校長室から

2020年05月

2020.05.22

マリア様の月に

5月は、聖母マリアに捧げられた月です。毎年、高校生はマリアン・スクエアで、中学生はマリア・ガーデンで、マリア様に祈りを捧げ、生花で作った冠を用意して、戴冠式を行います。冠を捧げる役目は、新入生に託されます。

本年度は、オンライン(動画)での開催となり、先生方によって冠が捧げられました。朝礼後も、花の冠を戴いたマリア様が見たいと言った高校3年生のために、パソコンを運んで見せてあげました、喜んでくれました、とある先生が話してくださいました。当然のことであった日常がそうではなくなったことを改めて感じました。そして、今年が学院での最後の年にあたる最上級生の方々を、ご一緒にフランスを旅した日と共に思い出し、祈りました。学院に戻ったら、聖母のような優しさで、下級生を導いてくださることでしょう。

もちろん、他の学年の皆さんのためにも、修道院に特別な祈りをお願いいたしました。写真は、生徒たちがたくましく健やかに成長していくよう願い、シスター方が植えてくださったお花です。

 

2020.05.07

アンジェラスの鐘

アンジェラスとは、「天使」の意味です。この鐘は、天使ガブリエルからマリアへの受胎告知とかかわっており、お告げの祈りと共に唱えられてきました。司祭や修道者が、一日を「聖化」するために行われていたものが、次第に人々の間に広まっていったといわれます。時計のない時代、鐘の音は時を告げるものでもあったようです。

2月28日そ最後に生徒たちの姿が学校に見られなくなって以来、最上級生によって鳴らされていた学院の鐘は沈黙したままでした。なんとか生徒たちに鐘の音を届けたいと、4月28日から、先生方によって鳴らされるようになりました。

本日は、延期されていた中学校・高校の入学式がオンラインで実施されます。新入生の方々が、一日も早く、この鐘の音に実際に耳を澄ませ、全校生がそろって朝の祈りを唱えられる日が来ますように。そして、不二聖心女子学院でのご生活の中で、ご自分の人生を「聖なるもの」としてとらえていかれますようにと願っております。

 

2020.05.01

大地の恵み

Stay Homeが叫ばれる中、どなたの生活にも様々な変化が起こっているのではないでしょうか。かくいう私は、贅沢にもこの21万坪の美しいキャンパスに籠っています。そんな中、今、凝っているのが「竹の子ご飯」。休日には必ず作っています。いつもお世話をかけている修道院のシスター方へのささやかな感謝の表現でもあります。掘るところから始めて、茹でてあく抜きをして、その日のうちに炊きます。とれたてのしゃきしゃき感が好評ですが、お料理の腕とは全く関係なく、まさに素材のもつ力のなせる業。

あるシスターは新芽のお茶の葉の天ぷらに凝っていらして、他の方は蕨をとっておひたし、また元十字架のイエズス修道院のお庭にある夏蜜柑をとり、オレンジピール、ジャム、ゼリーを作ったりと、キャンパスの自然の恵みを堪能しています。新たにチャレンジする人も増え、学院ホームペ-ジ(「修道院のある学校」)に少しづつ掲載していくことになりました。

これは一例ですが、コロナウイルスについて考えたり、行動が制限されたり、またオンライン授業の様子を見聞きすることを通して、家庭科や保健体育、そして音楽、美術、書道などの教科がもつ力を再認識させられています。生徒たちは、どう感じているでしょうか?

明日からは連休となり、オンラインで運営されている学院も休日となります。生徒たちが、限られた空間の中にあっても、心豊かに過ごしてくれるよう願っています。