シスター・先生から(宗教朝礼)

2021.11.10

2021年11月10日放送の宗教朝礼から

  「何となく日々過ごしている人」と「目標を持ち、自分を成長させるために日々学んでいる人」

 あなたはどちらでしょうか。学ぶことは勉強ばかりではありません。クラブ活動、委員会活動、友人関係など学校生活の中には多くの学びがあります。今日は学ぶということについて考えてみましょう。
 先週は、秋のつどいが行われました。秋のつどいは、皆さんの日頃の学びの成果を発表する場です。私はダンスクラブの顧問をしています。今年は、昨年以上に厳しい日程でした。例年、9月には日曜日に登校練習をし、クラブの時間以外も昼休みや放課後などに高校3年生を中心に練習を行い、ダンスの完成度を上げていきます。しかし、今年は夏休み明け分散登校になり、全員が集まって練習することもできず、練習するにも制限がありました。そのような状況の中でも、文句一つ言わず、できることを探し、試行錯誤を重ね、下級生に的確な指示を出していた高校3年生は本当に立派でした。また、その姿は下級生にも大きな影響を与えました。秋のつどいの発表は、一人の力だけで成功するのではありません。クラブが一丸となって一つの目標に進むことの大切さを改めて感じました。ダンスクラブを例に挙げましたが、どのクラブでも同じだったのではないでしょうか。
 何かを成し遂げる時、「誰にも見られていない所でも一生懸命練習に励む人」と「誰かに見られている時だけ練習し、後は適当にする人」
 あなたはどちらですか?
 数学の世界には、小学生でも分かる簡単な問題でも、いまだ証明できず未解決となっている難問が沢山あります。今から数学の問題を出しますので考えてください。いいですか。
「4以上の偶数は、2つの素数の和で表すことができます。それでは、8は幾つと幾つの素数の和で表すことができるでしょうか。」正解は、3と5です。2と6は6が素数でないので駄目ですよね。では、少し数字を大きくします。16は幾つと幾つの素数の和で表すことができるでしょうか?5と11です。3と13でもいいですね。これは、ゴールドバッハ予想と呼ばれています。実際、数字で考えると確かにそうなることが分かりますが、この予想を証明することは未だ成されていません。
この問題を解いて「20は?22は?どうなるのだろう?と問題を膨らめた人」、「4以上の奇数だとこの予想に当てはまらないのかと考えた人」または「だから何が言いたいの?と考えようともしない人」、「この問題を聞いて耳を塞いでしまった人」
あなたはどれに当てはまりますか?
「一つの事を知ってさらにその次を知ろうとする人」と、「一つの事を知ってそれで終わりにしてしまう人」では学びと成長に差が生じます。
 マタイによる福音書には次のように書かれています。
「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。(7章7節~8節)」
この聖書の箇所からも分かるように、求め続け、探し続け、門をたたき続けることが、学び続けることではないでしょうか。今日からのあなたの学ぶ意欲の変化に期待しています。
M.D.(数学科)