校長室から

2016年06月

2016.06.28

地区会を終えて(2016年6月28日)

16都府県から子どもたちが集う本学院は、エリアによって10の地区会に分かれています。5月、6月は、教職員と私が各地区に伺い、保護者の方々と学院の年度目標等について意見交換をいたします。保護者の方同士もまた、ご家庭での教育について分かち合い、支え合う機会ともなっているようです。

一昨日の東京地区会、昨日の沼津地区会をもちまして、本年度の地区会が全て終了いたしました。学院でお目にかかるのとは違った形で、保護者の皆様と貴重な出会いがもてたことを心から感謝しております。お子様への愛の深さ、教育への熱意、そして学院に対する大きな信頼にふれ、参加した先生方も私も、たいへん心動かされました。

「教育は、お互いが受け合い、与え合って、共に成長するような真摯な人間関係のうちに営まれるものです」(聖心会 会憲14)――、この思いを共有しながら、私たち大人同士の間でも本年度の学校目標「知性を磨く~Climb Every Mountain~」を深めていけたらと願っております。

2016.06.15

硬筆のお稽古(2016年6月15日)

「たとえご希望が一人でも、参りますよ。」

希望する声はあるものの、デジタル社会に慣れ親しんだ生徒たちの中に何人くらい受講者がいるものだろうか、という懸念をお話した時、先生がおっしゃったお言葉です。余りに少ないと先生にご迷惑ではないだろうか?等、あれこれ懸念していた私たちは、創立者の「たった一人の生徒のためにも・・・」を思わせる先生のお言葉に安心して開講を決めました。講師の先生は、学院で書道の授業を担当してくださっている先生のご紹介で、これまで中高生にも教えらえたご経験がおありの女性の方です。

実際に開講したところ、30人以上の受講者が集まりました。教員の希望者も一緒に受講しました。集中して、一心に、丁寧に文字を書く姿----、とても静かで心地よい空間です。「なんだか字が上手になったような気がします」という中学生の言葉が微笑ましくもあります。元々、内にもっている力が耕されていくような経験なのでしょう。

2016.06.01

愛に至る知性 (2016年6月1日)

聖心(みこころ)の月に入り、今日は、恒例のお墓詣りのため、みこころ会(東京の聖心の同窓会)の方々が来られました。キャンパスには、教育に生涯を捧げられた多くの外国からのミッショナリーのシスター方等が眠る霊園があるからです。

先日、このようなお話を伺いました。
「席を譲っていただけませんか?」電車の中で、本学院の生徒に言われ、「自分よりはるかに若いのに・・・」と驚かれた方がいらっしゃったそうです。実は、この生徒は自分のためではなく、近くにいらっしゃった方が具合が悪そうなのに気づいて声をかけたのだということでした。

常に耳にしているであろう「魂を育てる」「知性を磨く」「実行力を養う」という学院の教育方針が、この一人の生徒の中で見事に調和されているのを感じ、清々しい気持ちになりました。

間もなく始まる中間試験の勉強に余念がない中にあっても、子供たちは「知性を磨く」ということが、単に試験でよい結果を出す、ということではないことをよく知っています。創立者や多くのミッショナリーの方々が願われた「愛に至る知性」という高みを胸に、今日ものびやかに過ごす子どもたちの歓声がキャンパスに響いています。