シスター・先生から(宗教朝礼)

2020.07.01

2020年7月1日の宗教朝礼から

 新しい生活様式など、さまざまな変化を受け入れていかなければならない状況の中でも、皆さんが学ぶ喜びを感じながら一生懸命になっていることや仲間・シスター・先生方とのつながりに幸せを感じていることを実感し、とても嬉しく思うとともにそんな皆さんから非常に大きなパワーをいただいています。与えられた環境の中でそれぞれの立場からできることを考え、実行していくその姿は、まさに、学院目標『実行力を養う~ Let Peace Begin With Me ~』や『18歳のプロファイル 3.実行力を養う』の10の項目すべてが育ってきていると感じます。

今を全力で生きている一方で、身体的にも精神的にもストレスフルになった(なっている)方も多いのではないでしょうか?続く外出自粛や生活様式の変化に強いストレスを感じている子どもたちが増えているというニュースを耳にした時、心が痛くなりました。大人の私でさえ、さまざまな環境の変化についていけず、モチベーションを高めることや自分の心をコントロールしていくことが大変で、心の持久力を高めていくことは生きていく上でとても大切なことなのだと再認識しました。

 「レジリエンス」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。レジリエンスとは、回復力、弾力などと訳されます。心理学の観点からみると、精神的回復力、立ち直る力、我慢強く続けていく力などといわれます。この力の強さは人それぞれ違いますが、高めていくことができます。レジリエンスを高める方法の一つで、普段私が意識していることは「物事のとらえ方を変える」ということです。以下の3つ状況になったとき、あなたならA・Bどちらのとらえ方をするか考えてみてください。 

①新しい挑戦をするとき
A:ミスをしないかと考えたり、私には向いていないと避けようとしたりする
B:失敗を恐れず、まずやってみよう!と思う

②何かに失敗したとき
A:やっぱり自分はダメだと落ち込んだり、投げやりになったりする
B:なぜ失敗したのかを考え、次に生かそうと失敗から学ぼうとする

③努力をしたのに試験の点数が悪かったとき
A:結果(点数)を重視し、落ち込んだり、投げやりになったりする
B:結果(点数)は悪かったけど、自分がそれまでに努力した過程を評価し、次につなげる

 A・Bどちらが多かったでしょうか?3つともAよりBのとらえ方の方がプラス思考で、自分自身を成長させることにつながる思考といえます。自分の考えはどうしても偏ってしまいがちです。今、置かれている状況を冷静に見つめ直し、別の角度から物事をみることを意識してみてください。そうすると、それまで見えていなかった部分が見え、プラス思考のとらえ方が見つかるはずです。プラス思考になると、レジリエンスも高まり、自然と気持ちも楽になることが多いです。

誰でも落ち込むことはあります。ストレスを全く感じない人はほとんどいません。だからこそ、何か壁に当たった時、そこから回復していく力=レジリエンス能力を高めておく必要があります。レジリエンスが高い人は、さまざまな変化にもうまく対応することできます。また、考え方や視野も広くなり、人間性を高めるとともに人生を豊かにしていくことができるでしょう。

自分自身のレジリエンスを高めていくことに加えて、あなたたちにはいつも味方でいてくれるご家族、お友達、シスター、先生方がいることを忘れないでください。弱音を吐いても、イライラをぶつけてもいいのです。人に頼ることも大切ですよ。

最後に、私が挫けそうになった時、思い出す言葉を『ドラえもん』より送ります。

 『きみはこれからも何度もつまづく。でもそのたびに立ち直る強さももってるんだよ』(『ドラえもん』より)

これで、宗教朝礼を終わります。

                                      Y.O.(保健体育科)