校長室から

2022年08月

2022.08.24

大浦天主堂

 日本へ聖心会創立のため、1907(明治40)年12月3日(聖フランシスコ・ザビエルの祝日)にオーストラリアを出航したマザーアメリー・サルモン一行は、同年12月27日に長崎へ立ち寄り、長崎の司教様を補佐する役目をされていた弟のマリー・アメデー・サルモン神父様(マザーサルモン令弟:長崎で帰天)と会い、大浦天主堂でミサに与りました。その後、1908年元旦に横浜港へ上陸し、日本の聖心創立へとつながっていきます。
 学院のタワーベルの名前「マリア・アメリア」は、マザーサルモンにあやかって命名されました。現在、長崎の研修旅行に向けての準備が進められています。大浦天主堂を訪れる際には、日本のキリスト教の歴史等とともに、学院の歴史とのつながりにも思いを馳せて祈りたいと思います。

 

写真『パリ外国宣教会 宣教師たちの軌跡』脇田安大(著)カトリック長崎大司教区(監修)より

2022.08.16

どくだみ茶

 私が住む修道院では、キャンパスの野草や果実等が食卓にのぼります。今、よく出されるのはどくだみ茶。猛暑の中、なんとなく食欲がないような時にも、すっきりした気分にさせられます。梅雨のあたりに、たくさん採って、きれいに洗い、陽に干して乾燥させ、煎じたものを煮出す、という手のかかる作業をしてくださった方がいるお蔭です。「毒嬌み」、乾燥したものは「十薬」といわれるように毒を抑える効果があるということで、生薬としても様々な効能があるようです。SOFISで来校された姉妹校の先生方、夏休み中に出勤されている先生方にもお出ししたりすることもあり、なかなかの人気です。


道のべにどくだみの花かすかにて咲きあることをわれは忘れず

斎藤茂吉

2022.08.08

SOFISワークショップ

  先週、2泊3日で、SDGs11「住み続けられるまち作りを」をテーマに、国内姉妹校5校の高校生が集ってワークショップが開催されました。SOFISとは、姉妹校生が絆を深めつつ、実践につながる社会意識を育むことを目的に継続されている活動です。対面での開催は3年ぶりのことで、本年度の当番校は本学院でした。初めに自己紹介や各校紹介等が行われましたが、違いよりも共通点を実感することが多かったのではないでしょうか。制服から私服に着替えると見分けがつかなくなり、生徒たちも以前から知っている友のように過ごしていました。
 事前学習の発表、三島市の多大なるご協力のもとで行われたフィールドワーク、上智大学の吉川まみ先生(上智大学・基盤教育センター  准教授)によるご指導等を経て、各校毎のアクションプランの方向性が定められていきました。「世界の一員としての連帯感と使命感を持って、より良い社会を築くことに貢献する」という意識が、どの生徒たちの中にも根付いているのを強く感じました。これからもつながり合いながら、それぞれの学校での実践を行っていくことを確認し合い、バスが見えなくなるまで別れを惜しむ姿が印象的でした。
https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/17goals/11-cities/

2022.08.01

地球の美しさを思いめぐらせる人は

 今年も、7月31日、8月2日の2回、「夏休み子供自然観察ツアー」を企画いたしました。インターネット等でご案内すると瞬く間に定員がいっぱいになってしまい残念ながらお迎え出来なかった方々もいらっしゃいました。本学院の生徒たちも、当日の説明のためのボランティアにたくさん申し込んでくれました。
 地球がかかえる様々な課題を前に、21万坪のキャンパスをいただく学院としての使命を思う日々です。より多くの方々とキャンパスの自然を分かち合っていきたいと願っております。



地球の美しさについて、深く思いをめぐらせる人は、生命の終わりの瞬間まで
生き生きとした精神力をたもちつづけることができるでしょう。 地球の美しさと
神秘を感じとれる人は、科学者であろうとなかろうと、人生にあきて疲れたり、
孤独にさいなまれることはけっしてないでしょう。

         レイチェル・カーソン