校長あいさつ

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   変わりゆく時代に変わらぬ価値を求めて


 「時代が変われば私たちも変わらなければなりません」これは聖心会の創立者聖マグダレナ・ソフィア・バラの言葉です。本学院の設立母体の聖心会は、フランス革命後の変革期の1800(寛政12)年に聖マグダレナ・ソフィア・バラによって創立されました。大きく変わりゆく時代の中で、変わらぬ価値を求めつつ、社会に貢献する生徒を育てることが不二聖心女子学院の教育の大きな目的です。

 正解のない答えに向き合い真摯に答えを求め続ける生徒を育てるために、不二聖心女子学院は、大きく変わりつつあります。多様な大学との中高大連携によって専門的でオーセンセンティックな学びの機会が増え、企業や地域の協力のもとで行われるボランティア活動にはたくさんの生徒が参加し、生徒の立ち上げた数多くの自主団体は自らの問題意識を大切にしつつ、さまざまな活動に自主的に取り組んでいます。

 かつて、ある生徒が英語のスピーチコンテストで以下のような言葉を述べました。

I learned an important thing through my school life at Fuji Seishin:that is to expand the limits of my own world to be conscious of things I can’t see in my daily life.

(私は不二聖心の学院生活で大切なことを学びました。それは自分の世界の限界を広げて、日常の中で目にすることのない事象にも心を向けていくということです。)

   自分の身の回りの世界を超えて広く地球上の人々と連帯していこうとする生徒を育てようとする教育の方向性はますます強められています。

 現実世界の種々の事象に対する広く深い問題意識は、深い内省の心から生まれます。21万坪の広大な自然の中で過ごす日常は、より本質的なものへと心を向けることのできる生徒を育むための大きな力となっています。目に見えないものの光のうちに、真に大切なものを理解し、それを渇き求める生徒をこれからも育てていきたいと願っています。

                        不二聖心女子学院 校長 蒔苗博道