シスター・先生から(宗教朝礼)

2022.04.20

2022年4月20日放送の宗教朝礼から

 おはようございます。これから宗教朝礼を始めます。

 中学1年生の皆さん、そして新しく不二聖心に入学された方も、ご入学おめでとうございます。新生活には慣れましたか。学院を散策する姿は見ていて穏やかな気持ちになります。
 さて、カトリック教会では4月17日が「復活の主日」でした。イエス様の御復活をお祝いする日です。私は教会がyoutubeで配信した動画で祈っていました。聖書朗読では「コリントの信徒への手紙」5章6節から8節が朗読されていました。今からそれを読みます。
 「わずかなパン種が練り粉全体を膨らませることを、知らないのですか。いつも新しい練り粉のままでいられるように、古いパン種をきれいに取り除きなさい。現に、あなたがたはパン種の入っていない者なのです。キリストが、わたしたちの過越の小羊として屠られたからです。 だから、古いパン種や悪意と邪悪のパン種を用いないで、パン種の入っていない、純粋で真実のパンで過越祭を祝おうではありませんか。」「コリントの信徒への手紙」(5章6~8節)
 この聖書箇所では、古いパン種が悪い事の例えとなっている事が分かります。更にイエス様の御献身で、清められている事が分かります。古いパン種や悪意と邪悪のパン種は取り除かれなければなりません。
 今、ウクライナでは悪意と邪悪のパン種が広がっています。また戦術核の脅威論が巻き起こっています。「ロシアとウクライナをマリアの汚れなきみ心に奉献する祈り」の一節を唱えます。
 「天の大地」であるマリアよ、神の調和を世界にもたらしてください。
憎しみを消し、復讐をしずめ、ゆるしを教えてください。
わたしたちを戦争から解放し、核の脅威から世界を守ってください。
 ところで、私は昨年、不二聖心に着任した2年目の教員です。不二聖心の前は東京の聖心女子学院に勤めていました。生徒から「姉妹校に違いはありますか。」とよく質問を受けます。この質問に対して私は、「聖心はひとつの大きな家族です」と答えています。
 今、私の目の前には2冊の同じ本があります。何の本でしょうか。「今川義元の本、歴史の本と答えた方は正解。」と言いたい所ですが、違います。
 正解は「聖心会における学習の精神と指導要領」という本です。
この本は聖心の教育理念を示す本です。聖心に着任した教員はこの本を読み込むことから始まります。指導要領という本は教員が担任や授業をする時の目標を示した本だと考えてください。
 公立学校は「学習指導要領」に基づいて授業がされます。これについて「聖心の指導要領」は「各管区において、学習指導に関して、合法的権限をもつ機関が具体を指示する。」と記しています。
 さて、「聖心の指導要領」から聖心の教育が目指すものをひとつ紹介します。
 「大切なことは、将来生徒が、その生きる時代と環境において、女性として果たすべき使命を考えに入れた上での、人間形成にあることを忘れてはならない。この目的の為、学習は一般的かつ系統だった知識を包括し、かなりの程度の教養を身につけ、原則にしっかり根ざしたもの」と記されています。
 今年から高校1年生は「新学習指導要領」での学びが始まっています。
それと比較しても変わらない内容と言えましょう。
 私がこの本を初めて頂いたのは東京聖心に着任した時です。
その時の校長様が「聖心の理念を示した非売品の本です。大切に扱ってください。お引きになる時は返してください。」と仰いました。
 そして、私が返却に行った時「姉妹校に行くのですから持っていってください。大切になさってください。」と笑顔で仰いました。
 ここで先ほどの質問に戻りますが、どうして私は同じ本を2冊持っているのでしょうか。
 そうです。不二聖心に着任した時にも頂きました。
私は2冊ある「聖心会における学習の精神と指導要領」から、
教員も生徒も「聖心は一つの大きな家族」といえるのだと考えています。
 今年の学校目標は学院創立70周年にあたる事から「知性を磨く 希望の扉をあけて」です。
 姉妹校共通の目標である「知性を磨く」事から「原則にしっかりと根ざして」希望溢れる歴史の扉を開きましょう。
 これで宗教朝礼を終わります。
S.W.(社会科)