シスター・先生から(宗教朝礼)

2023.02.22

2023年2月22日放送の宗教朝礼から

  おはようございます。宗教朝礼を始めます。

 2月も中旬を過ぎました。この2年間、なぜか2月に世界では大きなことが起こっています。
 先日はトルコ・シリアの国境近くで大きな地震も起きました。毎朝の報道で被害が広がっていることをきくたびに心が痛みます。
 おととし2021年2月1日は、ミャンマーで国軍によるクーデターが起きました。国軍はミャンマーの国家顧問のアウンサンスーチーさんを拘束し、それ以降、スーチーさんの解放のために声を上げる人たちや民主化運動をする一般市民に対して激しい弾圧が行われています。多くの避難民をうみ、それに対して日本でも支援が行われています。不二聖心でも昨年卒業した高校3年生と先日卒業した高校3年生が一緒にミャンマーのことを調べ、ミャンマーの平和のために発信してくださいました。
 そして、その翌年・つまり昨年の2月24日、今度はウクライナにロシア軍が侵攻し、毎日激しい戦闘が続いています。ウクライナのことは世界中誰もが心に留めているのではないかと思います。
 ミャンマーやウクライナについて、キリスト教の宗派を超えてオンラインのお祈りをする会が定期的に行われ、私もこれまで何度か参加してきました。またお祈りの会とは別に、先日、オンラインでしたが、上智大学のミャンマーの研究者の先生や、日本で生活しているミャンマーの女性の方々のお話をお聴きする機会にも恵まれました(※1)。ミャンマーの問題をその歴史背景や、諸外国との関わりなどについても教わることができました。その中でミャンマー国軍と日本政府にも繋がりがあることも取り上げられました。ミャンマーの一般の人々の安全を守るためには、私たち日本で生活している人にも責任があることを痛感しました。上智の先生も、また日本に来られているミャンマーの方も、最近ミャンマーについての報道が少なくなってしまったことに心を痛め、多くの人にミャンマーへの関心を持ってほしいとおっしゃっていました。特に上智の先生のお話では、ミャンマーの人のために祈ることはその時間はミャンマーの人たちのことだけを思うことになる。是非お願いしたいとお話しになっていました。
 一方、ウクライナの祈祷会(※2)は、2月24日に戦いが始まったことから毎月24日に行われます。各宗派の代表者の方のお話や、ウクライナへの支援団体の方々の報告など、月によってさまざまなお話を聞きながら、ウクライナの人たちのつらい現状を知り、戦争や平和について考える時間を持ちます。そして宗派を超えた参加者で交互にお祈り文を唱え、心を一つにしていきます。
 先月のウクライナのための祈祷会では、ある沖縄の牧師さんが平和についてお話をしてくださいました。沖縄は太平洋戦争で大きな犠牲を払ったことはみなさんご存じでしょう。またその後、沖縄には米軍基地がたくさん設置されて、さらに新しい基地も造られようとしています。基地ができることによって人々や海山の生き物の生きる場所がなくなることを怖れ反対をしている人もたくさんいます。その牧師さんは、そうした沖縄の基地を別の角度からお話しくださいました。その牧師さんはベトナム戦争のころ生まれたそうですが、当時、ベトナムの人々は、沖縄は怖いところと思っていました。それはベトナム戦争に参戦していたアメリカ軍の戦闘機が沖縄の基地からやってきたからです。ベトナムの人々からすると、戦闘機を飛ばす沖縄という島に自分たちと同じような人間が住んでいるとは想像できない、沖縄は悪魔の島だと思っていたようです。牧師さんのご両親は、戦争で自分たちが攻められるならばひたすら我慢するだけだけど、誰かを攻める立場になったら人としてもっと辛い。沖縄で生まれたその牧師さんには、平和のために生きる人になってほしいと強く願ったそうです。
 その日その祈祷会に参加した私は、ウクライナの人々のことだけ考えていましたが、逆の立場のロシアの人々のためにも心から祈ろうと思いました。
 さて、今日から四旬節が始まります。イエス様が生きてこられた時代、その社会には、その日の食糧が得られるのか不安の中で生きる貧しい人々、病気や障害のために差別され社会から追われる人々がたくさんいました。人としての尊厳が奪われるくらい辛い思いをしていた人達が生きる望みを取り戻せるように、イエス様は共に生き、共に祈り、社会にはたらきかけてこられました。私たちがこの不二聖心でイエス様の生き方を学ぶことは、同じように現代社会で辛い思いをしている人とともに生きることだと思います。高校1年生が宗教の授業の中で、そうした生き方ができるよう、教皇様の『回勅 兄弟の皆さん』を読んで考えたことをもとに、四旬節の日にちごとに一文ずつ作り、カレンダーにしました。全校の各学年のクラスルームで分かち合いたいと思いますので、皆さんも是非読んでこの四旬節を過ごしていただきたいと思います。(※3
 最後に、1月のウクライナの祈祷会で歌われた曲を流します。心の耳で聞いてともに祈ってください。
♪『すべての人の平和を』(作詞・作曲 山本きくよ)♪
これで宗教朝礼を終わります。
K.S. (理科・宗教科)
 収録された動画はこちらです。
  第1回 2023年1月25日(水)ミャンマーの現状
  第2回 2023年2月8日(水)ミャンマーから来て、ミャンマーを支援する 
※2 ウクライナを覚えて平和を祈るキリスト者祈祷会(毎月24日 午後8時〜8時45分
    Zoomによるミーティング(申込不要 お祈りしたい方はどうぞお入りください。)
  ミーティング ID: 835 2674 8764 / パスコード : 332126