シスター・先生から(宗教朝礼)

2018.10.31

2018年10月31日放送の宗教朝礼から

 おはようございます。これから宗教朝礼を始めます。

いよいよ秋のつどいが近づいてきました。明日は準備の日ですね。そして次の日から校内発表日、一般公開日と続きます。
秋のつどいは今年で52回目を数えました。みなさんのお手元に届いているパンフレットには、荒波を越えてゆこうとする一艘の船が描かれていますね。今年度のスローガンはこの船の名前、「レベッカ」です。今年は私たちの守護聖人である聖ローズ・フィリピン・ドゥシェーン渡米200年にあたります。その記念の年にふさわしい、そして素敵なスローガンだと思います。
 秋のつどいは、生徒皆さんの方々の日々の学びの成果を発表する「研究祭」と、皆さんがお世話になった恩師の先生や卒業生の方々をお招きするという「恩師の会」の二本柱で成り立っています。私も以前、秋のつどい委員会の顧問を数年ですが、務めたことがあります。顧問になって一番最初に言われたことが、この「研究祭」と「恩師の会」の二本柱を常に心に留めておくこと、でした。秋のつどいは文化祭ではありません。教科や総合学習などの展示も、演劇や音楽などのクラブの公演も、すべて皆さんが今まで毎日努力してきた学習の成果を形として発表する大切な場なのです。そして、みなさんがそうやって頑張ってきたもの、成長を、恩師の先生方やエンジェルさん、もっとずっと先に卒業し学院を見守ってくださっている方々に感謝を込めてお伝えする日なのです。そう考えると、「不二聖心は他の学校のように、クラスで模擬店やお化け屋敷とかやらないんですか?」という疑問は解消されると思います。皆さん一人一人の努力や、ずっとつながっている聖心に関わる方々を大切にしている不二聖心だからこそ、秋のつどいという、このような形になっているのです。もっとも、最近は「先生、クラスで喫茶店とかやりたいよ」というような声は私の耳には届かなくなっています。これは、皆さんが秋のつどいの主旨をちゃんと理解しているからだと思いますし、秋のつどい委員の方々が心にこの二本柱を常に持って活動してくれているからだと思います。
 秋のつどい委員は、とてもやりがいのある委員会です。しかし、あれだけの大きな行事と人を動かすのです。その仕事は簡単なものではありません。私が顧問をしていたときも、毎日毎日次から次へと仕事があり、考えなければならないことも多くて責任も大きく、大人の私でさえ「頭がパンクする、もう倒れそう」と思ったことが何回もありました。まして委員さんは生徒なのです。大変でないはずがありません。委員会の中で、秋のつどいの準備は、私たちが秋のつどいを全く意識しないような早い段階から黙々と続けられています。私たちが秋のつどいの前後で見る委員さんの活躍は、実は秋のつどい委員の仕事のほんの一部でしかありません。その前に地道な作業が延々と続きます。たとえば、みなさんが準備や片付けの日に運ぶ机や椅子は、みんな、どこにいくつ机や椅子があって、どこにいくつ残していくつ運んで、どこに運んだらうまく収容できるのか、なるべく近くて効率的に運べる場所はどこなのか、ということを秋のつどい委員さんが事前に数えたり考えたりしながら計画されているものなのです。私たちは簡単に「重―い、遠いー」と言ってしまいますが、机ひとつ運ぶにも、秋のつどい委員さんの地道な努力が裏にあるのです。ですから、そのような大変な仕事だとわかっていて秋のつどい委員に立候補し、この役に就く生徒を私は心から尊敬しています。みなさんも委員さんに感謝しながら秋のつどいを過ごせたらいいなと思います。
 秋のつどいはたくさんの人が関わっています。生徒のみなさんの中で、「私は秋のつどい中、ひとつも仕事がないなぁ」という人は一人もいないと思います。昨日の中学校朝礼でシスター大原が、「秋のつどいが近づいてくると生徒一人一人が輝くのよ」とあるシスターがおっしゃっていたというお話をしてくださいましたが、本当にそうです。公演や展示がある人はもちろん、総合学習のシフトや講堂の椅子並べ、ゴミ当番や校内案内・駐車場係・お客様に楽しんでいただける企画など、たくさんの場がありそこに立つみなさん一人一人は自信と達成感でとても輝いて見えます。それから、生徒だけでなく、みなさんの保護者の方々にもたくさんお手伝いいただき、秋のつどいはすばらしい日になっていきます。
 私は11月3日のロッジ前が好きです。秋のつどいのパンフレットの表紙と同じ幕が掲げられたロッジ前はたくさんの人でにぎわっています。いろいろな人がいる、でもこの人たちはみんな聖心の家族なのだと思うととても幸せな気持ちになります。いよいよ秋のつどいを迎えます。お互いに感謝し、讃えあって幸せを共有できるすてきな秋のつどいにみんなでしていきましょう。
これで宗教朝礼を終わります。
M.S.(国語科)