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フィールド日記

2016年08月

2016.08.04

ウスバキトンボ

 快晴の一日となりました。夏の牧草地の風景も本当に美しいです。


牧草地ではウスバキトンボが羽を休めていました。ウスバキトンボは、春に南の国で発生して世代交代を取り返しながらひたすら北を目指します。しかし結局は北の地方の寒さに耐えられず死んでいきます。ウスバキトンボがなぜ北を目指すのか、その理由はよくわかっていません。まもなく甲子園が始まりますが、甲子園の映像にトンボが映ったら、まず間違いなくウスバキトンボです。



今日のことば

君の行く道は 果てしなく遠い
だのになぜ 歯をくいしばり
君は行くのか そんなにしてまで

藤田敏雄

2016.08.03

ナンバンギセル

 今年もナンバンギセルが咲きました。8月になると毎年、同じように花を咲かせるナンバンギセルですが、これは当たり前のことではなく、すすき野原を活用した茶草場農法が行われていることでナンバンギセルは守られています。ナンバンギセルは全国各地で希少種に指定されており、長野県はナンバンギセルを絶滅種に指定しました。長野県の13590平方メートルにおよぶ広大な面積の中に1本も生えていないナンバンギセルが不二聖心では数多く見られることの意味を大切に考えたいものです。


今日のことば

一日一日が祭礼だ
雲も風もたまらなくいい
この世は素晴らしいものを満載した
豪華船なのだ

辻邦生


2016.08.02

ニイニイゼミ

 今日の「共生の森」はニイニイゼミの鳴き声に満ちていました。芭蕉が立石寺で「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」の句を詠んだ時、鳴いていたのはニイニイゼミだったと言われています。ニイニイゼミの響き渡る声はまさに「しみ入る」がごとくであり、不二聖心では居ながらにして芭蕉の句の世界を体験することができます。


今日のことば

In this world of darkness
We must shine,
You in your small corner,
And I in mine.

2016.08.01

ナナフシ

 「共生の森」で撮った次の写真の中に蝉の抜け殻以外の昆虫を見つけることができるでしょうか。

中央に写っている枝のようなものがナナフシです。



見事な擬態です。敵に対する抵抗力のないナナフシは身を隠すことで自分を守っています。ナナフシは、単為生殖といってメスだけで卵を産み子孫を増やすことができます。自然界の弱者のしたたかな生存戦略です。

今日のことば

私は植物の愛人とした生まれ来た
あるいは草木(そうもく)の精かもしれん
牧野富太郎