校長室から

2015.11.25

シスター依田ご帰天 (2015年11月25日)

 11月18日の夜、不二聖心女子学院第3代校長のマザー依田育子が静かに神様のもとに召されました。この日は、奇しくも学院の守護聖人である聖ローズ・フィリピン・ドゥシェーンの祝日でした。

そのようなこともあって、22日に聖心女子大学の聖堂で捧げられた葬儀ミサの朗読には、聖フィリピンの祝日に読まれる朗読箇所が使われました

一粒の麦は、
      地に落ちて死ねなければ、一粒のままである
 だが、死ねば、多くの実を結ぶ               (ヨハネによる福音書12章24節)

 ごミサの中で、神父様は「教育」とはまさにこの麦のような命の営みであること、そして教育に献身されたシスター依田のご生涯から、多くの子供たちが豊かな実を結んだことをお話になられました。

校内誌『欅坂』は、シスター依田の時代に創刊されました。「創刊にあたって」の中で、シスターはこのように記されています。

  全校生徒の一人一人を本当によく知りぬきたいと、最近ほど痛切に感じることはありません。
    (中略)
神から与えられた数多くの生徒の教育は、
知識の高さも、技術のすばらしさも、校舎建築の美も、設備の豊かさも越えて、
愛によってなされることを考える時、
愛するためには、相手を知らなければならないという結論に達するのです。

 このお言葉の重みを受けとめつつ、いつも不二聖心のことをお心にかけてくださっていたシスター依田に、学院で学ぶ子供たちを守り導いてくださるよう祈り、聖堂を後にいたしました。