女を守護の聖人として戴く本学院でも、その精神や態度に学び、祈り、実践する様々な取り組みがなされています。

 「レベッカ」(Rebecca)とは、アメリカ大陸へのミッションの責任者であった聖フィリピンと、4人のシスター方(オクタヴィ・ベルトー、ユージェニ・オーデ、カタリーヌ・ラマール、マルギュリット・マントー)が乗った帆船の名前です。2か月を超える船旅の中で、嵐、船酔いや病、海賊等、様々な困難と直面しなければなりませんでしたが、嵐の中でローズ・フィリピンが “Ave Maris Stella” を歌うと嵐が静まったという記録が残されているのは興味深いことです。5月29日にニューオーリンズに到着し、レベッカを降りる時、船長は「これまでで最も品位のある乗客」と一行を称えたともあります。航海の間、フィリピン・ドゥシェーンが、いかに神様に信頼しつつ、仲間や同じ船に乗り合わせた方々とよいかかわりを保ち、支え合い、また助けとなっていたかが目に浮かびます。
 春、不二聖心の生徒たちも、秋のつどいを目指し、「レベッカ」という一つの船に乗って出立しました。それぞれが、学習や研究、創作や発表、また運営の準備等において、「今、ここに聖ローズ・フィリピンがいらしたら、どのようにされたでしょうか」という思いを大切にしながら、自らの限界を克服し、同じ船に乗る仲間との考えや方法の違いを超えながら活動してきたことと思います。今日は、そのようなフロンティア・スピリットに支えられた発表をご覧いただけたら幸いです。
 聖ローズ・フィリピンにお取次ぎを願いつつ、ご来校いただきました皆様と、皆様につながるすべての方々の上に、神様の祝福をお祈り申し上げます。

2018.10.01

フランス「ルーツへの旅」

  先月、高校2年生(学年全員対象)と共に行って参りました。これは、創立者Madeleine Sophie Baratのご生家をはじめ足跡を辿り、そのスピリットにふれること、またそれを未来に向かってどのように生きていくかを考える旅です。フランスの聖心会のシスター方、フランスの同窓会はじめ、聖心グローバルファミリーに支えられたハンドメイドの旅でした。旅の様子は、学院ダイアリーや学院Facebookでご報告してありますので、ご一読いただけたら幸いです。帰国後、子どもたちから度々聞かれたのが「フランスに帰りたい」という言葉でした。「あなたの居場所はここですよ」と答えつつ、あちらでいかにアットホームな形で迎えて頂いたかを再認識させられています。旅の途上で、幸せそうな彼女たちの姿を見て、また研修の中でどんどん成長していく様子を目の当たりにして、連れてきて良かったと心から思いました。創立者が生まれた町ジョワニーは、ワインで有名なブルゴーニュ地方にあり、聖書のぶどうの木のたとえ話(ヨハネ福音書15章)がお好きだった創立者にちなみ、ぶどう畑でのワークショップも行われました。収穫の季節を迎えているぶどうの実を見ながら、生徒たちの成長を願い、祈りを捧げました。

 創立者のお名前のついたワイン”Barat”を購入して帰りました。祝日のごミサなどで使えたら、と思います。

2018.09.04

アジア・オセアニア地区 聖心校長会

8月31日から9月2日、”How we are crossing frontiers in our times?”をテーマに、アジア・オセアニア地区の校長会が開かれました。今回のホスト校は、シドニー湾に臨む壮麗な校舎をもつKincoppal -Rose Bay School of the Sacred Heartです。開会の祈りの中で、各国のフラッグをもつシドニーの聖心生たちに導かれて入堂しました。子どもたちこそ希望であり、未来を導いていく存在であることを改めて実感したひと時でした。
今年は、オーストラリアからマザーサルモンと4人のシスター方が日光丸で来日して110年目にあたります。会議の合間に、敷地内にあるマザーサルモンのお墓の前で共にお祈りしました。

2018.08.01

NON MINISTRARI SED MINISTRARE

 今年の6月、バチカンの聖ペトロ大聖堂にて、フランシスコ教皇様より、大阪教区の前田万葉大司教様が、枢機卿に叙任されました。これはカトリック教会の中で教皇様に次ぐお立場であり、日本では久々の枢機卿誕生です。

 前田新枢機卿様の紋章には、”NON MINISTRARI SED MINISTRARE”(仕えられるためではなく、仕えるために)というという文字が入っています。かつて、「幸せ」とは、「仕合わせ」、お互いが仕え合うことから生まれということをお話になられたと伺いました。夏休みの間、ワークキャンプ等のボランティア活動、海外体験学習、また地域社会や家庭のかかわりの中で、生徒たちはこの言葉の意味を経験の中で深めていくことと思います。

2018.07.01

ディバイディド・スカートの記憶

 7月1日、恒例の温情の灯会が行われました。これは、学院の前身である温情舎小学校から、温情舎女子中学校、聖心温情舎に至るまでの同窓会です。会合には、ドゥシェーン会(不二聖心女子学院同窓会)の代表の方々も参加されます。不二聖心女子学院へと変遷してきた歴史の生き字引のような方々がお集まりになるため、いつも新しい発見があります。
今年は、1970(昭和45)年まで体育の授業で使用されていたディバイディド・スカート(Divided Skirt)の話題でも盛り上がりました。いわゆるキュロットスカートのようなものなのですが、くるぶしくらいまでの長さで、内側にダーツがとってあったため、けっこう重かったそうです。当時は、体育の授業もダンスのようなものが多かったとのことでした。
不二聖心女子学院と改称した翌年の1958(昭和33)年は、東京の聖心女子学院が創立50周年を祝った年でした。その記念行事の一つとして、東京で行われた姉妹校対抗バレーボール大会で、不二聖心はこの長いスカートで見事に優勝。他の姉妹校は膝くらいのディバイディド・スカートだったので、とても驚いたと仰っていました。今も当時の優勝杯や写真がアーカイブに残されています。よく見ると、確かに一校だけ長いスカートの生徒たちの姿がありました。

本年度から紺色のポロシャツを導入しました。初代制服の紺色の中に、赤いFSの文字が入っています。赤は、学院の象徴の一つであるフランス瓦の色からとりました。嬉しそうに着る生徒たちの姿を見ながら、服装の変遷の歴史の中にも、学院への愛に根差した様々な人々の思いが込められていることをしみじみ感じています。

2018.06.05

和紅茶の香り

JR東海道・山陽新幹線のグリーン車に搭載される雑誌『ひととき(WEDGE)』6月号で、「聖心の紅茶」タダニシキを紹介していただきました。19世紀に、多田元吉がインドから持ち帰ったアッサム種で、和食にも合う優しい風味が魅力です。
http://wedge.ismedia.jp/category/hitotoki

紅茶の色の変化を意識して作られたという缶の説明文字は、今でも英語です。不二農園・温情舎ゆかりの仲省吾先生を通して、バーナード・リーチなども飲まれたことがあったのでは、と想像しています。今では、ここ不二農園しかまとまって栽培している茶園はないとのこと、ミッショナリーのシスター方も愛された幻の紅茶をこれからも大切にしていきたいと思います。

20180605校長室より