シスター・先生から(宗教朝礼)

2020.07.08

2020年7月8日の宗教朝礼から

  上半期が過ぎ、2020年も折り返しとなりました。今、世界中の全ての人が、予測不可能な試練の中を通されていることを思います。世界で苦しんでおられる方、お一人お一人のうえに神様の癒しの御手が置かれますようにと、心から祈ります。

 さて、皆さんは「それさえあれば、どんな苦難も乗り越えられる」という何かを持っているでしょうか。持っている人は幸せです。どんな苦難も乗り越えられる…とは、言葉で言うのは簡単ですね。でももう一度よく考えてみてほしいのです。苦難とは、ある時はその人をその人らしくないものに変えてしまいます。
 私は毎日、日記をつけています。一日に起きた出来事の中で、幸せに思ったことを書き留めています。振り返ると、生徒の皆さんの言動から幸せをもらっていることがほとんどです。この状況では、画面越し、声だけ、文字だけであっても、皆さんと会えること、つながりを感じられることは何よりも嬉しいことです。授業への感想で、本当にその子が一生の学びを得られたのだと、確信できる一言を発してくれた時。そして、学びが日常生活を豊かにしているとフォーサイトからうかがえた時。私は今ここに置かれている幸せを感じます。
 でも、時にはこの幸せの中にいながら、心が波立ってしまう日もあります。そんな時、「一つの辛い出来事は、大きな幸せを隠してしまうくらい強い力を持っている」ということを改めて感じるのです。
しかしそこに留まることは、自分から幸せを消してしまう生き方につながりかねません。あなたなら、どうやってその苦しみから脱出しますか?私は、その事柄から神様が私に学ばせてくださろうとしていることは何か、と考えるようにしています。神様の意図を探った時、どんな困難の後も、不思議と最後に見えてくるのは希望の道です。今まで長い間日記をつけてきましたが、その時すぐに答えは見つからずとも、例外なくその先には、いつも救いがありました。
 いつか皆さんに紹介したいと思っていた歌が2つあります。(どちらも原曲は英語の歌詞です。調べてみてください。)
「Jesus Is the Answer (こたえはそこに)」
心の隅でうず巻く疑問 思い出すたび心痛む
不安失望に挫けそうでも イエス様こそが私の道
登れぬ山 目の前にあり 空は暗くて陽も差さない
知っているかい?神の言葉はあなたを決して裏切らない
 主イエス様について行こう 私の道は他にない
 イエス様に聞いてごらん 答えはそこに この道に
「Thank You, Lord (感謝します)」
感謝します 試みにあわせ鍛えたもう主の導きを
感謝します 苦しみの中に育てたもう主のみ心を
感謝します 悲しみの時に共に泣きたもう主の愛を
感謝します こぼれる涙を拭いたもう主の憐れみを
 しかし願う道が閉ざされたときは目の前が暗くなりました
 どんな時でもあなたの約束を忘れない者としてください
感謝します 試みに耐える力をくださるみ恵を
感謝します 全てのことを最善となしたもう みこころを
 教訓のように語りながら、実は今でも、何かが起きるとその苦しみから抜け出すまでに長い時間がかかっています…。それでも、向かうべきは神様が計画された通りの方向だと、既に示しを得て、自分の力ではどうにもならない部分は、委ね、頼りきって歩んでいけるというのは、大きな救いだと思いませんか?全てが感謝につながる生き方・考え方は、神様につながっているからこそできるものだと、私は思います。
 皆さんにとって神様やイエス様は、「いるかいないか分からない存在」でしょうか。それとも「漠然と、いるとは思われるけれど遠い存在」でしょうか。こんな風に言うと驚かれるかもわかりませんが、私にとってイエス様は家族や友達のような存在です。何でも相談し、委ねきることができる唯一の存在だと思っています。こういう生き方を知らないまま、この時を悩み苦しまないでください。誰かに完全に支えてもらいながら生きる生き方を心のどこかに留めておいてください。
 試練の中にいる時。心穏やかではないとき。向かうべきところがどこなのか迷いそうになったら、あなたはどこに希望を見出し、誰に頼りますか?
これで宗教朝礼を終わります。
M.M.(音楽科)