シスター・先生から(宗教朝礼)

2018.11.07

2018年11月7日放送の宗教朝礼から

 先週の11月2・3日には、秋のつどいが行われ、生徒のみなさんはやり遂げたという達成感に溢れているのではないでしょうか。私自身、この2日間で多くのことを見て、感じました。

 11月2日には、発表クラブの催し物を見て廻りました。日頃、授業中にはあまり目立たない生徒がいきいきと演技をし、また高度な曲を演奏している様子を見て、こんな能力や才能があったのだと驚きました。
 中1の中には、アンサンブルクラブの発表を見て、自分も楽器を買ってやってみたいという生徒
がいたり、熱心に中学3年生の卒業研究を読んで自分も将来こんな研究をしたいと刺激を受けている生徒がいました。いつもの授業では得られない何か別のものに対する興味や関心をこの秋のつどいで掴んだ人もいると思います。
 
 11月3日には、多くの方が来校し秋のつどいを見学されました。その中にはみなさんの先輩にあたる卒業生も大勢来ました。仕事もあったのでその中の数名としか話すことが出来なかったのですが、いろいろな話を聞くことができました。
 その中で印象に残った話は、この不二聖心で学んだことが大学や社会に出ていかに役立っているかという事でした。
 就職活動を終えたばかりの卒業生は、不二聖心で何度も振り返りや文章を書く練習をしているので、会社の志望動機やエントリーシートをすらすら書けて助かったことや、卒業研究や個人研究での経験が大学の論文を書く時に周囲が戸惑っている中で、抵抗なく計画的に仕上げることが出来たと語っていました。
 また、情報科目の選択でとったプログラミングが会社に入って今活かされていること、寄宿での対人関係の経験が、会社の取引先との仕事のやりとりが非常にスムーズに出来ているなど、後から不二聖心での経験が役立っていることを聞き嬉しく思いました。秋のつどいでの大変だなと思う仕事も、今授業で何のために立つのか分からないと思っている授業も将来どこかで活かされるのだと思います。秋のつどいが終わって少し気が抜けてしまった人もいるかも知れませんが、次は後期中間試験に向けて、将来のために落ち着いてじっくり学習に取り組んで下さい。
 ちょっとした興味・関心が大きく進路や将来の職業選択に影響を及ぼすこともあります。私自身の経験では、神父様ではないのですがカトリック信者である数学科のM教授の授業の中で、今でも覚えている言葉があります。
 「素数の個数の分布は、不規則のように見えて実は法則があります。10までの素数は2,3,5,7の4個ですが、100までの素数は25個、1000までだと168個、10000まで
だと1129個あります。素数の出現分布は不規則ですが、N個までの素数の個数はほぼN/logNに従うと予想されています。
 また、4で割って1余る素数は必ず平方数の和で表せます。たとえば、29は4で割って1余る素数ですが、5の2乗と2の2乗に分けられます。これはどんなに大きな数でも成り立ちます。   
この事実は簡単ですが、その証明は非常に難しく容易には出来ません。
このような整数の法則が偶然に成り立つとは考えにくい。何か見えない存在が意図的にそうしていると考えざるを得ません。そこに神様の存在を感じます。自然数は神様がお作りになったと思います。」と言われました。
科学者や数学者は神様の存在を信じないない人が多い気がしますが、そのような言葉を聞いて衝撃を受け、そして、もっと数学を深く勉強してみたいと思うようになりました。
 
 そして数学に限らず、どんな教科でも構いませんので、何か興味・関心を持ったことをさらに広げて学ぶ姿勢を大切にし、アンテナを高くして好奇心を持って勉強して欲しいと思います。
 神様は人間では解決出来ない問題を多く出されています。
コラッツの予想という整数の問題を紹介します。内容は簡単で小学生でも理解出来ます。
2以上の整数を一つ思い浮かべて下さい。その数が偶数なら2で割り、奇数なら3倍して1を足して下さい。このような操作を繰り返すと必ず最終的に1になります。この予想はコラッツが西暦1937年に提示してから、世界中の多くの数学者がチャレンジし挫折し、いまだに証明されていない未解決な問題の一つです。
  これで宗教朝礼を終わります。
J.K.(数学科・情報科)