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フィールド日記

2016.02.15

中学3年生が発見したハネカクシについての続報

 中学3年生が理科の授業の時に発見したハネカクシは、クロズシリホソハネカクシもしくはその近縁種であることがわかりました。

この同定をしてくださった、「ふじのくに地球環境史ミュージアム」の岸本年郎先生から、メールをいただきました。

貴重な情報を含むメールの文章を、先生の了解のもと、引用させていただきます。
今回のハネカクシはシリホソハネカクシ属Tachyporusのもので、図鑑やネットにはクロズシリホソハネカクシが載っていますが、実際には近似した種が多く、現在日本から14種が知られており、まだ未記載や未記録の種も多いと考えています。また、同定には顕微鏡により交尾器を詳細に観察する必要があるので、「クロズシリホソハネカクシもしくはその近縁種」としました。このグループはハネカクシの中でも専門に研究している人が日本人にはおらず(ドイツに一人いますが)、私も不勉強なので、属までの回答にしております。私はハネカクシの分類が専門ですが、他にも甲虫や土壌動物全般に興味を持って調べています。学校で土壌動物を観察するのは、普段意識しない生物多様性に触れる良い機会と思います。生徒さんの中で興味を持ってくださる方が出てくるとうれしく思います。
以上が先生の文章です。
今回、生徒が見つけた個体は、「ふじのくに地球環境史ミュージアム」に保管されることになりました。
「ふじのくに地球環境史ミュージアム」は3月26日にオープンの予定です。「静岡県に県立の自然史博物館を」という多くの人々の長年の願いがついに実現することになります。そのような自然史博物館に不二聖心で採集された生物が標本として保管されるというのは、たいへんうれしいことです。

今日のことば
人が生命の織物を織るのではない。人は、その織物のひとすじの糸に過ぎない。生命の織物に対して人がすることは、それがなんであれ、自分自身にすることなのである。
テッド・ペリー