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フィールド日記

2017.08.20

ナンバンギセル

今年もすすき野原に、ススキの寄生植物であるナンバンギセルが花を咲かせました。例年より若干時期が遅かったようです。万葉集では、ナンバンギセルは「思ひ草」という名で登場します。万葉人は下向きに咲くナンバンギセルの花の姿に、もの思いにふける人間の姿を重ねました。万葉の昔からすすき野原はあり、そこでナンバンギセルも見られたのです。

 
今日のことば

古里の山辺を、墓碑銘などをたずねてさすらう時、無縁の墓地に無心に咲く野菊の愛しさ美しさ。何時の時代にか人の世に生を受け、草葉の陰に消えた先人達、今は忘れられたこれらの人達の、終生の思念を想いつつ静かに手を合わすと声なき声が聞こえてくるようです。生きて、生かされてあるかぎり、より深く、より広く、真実の人の道を求めて歩みたいと思います。みなさまがたとともに。
足立誠太郎