校長室から

2014.05.18

中高別朝礼の話(2014年5月18日、19日)

 3月末に、スコットランドのキルグラストンの聖心とマルタ島の聖心へ、5月初旬にカナダのハリファクッスの聖心へ行き、一年間留学中の生徒たちや、短期研修中の生徒たちに会ってきました。それぞれに得難い体験をしているのに感心し、はっとさせられることが多々ありました。

 たとえば、留学中の生徒達は、放課後のお掃除がないのに驚いたそうです。初めは楽で良いと思ったようですが、次第に、自分達の使う場所を自分たちできれいにすることは大切だと感じるようになったそうです。どの文化も完全なものはなく、それぞれから学ぶべきものがあるのは当然ながら、異文化に敬意を表し順応しつつも、良い意味での批判眼をもち、自分なりの見方を構築して生活しているのを頼もしく思いました。

授業については、生徒の主体性が授業を作っていくようなあり方、プレゼンテーションやインタラクションの多さ、特に「間違いを恐れない態度」については習うことも多いようでした。私自身、教える側としてとても参考になると共に、かつて不二聖心に講演にいらした広中平佑先生がおっしゃっていた「非線形」ということばをふと思い出しました。広中先生は、数学の世界のノーベル賞と言われるフィールズ賞を受賞された方です。以下のようなお話であったと記憶しています。

「非線形」とは、直線的なものを意味する「線形」とは逆の意味であり、直線的でないことを意味する言葉です。たとえば、水。まっすぐ「線形」で流れた方がよさそうなのに、勢いのある流れになればなるほど、必ず渦を巻く、つまり「非線形」だというのです。人間も同じで、失敗しないことがいいことではない、何かをすれば必ず何パーセントかは失敗がある、むしろ将来性のある人ほど「非線形」であり、色々なことに挑戦しては失敗し、そこから学びつつ成長していくというのです。決して失敗しない方法、それは何もしないことだ、ともおっしゃっていました。

 今年、「フロンテイア・スピリット」を学校目標に掲げる私たちは「非線形」であり続けましょう!


http://sacredhearthfx.blogspot.jp/2014/04/international-student-shares-experience.html