シスター・先生から(宗教朝礼)

2022.02.02

2022年2月2日放送の宗教朝礼から

 おはようございます。これから、宗教朝礼を始めます。

新型コロナウイルス感染症が流行する前は、時折、海外から聖心会のシスターが来校され、校内を見学して生徒と交流したり、全校生徒に英語でお話をしてくださいました。あるシスターは、スピーチの終わりに、「empathyを大切にしてください」と仰いました。empathyとはどういう意味だろうと興味をもち、後で辞書をひいたところ、「共感」という意味でした。シスターは、海外に暮らす人々への共感を大切にしてほしい、特に発展途上国に暮らす人々への共感を忘れないで欲しい、というメッセージを下さったのでした。
empathyという言葉を聞いて、高校2年生、3年生はピンときたことでしょう。3年前から採用している高校2年生の英語の検定教科書のLesson 1のテーマが、まさにこのempathyなのです。その中で、empathyの説明として、sympathyとの違いが挙げられています。sympathyとは、自分を上において相手を憐れむことであり、empathyとは相手の立場に立って考えることなのだそうです。日本語では、sympathyは同情、empathyは共感、と訳すとわかりやすいかもいれません。
 話は変わりますが、昨年の12月、近くのスーパーで買い物をしていた時のことでした。年末年始の準備で、多くの客がいましたが、あいにくレジが一つしか開いておらず、精算を待つ人が長蛇の列となっていました。自分の番を終え、今日は混んでいて大変だったな、そもそもなぜレジが1つしか開いていないんだろう、などと思いながら袋詰めをしていると、精算している60代くらいの男性の声が聞こえてきました。レジの方を「一人でレジやってるの?今日は混んでるから大変だねえ。ありがとうね、がんばってね」と明るい声でねぎらっていたのです。私は自分の自己中心的な考えを恥じ、素敵な年齢の取り方をなさっている方だな、とその男性を尊敬しました。相手の立場に立って考える、ってこういうことだな、と勉強させてもらいました。
 普段の学校生活の中で、シスターや先生方、また生徒の皆さんの言葉や行動からも、empathyってこういうことだな、と学ばせてもらうことが多くあります。逆に、後で自分の言動や行動を、empathyに欠けていたな、と後悔することも多々あります。中学生からよく聞く悩みに、仲の良かった友人が突然私を避けるようになって困っている、とか、A子ちゃんとB子ちゃんがあなたのことをこんな風に悪く言ってたよ、とC子ちゃんに言われた、などということがあります。また、時には、あの子ってまじめだよね、など、その人を揶揄しつつ批判するような言葉を聞くこともあります。自分が相手の立場に立ったら、どう思うでしょうか?辛い、悲しい気持ちになりますよね。周囲の人の、empathyに満ちた言葉や行いをよいお手本として、暖かく思いやりに満ちた人になれるよう、お互い心がけてまいりましょう。これで、宗教朝礼を終わりにします。

J.N.(英語科)