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フィールド日記

2015.02.10

築山の紅梅

 築山の紅梅が今年もたくさんの花を咲かせています。木の周りは紅梅の香りに包まれていました。

今日のことば

梅一輪一輪ほどの暖かさ       服部嵐雪

2015.02.06

月齢15.9の月と木星と校舎

 今日は陰暦の12月17日、月の出が18時30分でした。下の画像は20時21分に茶畑から写したものですが、月はまだかなり低い位置にあります。その月に負けない輝きを放っている画像の上部の星は木星です。

今日のことば

月天心貧しき町を通りけり   与謝蕪村

2015.02.02

14番目の月

 今日は陰暦では12月14日です。月の出は15時47分でした。画像の月は17時33分に撮影した月です。マリア修道院での信者静修を終えて職員室へと戻る道すがら坂道を下りながら美しい月を眺めることができました。


今日のことば

つぎの夜から欠ける満月より
14番目の月がいちばん好き
松任谷由美

2015.01.23

スバルと漁具

 牧草地でオリオン座とヒヤデス星団とスバルの写真を撮りました。スバルまでをカメラが簡単にとらえるということは、それだけ不二聖心のフィールドが空気が澄んでいて、よけいな光がないということです。

次の画像の赤丸がスバルです。


新村出は「スバル星の記」という文章の中で、スバルの星団に形が似ているところから「すばる」と名付けられた漁具の話を書いています。昔の人はよく星を見ていたのだと驚かされます。


今日のことば

いきどおりながらも
うつくしいわたしであろうよ
哭きながら 哭きながら
うつくしいわたしであろうよ

八木重吉

2015.01.19

コゲラの鳴き声

 「共生の森」を歩いていると「ギー、ギー」という鳴き声が聞こえてきました。この声はキツツキの仲間のコゲラだと思ってあたりを見回すと、少し離れたところに生えているウツギの木を叩くコゲラの姿が見つかりました。なぜかウツギの枝だけを執拗に叩き続けていました。
鳥の姿は目視だけではなかなか見つけられないものです。鳴き声を覚えておくと出会いのチャンスが確実に増えます。

今日のことば

かなしみの数だけともる仮設の灯ちさくこぼれて雪の降りつむ   美原凍子

2015.01.10

シリウス アダーラ  おおいぬ座  オリオン座

 帰りがけに校舎の裏から夜空を見上げたら、プロキオン、ベテルギウス、シリウスなどの星々が美しい光を放っていました。おおいぬ座のアダーラまで今日は見ることができました。夜空の美しさも不二聖心のフィールドの大きな魅力です。

今日のことば  

初霜に行くや北斗の星の前   百歳

2015.01.07

牧草地から見た木星

雲がかかった空に、その雲を突き通すように木星が光をはなっていました。
木星の光の点がわかるでしょうか。

次の画像の黄色い丸の中央に見えるのが木星です。

月と木星の光の下には体育館の屋根と箱根の山並みが見えます。真冬の夜の不二聖心の風景です。

今日のことば

煎じつめればこの世のことは何もかも美しいのであり、美しくないのは生きることの気高い目的や自分の人間的な価値を忘れたときの私たちの考えや行為だけである。
チェーホフ

2014.12.28

冬の野鳥観察

 今日は、不二聖心の冬の野鳥の観察をしました。

裏の駐車場からスタートしました。「共生の森」に向かう坂道の途中でシロハラを1羽とコジュケイを7羽見ました。ハシブトガラスの鳴き声も聞こえました。
「共生の森」の近くでメジロがサザンカの花の蜜を吸っているのを確認して、すすき野原に向かいました。すすき野原ではクヌギの枝にコゲラ(キツツキの一種)がいました。


画像に映っているコゲラの周りにある丸い実のようなものはクヌギエダイガフシという虫えいです。中にはクヌギエダイガタマバチの幼虫が生息しています。コゲラが虫えい内の幼虫を食べていることを初めて知りました。虫えいが生態系で果たしている役割をまた一つ知ることができました。
 
すすき野原ではアオゲラ(キツツキの一種)やキジバト、シジュウカラ、カケスの姿も確認できました。カケスの濁った「ガーガー」という声はたいへん特徴的です。
すすき野原から牧草地に出ました。
そこではメジロがハゼの実をついばんでいました。メジロがハゼの実を食べることを初めて知りました。

 
イカルの声を聞きながら、第1牧草地を進んでいくと端のところにモズのメスがいました。周辺で「モズのはやにえ」を確認できるかもしれません。
 
 第2牧草地ではホオジロ2羽とカワラヒワ2羽を見かけました。第2牧草地が終わると東名カントリーまで林道が続きます。林道のほぼ中間地点を過ぎたあたりのシロダモの木の近くでウグイスの地鳴きを確認しました。林道の終点近くにはカケスが2羽いました。帰りの牧草地でもカケスがよく鳴いていました。
牧草地を抜けて茶畑に出たあたりでキジバトを5羽確認しました。
校舎周辺で最初に見たのはハクセキレイです。校舎周辺ではよく見かける鳥です。以前にハクセキレイの幼鳥が生徒の手から餌を食べるようになったことがあました。
図書館横では、シロハラとカワラヒワがケースにたまった水を飲みに来ていました。この水の中では絶滅危惧種のヤマアカガエルが産卵します。
お墓の横の道を下りて行く途中にジョウビタキのメスがいました。ジョウビタキは縄張り意識の強い鳥です。
さらに道を下りていくと、キツツキの巣を見つけました。アオゲラかアカゲラの巣だと思われます。同じキツツキの仲間でもコゲラには生木に穴を開けるだけの力がありません。
 
ヒヨドリの声を聞きながらポンプ小屋のある道をさらに下りていくと、アオジ、ヤマガラ、シジュウカラがいました。
「温情の灯」の石碑の近くでコゲラの巣を見つけました。アオゲラたちの巣とは木の太さがまったく違い、こちらは枯木です。

 
イロハモミジの木にウソが3羽来ていました。口笛のような鳴き声も耳にすることができました。「うそ」は古語で「口笛」を意味にします。『今昔物語集』巻第二十九第三「人に知られざりし女盗人の語」には「亦うそを吹かば(口笛を吹いたら)、亦吹かむ者あらむずらむ。そこに歩び寄らせ。此は誰ぞと問はむずらむ。然らばただ侍りと答へよ。」という用例があります。
 
裏の駐車場までの坂道では、キセキレイとソウシチョウとメジロとコジュケイを確認しました。

今日の調査では合計22種の鳥を観察することができました。
今日のことば
僕はファーブルやポワンカレを素人考えでたいそう好いているのだが、それは彼らの仕事の中身がつまっているからだ。僕は今も言ったように素人考えで好いているので、科学のことは何も知らない。僕の眼に映ったようなものは彼らの科学者としての仕事のほんの些細な一部に過ぎないのだろう。だがそれならば、全体の仕事のほんの一部が、しかも科学のことをまるで知らない一人の素人をそれほど感動させるとすれば、それは彼らの仕事の中身が全くひどくつまっているからだということになりはしなかろうか。
「素樸ということ」(中野重治)より

2014.12.24

世界農業遺産とすすき野原と茶草場農法

  すすき野原のススキがきれいに刈り取られていました。ススキの葉は茶畑の肥料になります。すすき野原は、草刈りがなされることで地表に日があたり、貴重な植物の生育を可能にします。
このように茶畑に肥料を提供する周辺の草原を茶草場と呼びます。掛川の茶畑が世界農業遺産に指定されたのは、そこで茶草場を利用した茶草場農法が行われているからでした。不二農園でも、それと同じ茶草場農法がとりいれられています。



今日のことば

星座ーーオリオン座、馭者座、プレイアデス星団の美しさより、メタン瓦斯の匂う掘割に映るネオンのノクターンを賛美する時代である。それにしても、人々がもっと自然に関心を持ち、愛したら現代も悪がこうまで跳梁しないであろう。                    田中冬二

2014.12.19

牧草地とオリオン座と冬の大三角形

 今日で学校が終わりました。生徒が全員帰宅して急に校内が静かで寂しく感じられるようになりました。
牧草地の静けさも格別でした。箱根山の上の空のオリオン座が牧草地からよく見えました。

シリウスが山の稜線から上がってきて、冬の大三角形も見ることができました。


今日のことば

声澄みて北斗にひびく砧(きぬた)かな   芭蕉