校長室から

2016.11.01

韓国のシスター方の祈り(2016年11月1日)

 先月は、韓国のシスター方が学院に滞在されました。生徒たちと心温まる交流ができましたことは、フェイイスブックやホームページでご報告した通りです。ちなみに代表でお話しくださったシスターは朴槿恵大統領の担任をされた方でした。私自身は、あちらこちらで、生徒たちの韓国語の発音の良さに驚きました。ここでは生徒たちが知らないことを少しお伝えします。

全校朝礼の後、校内外をご案内しました。ミッショナリーのシスター方はじめ学院に生涯を捧げてくださったシスター方の墓にご案内した時、口々に「クリプタ(納骨堂)に行きたい」とおっしゃいました。納骨式でもなければ、お墓の地下にあるクリプタまで行きたいとおっしゃるお客様はあまりいません。あわてて鍵をあけると、シスター方は、今は天に召されたシスター方のお名前が刻まれた石に手をあてて祈られ、マリア様への祈りに続き、故人に捧げる美しい韓国語の聖歌を歌われました。本当に感動しました。

滞在場所のマリア修道院に戻る道すがら立ち寄ったフィリピン・ドゥシェーン修道院では、寄宿舎に隣接して修練院があった頃、寄宿生の食後のお皿洗いをしながら、生徒とかかわった日々を懐かしそうに話してくださいました。シスター方が聖心会入会直後の若き日々を過ごされた裾野は「ふるさと」だと繰り返しおっしゃっていました。そして、オラトリーで、生徒たちのために祈ってくださり、これからも裾野の聖心の子どもたちのために祈り続けてくださると約束してくださいました。

10月の「マーテル・アドミラビリス」の祝日で、生徒たちは「・・・私たちの目を、見えるものからあなたの見ておられる見えないものへと導いてください。目に見えない存在、目に見えない生命、目に見えない行い、目にに見えない愛へ・・・」と祈ります。生徒たちは、このような見えないけれど確かにある無償の愛と祈りの中で育っているのだと実感しました。

学院へのお土産としていただいた“Mission for the emerging future”(これから生まれる未来に向けての使命)という文字が入った手作りの掛け軸は、感謝と連帯のうちに、職員室に掛けてあります。