シスター・先生から(宗教朝礼)

2017.09.27

2017年9月27日放送の宗教朝礼から

 皆さんは、幸せですか?あなたの心は、何を思うと幸せだと感じますか。幸せと言っても人それぞれ感じ方が違います。自分の幸せは、他人に評価してもらうことができません。私の幸せは何?と誰かに聞いても答えが出るものではありません。そして、自分自身の心を閉ざしていると目の前にある幸せを感じることができません。

私たちの周りには、家族がいて、友達がいます。多くの人に支えられています。綺麗で安全な水を飲むことができ、美味しい食事を食べることができます。学校や寄宿に通い、勉強やスポーツをすることができ、好きな音楽を聴いたり歌ったり、絵を書いたり、お友達とおしゃべりすることができます。一日の疲れをゆっくりとお風呂で癒すこともでき、夜布団の上でぐっすり眠ることもできます。綺麗な富士山や緑豊かなお茶畑を見て自然を肌で感じることだってできます。私たちの日常の中には、幸せを感じる瞬間がいくつもあります。幸せを探したらキリがありません。目の前に、足元に、いくらでも幸せは転がっているのです。
これらの幸せが一瞬でなくなってしまったら、そのようなことを想像してください。家族や友達、自分を支えてくれる人が一人でもいなくなったら、食べるものがなくなったら、学校に通うことができなくなったら、勉強やスポーツをすることができなくなったら・・・その時あなたはどうしますか。
この夏を振り返るだけでも、多くの天災に見舞われました。7月の九州の豪雨災害。九州北部を記録的な豪雨が襲い、土砂崩れや増水などにより多くの集落が孤立しました。土砂に埋もれた民家、田んぼや川の境が消え、大量の流木が至る所で山積みになりました。複数の死者・行方不明者を出し大きな被害になりました。その後も復興している最中に容赦なく大雨や台風が次から次へと九州を襲いました。また、豪雨や台風だけでなく、地震の被害も甚大です。先週起きたメキシコ地震。建物が倒壊しガス管が破裂、さらには火事の発生など多くの被害を目にしました。先週の全校朝礼で節約弁当代の寄付の話がありましたが、どうして温情委員の方々が寄付先をメキシコに変更したのか全校生徒一人ひとりが深く考えましたか。一瞬で今ある幸せを失ってしまった人の事を考えましたか。
このような日本や世界の現状を目の当たりにしても残念ながら自分の事しか考えられない人が多くいます。自分の欲求を満たすために、自分に都合がいいように、他人と関わってしまいます。自分たちが体験しないと実感できない人になっていませんか。不二聖心の生徒は、様々なことに思いを巡らし、多くの人の心に寄り添い、他人の環境や現状を想像できる人になってほしいと思っています。
私たちはよく当たり前という言葉を使います。笑えること、泣けること、話せること、勉強できることなど、今私たちがしていること出来ていることは、本当に当たり前なのでしょうか。私たちの生活は、当たり前ではなく有り難いことなのです。ご飯を頂けることが幸せ、お友達とおしゃべりできることが幸せ、勉強できることが幸せ、お風呂に入れることが幸せ、温かい布団で眠れることが幸せ。こうして生かされているだけでも、本当に幸せなことです。世の中には、私たちが想像できないほど辛い日々を送っている方々が沢山いらっしゃるという事を忘れてはいけません。
今日は前期最後の宗教朝礼です。前期を振り返ることにより、自分の今置かれている幸せに気づいてください。私たちの学校生活には幸せがいっぱい詰まっています。
4月は入学式、始業式から始まりました。中学生は箱根、JAXA、鎌倉に校外学習へ行き、高校生は校内を駆け巡りオリエンテーリング大会をしました。新年度の祈りのつどいでは、各クラスの目標を神様にお捧げし、クラスの皆でパンを分かち合いました。5月の体育大会では団長を中心として各色が団結し優勝目指して突き進みました。生徒のための講演会では、アーサー・ビナード氏のお話を伺い、音楽鑑賞会では、素敵な弦楽合奏を聴きました。みこころの祝日には、高校生は校外の施設へ伺いご奉仕させて頂き、中学生は中学3年生を中心として校内清掃を一生懸命行いました。夏休みには、体験学習やワークキャンプ、清里への高原教室、イングリッシュキャンプなど一人ひとり様々な経験をしました。9月には学年ごと祈りの会を行い、神父様、シスターのお話からこれから生きていく心の糧を沢山頂きました。今挙げた活動は一例です。今年度が始まってまだ半年しか経っていないにも関わらず私たちは様々な経験をしています。これらの経験を通して自分の感じたこと、考えたことを大切にしていってほしいと思います。まずは、自分の心を開いて、幸せ探しをしてみましょう。素直な心で物事を感じ取り、今送ることができている日常に感謝して生活することを心掛けてください。毎日が同じことの繰り返しではないのです。
私たちは、学校、寄宿生活を通して多くの幸せを与えられています。その幸せに気付かず、不平不満をばかり言っているのはとても残念な事です。自分にとって都合のよくないことには耳を塞ぎ、自分の思い通りに物事が進まないと感情を高ぶらせ、怒りをあらわにする自己中心的な人にならないでください。
一人ひとりが、今ここで学べることに幸せを感じて生活していくことができますように、残り1週間、よい前期の締めくくりができる事をお祈りしています。
これで宗教朝礼を終わります。
M.D(数学科)