校長室から

2014年01月

2014.01.24

台湾聖心からの短期留学生を迎えて(2014年1月24日)

 今年も台湾聖心から短期留学生を迎えることができました。多文化に開かれ、複数の言語を話す彼女の存在は、今年も本学院の生徒たちに良い刺激を与えてくれています。毎年、寄宿舎とホームステイの両方の経験ができる形でお迎えしているのですが、寄宿舎の先生の中には、英語のみならず、中国語や韓国語に堪能な方もあり、寄宿舎でも様々な言語での会話が飛び交っています。

不二聖心と台湾聖心とは不思議なつながりがあります。それは1950年の上海聖心の閉校に遡ります。志半ばで国を追われた上海聖心のシスター方は、ある方々は台湾へ、ある方々は日本へ渡り、上海で消された「聖心の灯」をそれぞれの国において、灯すことに生涯をかけました。こうして1952年に不二聖心が、1960年に台湾聖心が設立されました。

台湾聖心の創立にあたっては、全世界の聖心女子学院の生徒から50セントほどの寄付が募られました。「台北市の学院の創立者の皆さん」と呼びかけられた生徒たちは熱心に協力し、やがて家庭でも大きな関心事となりました。寄付は順調に集まり、5年後には中国風の佇まいの中に西洋的な要素が融合した立派な校舎が建ちました。四隅が天に向かってそそり立つ彫刻を施された黄金色の屋根、大きな朱塗りの柱、中庭に向かって開かれている月型の門、その風格には圧倒されるものがあります。

そのような歴史をもつ台湾聖心もまた、広く世界に開かれた伝統をもっています。毎年8月に台湾聖心を会場に開かれる台湾Cultural Exchange Programには、世界中の姉妹校から生徒が集い、台湾の文化や言語について学び、グローバルな視点から意見を交わします。

2014.01.16

韓国のソウル聖心の生徒たちの訪問(2014年1月16日)

 잘 오셨습니다.(ようこそ!)
 明日から韓国のソウル聖心の生徒たちが学院を訪問し、ホームステイをします。これは1991(平成3)年に不二聖心で行われたアジア姉妹校交流会がきっかけとなり、翌1992(平成4)年からソウル聖心と共催で始まったものです。
 毎年、夏休みには本学院の生徒がソウル聖心を訪問します。国と国との関係は難しい課題を抱えていますが、このような時であるからこそ、若くしなやかな感性をもって、お互いの歴史や文化から学び合い、友情を深めつつ、新しい時代を構築していこうとする生徒たちの姿が眩しく思えます。以下、2012年の夏に私が参加した時の感想の一端です。

イエスの聖心のうちに 一つの心

引率 大原 眞実

ソウル聖心の生徒との出会いの場面がとても印象的に残っています。それまでメール等でやりとりしていたとはいうものの、初対面同士のはずなのに、懐かしい人と再会したかのような雰囲気で感動しあっている様子に思わず見入ってしまいました。後日、板門店を訪ねた後、昼食をとったレストランで、日本から来ていた高校生のグループと隣り合わせになりました。韓国の提携校との間で、私たちと同じようなプログラムを行っているとのこと、意義ある体験をしている様子が伝わってきました。
 ただ、生徒間の交流という意味では、同じルーツをもつ姉妹校の生徒間で体験し得るようなものとは少し異なるかもしれない、とふと思いました。姉妹校には、理屈抜きでつながっていける何かがあります。それは日本の姉妹校の生徒同士も同様で、ソウル最後の夜の「最後の晩餐」に続く「最後のお茶会」では、一人残らず最高に幸せそうな笑顔で語り合っていました。教員間も同じでした。「私たちをつないでいる何かがある」と誰もが感じていたと思います。
 この体験学習に参加する機会を頂いた者としての使命を真剣かつ謙虚に語っていた参加者ひとりひとりの顔を思い浮かべながら、その思いが神様によって強められ、それぞれの場で実っていくよう願ってやみません。

(2012年度「海外体験学習」冊子より)

2014.01.07

新年を迎えて(2014年1月7日)

新年おめでとうございます。

 1月6日、生徒たちを迎える前日、神父様をお迎えし、教職員が集ってごミサを捧げました。祈りの中心は、「神様から託されている大切な生徒たち」です。ミサの先唱、朗読、奉納、共同祈願、伴奏のみならず、侍者やアンサンブルまで、普段生徒たちがしていることをすべて先生方で心をこめて担当しました。リハーサルも含めての真剣そのものです。ピュアな雰囲気に、今年も感動しました。
                     


さて、今年、不二聖心は、ローカル、グローバル両方のレベルで記念すべき年です。

1)不二農園の100周年記念
1875(明治8)年からこの地に農場はありましたが、1914(大正3)年に岩下家の所有になってから「不二農園」と命名されました。その後、1920(大正9)年に創立された温情舎小学校と共に、不二農園は地域に貢献することを大切にしてきました。

 1945(昭和20)年、不二農園・温情舎が、マザー岩下亀代子を通して聖心会に寄贈されたことが不二聖心誕生のきっかけとなりました。私たちも地域と共に歩む学校でありたいと思っています。今年の様々なお祝いを通して、さらに開かれた学校づくりを推進して参ります。

2)聖心会 第6代総長 マザー ジャネット・スチユアートの没後100年祭
「天性の教育者」と謳われ、「聖心の教育」に関する多くの優れた著作を残されたマザーを記念して、世界に広がる聖心のスクール・ネットワークの中でお祝いが行われます。不二聖心の教育をさらに深める機会になることと思います。

 変化の時期というのは、細心の注意力を要するものです。
遠くの地平を見つめながら、同時にどんな些細なことにも耳を傾けることを怠らず、読むこと、振り返ること、そして探求をやめてはなりません。
私たちの使命を助けてくれる知識を得るために、心は柔軟でなければなりません。・・・
動かない止まった状態でいることは、腐敗を意味するのです。美しい過去に安住しないようにしましょう。                                                    Mother Stuarttuki

  皆様の上に、神様の祝福が豊かにありますように。