校長室から

2016年01月

2016.01.25

宝 物 (2016年1月25日)

 高校生の卒業の日が近づいてまいりました。

生涯にわたる強い絆に結ばれて、それぞれの道に進み行く彼女たちが、次に全員で顔を合わせるのは、20歳の成人のお祝いの日かもしれません。その日に向けて、高校卒業前から、保護者の方々が心をこめて準備を進めていかれます。

先日、今年、成人を迎えた卒業生の方々から、教職員全体への寄せ書きが書かれた色紙が届きました。成人のつどいの場で書かれたもののようで、一人ひとりの呼吸までもが伝わってくるような気がいたしました。

- 不二で得た学び、友達、力、すべて私の宝物です
- 不二での6年間があったお蔭で、今の私がいます
- 不二での6年間は、かけがえのない財産です   など

成人になった喜び、感謝、責任の自覚、そして「宝物」という言葉があちらこちらにちりばめられていました。「ありがとう。あなた方こそ、私たちの宝物です」――、そのような思いで、先生方、職員の方々と目を細めて読みました。

これが、教職員全員に向けてのものであることも嬉しいことでした。「私の今があるのは先生方のお蔭です」という言葉から、教職員が「私」という個々の使命を果たしつつも、「私たち」という共同体のセンスのもとで子どもたちを受けとめ、育んでいくことが大切であると再認識いたしました。

この色紙は、いずれアーカイブに大切に保存したいと思います。卒業生と保護者の方々のあたたかなお心遣いは、不二聖心をよりよいものにしていこうと願う私たちを強め、力づけてくれました。

2016.01.01

新年おめでとうございます。(2016年1月1日)

 新年おめでとうございます。

冬休みを過ごしている生徒たちのために、修道院では毎日お祈りが捧げられています。そのような祈りと共に、今は静かな正門や中庭のお花に、シスターたちが今日も水やりをしてくださいました。

フランシスコ教皇は、2015年12月8日から2016年11月20日までを「いつくしみの特別聖年(Anno Santo straordinario della Misercordia)」と定められ、25年ぶりにバチカンにある聖ペトロ大聖堂の「聖年の扉」を開かれました。

そして、2016年を迎えるにあたり、昨年、世界で起こった様々な出来事を振り返りながら「無関心に打ち勝ち、平和を獲得する」 というテーマでメッセージを発表されました。

     平和は神のたまものですが、そのたまものは平和を実現させるよう
招かれているすべての人にゆだねられているのです。
(1月1日 「世界平和の日」教皇メッセージ より)

 毎朝、生徒たちが捧げる祈りからは、難民やテロ、気候変動等の諸課題を10代らしい感性で真剣にとらえている様子が伝わってきて、心動かされることがしばしばです。一人ひとりが平和の種として育っていること、そしてこの生徒たちの中から第二の緒方貞子が出てくることを私は信じています。

 聖なる呼びかけに、心の扉を開いていく一年となりますように。