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フィールド日記

2011.05.22

「国際生物多様性の日」とモリアオガエルとアシナガバチの営巣③

平成23年5月22日 日曜日

今日は、「国際生物多様性の日」です。生物多様性の概念の中で最も重要な要素は、生物の種の多様性であり、絶滅危惧種に指定されているような希少種に対して、私たちは関心を高く持ち続けていかなくてはなりません。
中学のクロークルームの窓にモリアオガエルが2匹いるのを見つけました。1匹は窓に張り付き、
もう1匹は窓枠で身を休めていました。モリアオガエルは不二 聖心に生息する絶滅危惧種の一つです。
窓に映るカメラと比較すると、モリアオガエルが日本に生息する蛙の中では大型の種に属することがわかります。
今年は まだ築山の池での産卵が見られませんが、こうして直に姿を見られるようになると産卵への期待も
高まってきます。

5月15日から見守り続けてきたアシナガバチの巣から親の姿が消えていました。成功率3割の営巣に失敗して
しまったのでしょうか。気がかりです。


その一方で、すぐ近くに別の女王蜂を見つけました。やはりオナモミの茎に巣を作っていました。
オナモミの茎はアシナガバチの営巣場所としてあまりに無防備だと感じるのですが、
もしかしたらオナモミの実に巣を擬態させているのかもしれません。

不二聖心には5種類のアシナガバチが生息しています。(5種が好む環境はすべて異なり、そのすべてが
生息しているということは、それだけ不二聖心の中に多様な環境があるということです。)アシナガバチの
生存のためには、餌となるたくさんの生き物と 営巣のための理想的な環境が不可欠です。アシナガバチは、
不二聖心の生物多様性のシンボルともとらえられるのです。