フィールド日記

シダ植物

2020.02.21

ハシゴシダ

聖心坂の途中の林内でハシゴシダを見つけました。羽片が中軸に対して直角に出る様子をはしごに見立てて梯子羊歯(ハシゴシダ)と呼ばれています。たしかに葉の基部から中ほどのまでの羽片は直角についていますが、上部の羽片はやや上向きの角度でついています。

胞子のう群は裂片の縁に近いところにつき、円腎形で毛の生えた包膜に覆われています。また、葉の裏面には黄色い腺点も見られます。

2020.02.18

ホラシノブ

聖心坂の途中の崖地にホラシノブが見られます。和名のホラシノブ(洞忍)は洞窟の近くで見られることが由来のようですが、一般に日当たりのよい崖地や石垣で普通に見られます。冬には写真のように紅葉することもあります。


胞子のう群は裂片の縁につき、半円形の包膜に包まれています。

2020.02.11

トウゲシバ

校内のヒノキ林の林床にトウゲシバが見られます。直立した茎に葉がらせん状に密生している姿は、一見するとシダ植物には見えません。また、主軸と側枝の区別がなく二又に分岐しながら成長しているのも特徴の1つです。


葉の付け根には腎形の胞子のうをつけています。熟すと二つに裂けて、胞子を飛ばします。また、胞子のほかに茎の先端付近に無性芽をつけ、仲間をふやすことも知られています。

2020.02.07

コバノイシカグマ

 十字架の道行のショートコースがある林内でコバノイシカグマを見つけました。全体に多細胞の毛が多い、中型のシダ植物です。葉は3回羽状複葉で、表面から見ると裂片の縁にブツブツとしたものが目立ちます。

葉の表面に見えるブツブツした部分の裏側に胞子のう群がついています。胞子のう群はカップ状の包膜に包まれています。

2020.02.04

マツサカシダ

十字架の道行のショートコース沿いにマツサカシダが見られます。近縁のイノモトソウやオオバイノモトソウに似ていますが、葉軸に翼がないことや羽片の数や形で見分けることができます。また、羽片は軸に沿って白い斑が入るという特徴もあります。以前はマツザカシダと呼ばれていましたが、由来となった三重県松阪の正しい読みはマツサカのため、新しい図鑑では本種の和名もマツサカシダとなっています。

胞子のう群はイノモトソウと同様に、葉の辺縁につき、偽包膜(葉の縁が内側に折れて膜状になったもの)に被われています。

2020.01.28

アマクサシダ

十字架の道行のショートコースがある竹林でアマクサシダが見られます。和名の由来は熊本県の天草ですが、天草に限らず関東地方以西の太平洋側に広く分布しています。


羽片下側は幅が広くほぼ全裂するのに対し、羽片上側は幅が狭く全く切れ込まないこともあるのが特徴です。鳥の翼のようなユニークな形をしています。


胞子のう群は、近縁種のイノモトソウと同様に葉の縁につき、それを包むように葉が折りたたまれて膜状になっています。

2020.01.21

タチシノブ

校舎裏の斜面にタチシノブが生えています。葉は4回羽状に分かれ、裂片も細いため、とても繊細な印象です。この葉のようすがシノブに似ていて、着生のシノブに対して地上性であることからタチシノブと呼ばれているようです。

裂片の縁は内側に折れて、胞子のう群を包む膜になっています。

2020.01.17

オオカナワラビ

ヒノキ林の林床にオオカナワラビが生えています。近縁種と雑種をつくりやすく分類の難しいグループとされています。和名のカナワラビは「鉄蕨」の意味で、硬く光沢のある葉が由来とされていますが、本種は近縁の種に比べ柔らかい葉をもっています。

下の写真のように胞子のう群が小羽片の辺縁に近いところにつくことが近縁種と見分けるときのポイントになります。

2020.01.14

イワガネソウ

ヒノキ林の林床でイワガネソウが生えています。湿った樹林下などに生育する常緑性のシダです。葉は大型で光沢がある単羽状複葉です。和名は岩が根草で岩や崖の裾に生える様子が由来だそうです。

胞子のう群は包膜がなく、葉脈に沿って付きます。よく似た近縁な種にイワガネゼンマイがありますが、葉脈が網目をつくるか、網目をつくらず平行かによって見分けることができます。

2020.01.10

リョウメンシダ

校内のヒノキ林の林床にリョウメンシダが生えています。名前の通り葉の裏と表の葉質が似ています。むしろ、葉軸が良く見える表面の方が裏面のようにも見えます。


葉の裏面の下部には胞子のう群がついていました。胞子のう群には大きな円腎形の包膜があります。

2019.12.31

イノモトソウ

校舎の陰でイノモトソウを見つけました。人家の近くの地上や石垣などに広く見られる種です。和名は井之許草で井戸の近くに生えることが由来です。近縁種にオオバイノモトソウがありますが、葉の中軸に翼があることで区別することができます。


胞子のう群は葉の縁につき、これを包み込むように葉が巻き込んでいます。

2019.12.24

フモトシダ

職員室裏の植え込みにフモトシダが生えていました。山の麓に生えることが多いことからフモトシダと呼ばれているそうです。葉は単羽状複葉で、葉柄に毛が多いことが特徴です。

胞子のう群は葉脈の先端にあり、カップ状の包膜に覆われています。

2019.12.17

トラノオシダ

裏道の石積みでトラノオシダが見られます。山地から市街地まで広く一般に見られる種ですが、人里近くで見ることが多いようです。和名は細長い葉を虎の尾に見立てて名付けられました。


胞子のう群は長楕円形で、細長い包膜につつまれています。

2019.12.13

ノキシノブ

裏道の石積みに着生するノキシノブが胞子のう群をつけていました。ワラビやゼンマイなどのシダらしい形のシダではありませんが、身近な場所で最も普通に見られるシダ植物の1つです。


葉の裏面には丸くて大型の胞子のう群がびっしりついています。胞子のう群の様子はシダ植物を見分けるときの大きなポイントの1つです。

2019.02.01

マツバラン

 校内のケヤキの幹の腐植(ふしょく、植物が微生物により分解されてできたもの)がたまった部分にマツバランが着生しています。シダ植物の仲間ですが、その形態はとても変わっています。葉はなく、緑色の茎が二又に枝分かれをくり返し、ほうき状になっています。また、根もなく地下茎(ちかけい、地中にある茎)によって着生しています。

 マツバランは江戸時代から園芸植物として親しまれてきましたが、一方で、全国で絶滅が心配されている植物でもあります。静岡県では絶滅危惧Ⅱ類に指定されており、環境省でも準絶滅危惧種に指定されています。

2019.01.18

マメヅタ

 聖心坂の壁面にマメヅタが見られます。このあたりでは普通に見られるシダ植物のなかまです。ワラビやゼンマイなどのシダ植物とは姿がずいぶん異なるので、一見してシダ植物とわからないかもしれません。葉は厚みがある丸い葉(栄養葉)と胞子をつけるへら状の葉(胞子葉)の2つがあります。写真では立ち上がった胞子葉に茶色い胞子のう(胞子が入っているふくろ)がついているようすがわかります。