シスター・先生から(宗教朝礼)

2023.06.28

2023年6月28日の宗教朝礼から

 おはようございます。宗教朝礼をはじめます。

 先日、買い物に行ったときに目に留まったティッシュペーパー。そのパッケージには、ホワイトリボンとともに“女性の健康が世界を変える”と書かれていました。ちょうど授業でレッドリボンについて触れたばかりだったので、ホワイトリボンにはどのような意味が込められているのだろうと手に取りました。このリボンはアウェアネス・リボンといい、さまざまな色で示され、その色が意味する社会問題に対する理解や支援の意思を表すものです。よく知られているレッドリボンはエイズで命を落とした方への追悼の気持ちと、エイズで苦しむ方への理解や支援を、ピンクリボンは乳がん患者に対する理解や支援を表しています。他にも世界中に、多くの色のリボンが存在しています。
 
このティッシュペーパーに書かれていたホワイトリボンの意味を知らなかったので、調べてみました。女性の健康と権利の大切さを表すもので1999年にアメリカで誕生し、世界に広まったリボンでした。この頃、特に重要視されていたのが、「妊産婦の健康の改善」と「乳幼児死亡率の削減」です。妊産婦とは、妊娠中及び産後1年を経過しない女性のこと、乳幼児死亡率は生まれた子供が5歳未満で死亡する確率のことを言います。妊産婦や乳幼児は、抵抗力が低く、取り巻く環境、例えば、栄養や衛生状態、医療、経済などの社会状態を受けやすく、妊産婦死亡率や乳幼児死亡率はその国の健康水準の指標にもなります。これらは、医学が発達している現代、そこまで高い割合にはないと勝手に思っていましたが、WHOの調査によると世界において2分に1人の割合で、女性が妊娠中または出産中に死亡していることを知りました。さらに、ユニセフの記録によると、2018年に530万人が5歳未満で亡くなっており、その約半数が生後1カ月以内に亡くなっているようです。日本では実感しないこの数字ですが、世界でみるとそれは当たり前のことではないのです。新しい命が生まれるということは家族をはじめ周囲の人たちが喜びや笑顔で溢れる時であるのに、産むお母さんの命も、産まれてくる子どもの命も失われているこの現状は本当に胸が苦しくなります。開発途上国の中でも、特に貧しい国である後発開発途上国において、これらの現状が起きており、その原因は多岐にわたります。保健・医療が整っておらず適切な処置を受けられないこと、清潔な水さえも使えないなど衛生環境が整っていないため、さまざまな合併症を起こしてしまうこと、女性の社会的地位が低かったり、児童婚の合法化の地域があったりと、望まない妊娠や若すぎる出産をしていること、そもそも教育が受けられていないため、自分の健康すら守る知識がないなど、さまざまな角度から対策を行わなければなりません。
 
  不二聖心で生活をしていると、このような現状を知る機会が多くあります。「知る」ということは世界のだれかに心を寄せるためには欠かせないことだと思います。新聞やニュースに目を向ける時間をとること、それが他者に寄り添う第一歩だと思います。さらに、それを広め、行動に移していくこと。これは聖心の生徒に求められていることの1つです。すぐに大きな行動に移すことは難しいかもしれません。でも、この学院で生活することによって自分の中に芽生えた「誰かのために」という気持ちをたくさん積み重ねていってほしいと思います。小さなことでもよいのです。ほんの少しの優しさが、誰かの笑顔や幸せに繋がっていくのです。先日のみこころの祝日の日。奉仕活動が終わった後、汗をかいて真っ赤な顔をしながら、「疲れたね」ではなく、「頑張ったね」と話している中学生の姿がありました。発する言葉やその雰囲気からマグダレナソフィアのお姿、そしてイエスのみこころを感じ、とても嬉しくなりました。一人ひとりが体と心を使って誰かのために尽くす時間が全校生徒を一つにした気がしました。聖マグダレナ・ソフィア・バラは、常に世界の現状に向き合い、一人ひとりに寄り添うことに生涯を捧げていました。現代社会を生きる私たちはその想いを今の時代につなげていかなければなりません。世界のあらゆる出来事に向き合い、広い視野と広い心を持つ生き方を目指していきましょう。そして、長い人生のどこかで「誰かのために」という気持ちを形にしていってください。
これで宗教朝礼を終わります。
Y.O.(保健体育科)