校長室から

2021.09.23

多様性の中で

  ヨーロッパや北米に一年間の留学中の生徒たちから、折々に近況報告が入っています。それぞれに、たくましく、充実した生活を送ろうという意思が伝わってきます。新型コロナウイルスを取り巻く状況も様々です。たとえばフランスに留学中の生徒は、仏政府がワクチン接種を証明する「衛生パス」の提示を義務化したことに抗議する人々の姿やデモの様子も伝えてくれました。フランスの歴史や文化、価値観の多様性や、「自由」について考える契機となったようです。日本でも報道されているものの、同じ学院に通う生徒の声には生の迫力があり、学院にいる生徒たちにも刺激となっていきます。これからも、コロナ禍であっても高校時代に留学を経験したい、という生徒たちの夢を、保護者の方とご一緒に応援してまいります。

 オンラインを使っての交流や研修の機会も、より広がっています。中でも、パリのユネスコ本部とつなげてオンライン研修が実施できたことはとてもうれしいことでした。生徒たちの中に、ユネスコが掲げる平和への理念と、世界の多様性の中でそれを実現していこうという思いが強められたのを感じました。

 コロナ前は「創立者の精神を現代世界の中で具現化するために」という目的で、高校2年生全員がユネスコ本部を訪問し、不二聖心生対象の手作りの研修に参加する機会に恵まれていました。今回、生徒たちのために何が良いかを担任の教員と共に考え、時差を乗り超えてオンライン研修を実現させてくださったユネスコの職員の方々の熱意に心から感謝いたします。