シスター・先生から(宗教朝礼)

2023.01.25

2023年1月25日放送の宗教朝礼から

 これから宗教朝礼をはじめます。

 皆さんにはどうしても会いたい人がいますか。
私は、3年前から、会いたいと思っている人が何人かいました。しかし、この社会情勢では、なかなか会いに行くことは難しい状況です。お相手は遠方で暮らす高齢の方なので、そこに行く移動さえも緊張する世の中です。そんな中、やはり会いたい思いは募っていきました。
 その方々は、私の兄の妻である義理の姉の実家で、札幌に暮らす姉のお母さまと、札幌聖心の修道院にいらっしゃるシスター方です。
 義理の姉のお母さまには、何かと気にかけていただいているのに、お父様がご逝去された時も近親者だけで葬儀を済まされて、手を合わせることもしていませんでした。そして札幌に行くなら、札幌聖心を訪ねたいと思うことは全く自然な思いでした。
昨年の4月ごろから兄夫婦と計画を進めました。姉にとって、行きなれている場所ですので、飛行機、ホテル、などの予約は丸投げで、私はただただ、遠足を楽しみにしている小学生状態でした。しかし、7月の半ばごろからの第7波、感染者の多い札幌に行くのは、社会的には後ろめたさもありました。
姉に、食べたいものや行きたいところがあったら決めておいてね。と言われ、いろいろチェックしました。「スープカレー、夕張メロン、小樽の街と小樽ガラス、ラーメンの順位は最後かな・・」札幌に住むシスターにも連絡して、会う日時を決めました。
 こうして、念願の2泊3日の札幌の旅が始まりました。
旅の2日目の午前は自由行動として、私は朝早くから、札幌聖心に向かいました。バス停から坂道を登っていくと、懐かしい、マリア様やイエズス様のご像が木々の中に立っていました。斜面を切り開いて作られた校舎も懐かしさを感じます。シスター井出が玄関で待っていてくださり、再会を喜びました。修道院に案内され、そこでシスター新庄、シスター田口からも大歓迎を受けました。札幌聖心のチャプレンであられるシスター田口は、閉校になることを聞いて訪れる、多くの卒業生の対応に追われていました。「こういうプリントを作って、配っているのよ。」と、約束の時間に訪れる卒業生のところにいらっしゃいました。
シスター田口からいただいたプリントの一部を読みます。(内容は略)
シスター田口をはじめシスター方は、この4月から不二に入学する生徒たちのことを大変心配されていました。「金曜日の夕方は、三島駅まで迎えに行かなくちゃ。」などとおっしゃっていました。まさに、寄宿に入れる母親の心です。こんなに愛されて教育を受けている札幌聖心の子供たちを、不二でも責任をもって預からなくてはならない。と強く感じました。
シスター新庄が「この後はどうなさるの?」と。私は「兄たちと合流して小樽に行ってみようと思います。」というと、「そこにある美術館のステンドグラスをご覧になってください。奇跡的にベルギーから日本にわたってきたソフィー・バラ教会のものが展示されていますから。」
帰り道のバス停まで、シスター井出とおしゃべりしながら歩いていると、ハイカーのようなスタイルでさっそうと坂を上ってくるシスター竹内にもお会いでき、札幌聖心で暮らしていらっしゃる4人のシスター全員にお会いできて、心から嬉しく思いました。
大雨の中、電車に乗り、札幌から小樽まで行きました。「運河はどこだ」と、そもそも行き当たりばったりの旅で、「海に向かえばいいんじゃない。」と。しばらく歩いていくと運河らしきものが見えました。小樽運河の近くの小樽芸術村の中にステンドグラス美術館がありました。ステンドグラスで張り巡らされた美術館は実に美しく、観光客もほとんどなく、近くに寄ったり、二階から眺めたり、のんびりと見学できました。例のステンドグラスの近くのプレートに、聖心会の創立者である聖マグダレナ・ソフィアバラを称えて作った教会であることなどが書かれていました。
十字架の道行きを表すステンドグラスは床の位置から見上げるほどの高さ、5mくらいあるのでしょうか、迫力のあるものでした。
久しぶりの泊りがけの旅、こんなに心から楽しいと思えたことはありません。
どうしても会いたい人に、会うことができた昨年の夏休みは、私が聖心の一員であることを再確認できた夏でした。
これで宗教朝礼をおわりにいたします。
K.O.(理科)