校長室から

2013.07.08

第7回 中高別朝礼の話(2013年7月4日、8日)

 おはようございます。皆さんは、不二聖心が、フランスから始まった聖心会の流れと、この地に元々あった温情舎の流れが一つになって生まれた学校であるのをご存知のことと思います。昨日は、学校で、温情の灯会の集まりがありました。これは主に温情舎にかかわる方々の集まりです。温情舎の校訓の第一は「人の役に立たねばならない」というものですが、これはまさに「社会に貢献する賢明な女性」という不二聖心の目標と調和します。外的に見れば、二つの流れが一つになった理由は温情舎を設立した岩下家から岩下亀代子という聖心会に入会した方が出たから、といえるのでしょう。でも、神様の計らいにより二つの流れは出会うべくして出会った………、私にはそのように思えます。

 ところで、先週、ある企業の方とお話する機会がありました。就職試験に話題が及んだ時、「ペーパーテストと面接では、その人物が適当かどうか判断するのは難しい」、とおっしゃっていました。そこでどうするかというと、イベントに出し、一日、様子を見るのだそうです。ずっとぼうっと立っている人、皆と協力しながら、ものを動かしていく人等、様々だそうです。その結果は、必ずしもペーパーテストの結果と同じではない、ともおっしゃっていました。

 伺っていて、改めて、「人間の全領域にかかわる教育」、ということを大事にしていきたいと思いました。皆さんが、どれだけ気がついているかわかりませんが、不二聖心の中には、それを体験する仕組みがたくさん用意されています。一都十県という異なる文化背景をもつ仲間たちと生活している中で、どれだけのかかわり力が育まれていくでしょう。少人数教育の中で、一人ひとりが役割を担い、物事を動かしていく体験ができること。先週の聖心の祝日での奉仕活動で味わった喜びは、体育大会やクリスマスキャロルで味わう喜びとはとは違いますから、どうして今こんなことをしなければならないのだろう?と思った瞬間もあったかもしれません。でも、すぐには結果が見えないような事柄に取り組むことは、実はとても大切なのです。今はわからなくても、卒業後、やあなたたちを支えくれていることに気づくでしょう。

 不二聖心の生徒は、常に「魂」(内的な力)「知性」「実行力」――、このリズムを自らのの中にバランスよく育てていきましょう。