校長室から

2023.01.14

たったひとりの生徒のためにも

 年が明け、中学3年生の方々との面接から始まりました。エレガントにパーラーのドアを開け、着席し、これまでの振り返りや今後の展望を語ってくれる姿に、毎朝、力をいただいています。事前に、丁寧に自筆で書かれた高校入学願いのお手紙を受け取っているのですが、一人ひとりの文字や文章にもその人らしさがあふれています。

 この生徒たちは、コロナ禍の中、オンラインで入学式を行った唯一の学年です。スクリーンに映るお互いの表情を確認しながら授業を行い、分散登校を経て、ようやく学年が一堂に会したのは6月のことでした。当初、日本では感染の多い地域に対して差別的な言動がみられましたので、多様な地域から生徒がつどうボーデイングスクールとしては懸念もありました。それは杞憂であったことにすぐに気づかされました。子供たちにとっては、この広い世界の中で同じ学院に導かれた友とようやく出会えた喜び、お互いの地域への関心の方がはるかに大きかったのだと思います。

 あなた方が共に一つのこと成し遂げようとする時、豊かな恵みをいただくでしょう。あなた方は愛を学び、それをお友達に伝えねばなりません。そうすれば、あなたは一人天国に行くのではなく、そこでお友達に出会えるでしょう。

聖マグダレナ・ソフィア・バラ

 中学卒業、そして高校入学へと向かう一人ひとりの良き意思を神様が強めてくださいますように。