校長室から

2020年08月

2020.08.24

夏休み明けのさわやかな朝に

 一か月以上の夏休みを経て、本日から、授業が再開されました。先週までと異なり、今朝は涼しさも感じられるようなさわやかさ、そんな中、笑顔で生徒たちが戻ってきました。

最初の2週間は、ハイブリッド授業から入り、学校・寄宿舎という集団生活における「新しい生活様式」を確認する期間を設けます。全員が一斉に登校する場合も、様々な事情でオンラインを選択せざるをえない生徒のためにオンライン配信を継続いたします。職員による指導と共に、年齢に応じたリーダーシップを育て、各人の自主的な対策行動を推進していくことが、今後、ますます求められていきます。

登校初日にあたり、感染対策に向けての意識を共有すると共に、文科省のホームページに掲載されている吉野彰氏(2019年ノーベル化学賞受賞)から、コロナ禍にある青少年に向けてのメッセージ動画を紹介しました。


まだ今回の出来事を総括する時期ではありませんが、一つ
確実に言えるのはまだまだ人類は無力な面をたくさん残し
ているということです。これは文系、理系を問わず人類が
解決しなければならない課題が山積していることを再認識
させられたということかと思います。これらの課題を実際
に解決していくのはこれからです。そして、その原動力に
なるのは若い皆さん方だと思います。学習、勉強、研究の
遅れなどで不安に思われているかも知れませんが、逆に天
から大きな使命を与えられたと捉えてください。それをモ
チベーションにして頑張っていただきたいと思います。力
強いモチベーションがあれば、どんな困難も乗り越えるこ
とができます。                   
https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00030.html


生徒たちが、未知なる未来に向かって夢を実現していくモチベーションを持ち続け、また社会に対する使命を自覚していくようでありますように。


創立者 聖ソフィア・バラへの祈りとともに

2020.08.17

Saint Madeleine Sophie and the Children of the World.

  聖心会のウェブサイトに、「聖マグダレナ・ソフィアと世界の子どもたち」を表現したステンドグラスに関する記事が掲載されています。中には、着物姿の少女も見えます。北アイルランドの聖心の小学校(Mount St Catherine’s Primary School)からの記事です。同じ敷地内に、St Catherine's Collegeという日本の中学・高校にあたる学校もあります。

英国とアイルランドの間には、北アイルランドの領有権等をめぐる長い対立の歴史があります。北アイルランドは今も英国の一部ですが、聖心会の地域区分においてはアイルランド管区に属しています。

セント・キャサリンズ・カレッジには、英国の聖心の学校との間で、生徒の相互交流に根差した和解に向けてのプログラムがあったと記憶しています。そのような学校にこのステンドグラスが置かれる意味と、「子どもたちを通してこの世界に神の聖心の愛が花開くように」と願われた創立者の思いを味わっています。

2020.08.14

平和を希求して

 聖心会霊園と岩下家墓所との間に、大きな十字架がひっそりと立っています。元々は東京の聖心女子学院にあったものです。1945(昭和20)年の東京大空襲は、東京聖心の校舎にも大きな被害をもたらしました。本館を焼失させた火は、聖堂に燃え移るかと思われたのですが、鉄扉にはばまれ、その壁面にかかっていた十字架の前で止まったと聞いています。

 十字架の木の部分はぼろぼろに焦げていたそうで、その後、修復されたものが、今、ここに立てられています。不二聖心のキャンパス(当時はまだ岩下家の所有で、不二農園・温情舎と呼ばれた時代)は戦禍を免れ、疎開者を受け入れたような場所ですが、戦争や平和を考えることにつながるものがあちらこちらに残されています。

 教皇フランシスコは、原爆投下から75年目を迎えた広島・長崎へのメッセージの中で、昨年の来日でのご経験をもとに、「わたくしは、平和を強く希求し、平和のために自らを捧げようとする、今日の人々、特に若い人々の熱望を、今も心にとどめ続けています」と述べられました。不二聖心で学ぶ生徒たちの中にも、その情熱は培われています。

 

 

2020.08.06

Generosity

 本年度、初めて、グループとしてお客様をお迎えした自然体験ツアーが無事に終了いたしました。直前まで、気候温暖な土地らしからぬ大雨が降り、思いもよらぬ影響が校内外に出ました。直前まで、それぞれの場で、担当であるなしにかかわらず、学院を愛する多くの教職員の手が入り、ようやく開催にこぎつけられました。修道院のシスター方も支えてくださいました。

 そのような準備のさなか、私はうっかりあるものを失くしてしまいました。最後に、アーカイブ室で見つかったのですが、そこに至るまでの間、多大なる時間と労力を先生方におかけしました。コロナ対応もあって、例年以上に忙しくしている夏だけに、大変、申し訳なく思いました。

創立者マグダレナ・ソフィアが大切にされていた態度にGenerosityというものがあります。日本語で「物惜しみしない心」と訳されることが多いですが、キリストのみこころの寛大さに倣うように、との意味が根底にはあると思います。時代は変わっても、学院の中に流れ続ける他者のために時間や労力を物惜しみなく使う精神を感じつつ、ポスト・コロナのただ中にあって、共に前に向かって進む力をいただいたように感じています。

2020.08.03

心に刻まれた思い

 夏休み自然体験ツアーが始まりました。ボランテイアに来てくれている生徒たちの中には、中学1年生もいるのですが、一生懸命、キャンパスの自然や、学院について説明しています。「初熱心」とでもいうのでしょうか、何度も参加している上級生とはまた違った感動が、先生方にはあるようです。
 入学前に自分が受けたもの、心惹かれているものは、誰に教えられなくても自然に身についていくという面があるのかもしれません。

心に深く刻み込まれるさまざまな思いというものは、
特に長い伝統に育まれた子どもたちにとって顕著なもので、
その学校の歴史、伝統の気風、
そしてその学校独自の教育目標と関連しています。
(聖心会 第6第総長Janet E. Stuart)

 夏休みの学院には、個別見学で来校される方々も多いです。それぞれの方が、ご自分の心に響く学校、成長につながる学校と出会われるようにと願っております。