校長室から

2023年12月

2023.12.29

竹あかり

 現在、聖心会マリア修道院の教育職員の田中先生(元本学院教頭)は、裾野市岩波の区長を務めていらっしゃいます。先生が、キャンパスの竹を使って作られた竹あかりのプロジェクトが岩波駅前で開催され、「富士山経済新聞」やyahooニュースで紹介されました。竹特有の温かさをもつ竹あかりが、地域の方々や裾野市を訪れる方々を楽しませてくれました。

 岩波駅(裾野駅の隣)は、トヨタが裾野市に建設を進める近未来都市Woven Cityの玄関口です。Woven Cityが計画された時から、日本橋の開発拠点訪問、学院での出前授業、学院祭へのブース参加等の交流が続いています。2024年にはフェーズ1が完成し2025年からは稼働する予定と伺っています。今後、モビリティ、カーボンニュートラル等、多様な観点から裾野市の子供たちの学びにつながっていく可能性を秘めており楽しみです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ca8dab5cf7cfbd7ac45174913562b0cc904973c6

 

2023.12.22

Merry Christmas!

 聖心の学校では、お祝い日に白いリボンをした生徒たちの姿がよく見られます。「白」は、カトリック教会の典礼では、神の栄光、清らかさ、喜びを意味することが背景にあります。クリスマス・キャロル、チャリテイセールでも、多くの生徒達が身に着けていました。今年は、ご家族だけのご招待となりましたが、落ち着いた雰囲気の中で保護者の方々と生徒たちが交流する微笑ましい光景がみられました。久々に講堂で6学年が一つになってお祝いできたキャロルのテーマは「Lumière」(フランス語で「光」の意)。セールでは生徒たちが自主活動でかかわっているフェアトレードの製品等も出品されました。ホーリーショップはいつもたいへんな人気です。今年は、ドンボスコ社にいらしていただき、イタリアの聖品も多く販売されました。たくさんの笑顔がみられたお祝い日、来年は、卒業生やお客様方もお迎え出来たらと思います。こうして、本年度最終日を迎え、生徒たちをご家族のもとへお返しいたしました。

 生徒の皆さん、いつも、あなた方のために、修道院や先生方が祈り続けていることを忘れないでください。ご家族の方々とともに、恵みに満ちたクリスマスをお迎えになりますように。


いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。

ルカによる福音書 2:14

 

2023.12.15

受けるよりも、与えることを

 クリスマスを前に、AMAZONと連携しサポートしていただきながら、子供の貧困やインクルーシブな社会実現を念頭にPeak Givingキャンペーンが行われました。本学院で中心になって動いたのは、子ども食堂での活動を続けてきた生徒たちです。ポスターにあるような様々な団体が協力して、このプロジェクトは実現しました。学院でのお菓子贈呈式当日、子供食堂のスタッフの方々が「クリスマスはつらい。クリスマスケーキやプレゼントを買ってあげられないから」という声を聴くと仰っていたこと、お菓子と共に差し上げる生徒たちの手作りカードに涙を流して喜んでくださった姿が心に残っています。

 クリスマスの贈り物というと、聖書の「3人の博士の来訪」の場面や(『聖書』マタイによる福音書2:11)、サンタクロースのモデルとなった「セント・ニココラス」が思い浮かびます。(https://www.pauline.or.jp/chripedia/mame_SantaClaus.php)いずれも「私がもらう」のではく、「私から差し上げる」というクリスマス・プレゼント本来の意味に立ち返らせてくれます。

 「受けるよりも、与える方が幸い」(『聖書』使徒言行録20:35)――、この逆説ともいえる真理をより深く理解することができますようにと願わずにはいられません。

 

2023.12.08

学びたいという望みを耕す

 11月に神成淳司先生(慶応義塾大学教授 環境情報学部教授)による「AI等の活用による持続可能な社会づくりを目指して」の授業がありました。これまでの発想が覆されるようなAI活用の可能性に、生徒たちは刺激を受け授業後も質問が続きました。
 今日は19名の生徒たちが、「未知なるウイルスに立ち向かえ!パンデミック研究ワーキングⅡ」の初会合出席のため三菱総合研究所に出かけています。引率しているのは国語科の教員です。理工農に対する関心が高まり、具体的なアクションをとる生徒たちが増えています。教員の中でも、自分の専門はもちろんですが専門以外の領域にも関心をもち、生徒と共に多面的に学ぶ姿が強められていくのはういれしいことです。来週は東京理科大学の先生をお迎えし、数学科の教員たちが共同研究を進めます。私も生徒、教職員と共に、新たな知の世界を楽しんでいます。森の学校の静けさが、学びの振り返りや統合を助けてくれるのを感じながら。
https://www.covid19-ai.jp/wp-content/uploads/2023/11/ab63f806be1b8ca96d69dc850b9b6c06.pdf

2023.12.01

学院の立地が育むもの

 今、高校3年生一人ひとりと面接を行っています。「18歳のプロファイル」の最終段階にある生徒たちの中に育つ志向性、それは社の現実を自分とつながって理解し自分にできることは何かと考える姿に表れています。
https://www.fujiseishin-jh.ed.jp/careerguidance/ourgoal/

 そして、家族への感謝の思い。森に囲まれた富士の裾野の静謐な高台にあり、校門から校舎まで約1キロという特異ともいえる立地は、家族とのかかわりを見つめ直すことを無言で促してくれているようです。家族とのかかわりは、人格形成や社会性の土台となるもの。卒業後の道に向かう最上級生を支える大きな力です。