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フィールド日記

2011年12月

2011.12.20

牧草地の朝日 イチゴツツヒメハマキ

2011.12.20 Tuesday

 今日も美しい朝日を見ることができました。
2枚目の写真は葉巻状になったフユイチゴの葉の写真です。中にはイチゴツツヒメハマキという蛾の幼虫が
いました。一度葉を伸ばしてもしばらくすると幼虫は同じように葉巻状の住処をつくってしまいます。

 

今日のことば

地上の子の一番の幸せはなにか、すべてを失おうと自分が自分であるところのものを失わぬことだ。

                         ズライカ

2011.12.19

ブナの冬芽

2011.12.19 Monday

 朝日が昇る姿を牧草地で写真に撮りました。光は万物を照らし、光を受けた生き物はいっそう輝きを増します。
もう一枚の写真に写っているのは太陽の光を受けて輝くブナの冬芽です。

   今日のことば

終わりはいつもはじまりである
人生にあるのは
いつも今である
今だ
           杉山平一

2011.12.18

ヒメフンバエ Dung Fly

2011.12.18 Sunday

 ヤツデの花に来る双翅目の昆虫の中にヒメフンバエを見つけました。ヒメフンバエの幼虫は獣糞を食べて育ちます。このハエは不二聖心に生息するシカの糞を食べて育ったのかもしれません。

 I found a dung fly which is on the flower of the Japanese Aralia. The larva of a dung fly eats mammalian feces. The larva of this fly might have eaten feces of the deer in Fuji Sacred Heart.

                 今日のことば

ちがった視点でこの世界を見てみましょう。まず、こう問うのです。満ち足りた、豊かな、
そして健全な人生を送るために、ほんとうに必要なものは何なのか、と。
私たちは、自然から切り離された別個の存在ではありません。生物圏の一部であり、
その大いなる恵みによって生かされている存在なのです。
                        デヴィッド・スズキ

 Let's look at the world through different eyes. What do we really require to live full, rich, healthy lives? Rather than being separate or apart from the rest of nature, we are deeply embedded in and utterly dependent on the generosity of the biosphere.
                                 David Suzuki

2011.12.17

カナヘビ

2011.12.17 Saturday

 土の中で越冬している生き物の調査をしていたらカナヘビが出てきました。カナヘビがこのような姿で越冬していることを初めて知りました。このあとカナヘビをそっと土の中に返しておきました。
今眠りについている生き物たちの気配を感じることは不思議と心を豊かにします。

 

今日のことば

ほんとうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない。
                『銀河鉄道の夜』より

2011.12.17

クヌギエダイガフシ

2011.12.16 Friday

 クヌギエダイガフシという虫こぶの写真です。クヌギエダイガタマバチが注入する化学物質のはたらきによって細胞が変化し、このような虫こぶができます。ハチが巣立ったあとの空き部屋にいつのまにかアリやクモが住みつくという面白い現象も不二聖心ではよく見られます。

今日のことば

あなた方の心が謙虚になった時、主はあなた方の心の中に新しいことを行われます。
                       聖マグダレナ・ソフィア

2011.12.15

ジャノヒゲ

2011.12.15 Thursday

 自然界には、人の眼にはふれにくい美しい花や実がたくさんあります。その一つにジャノヒゲの実を挙げることができます。ため息がでるほどに美しい実ですが、「蛇(ジャ)」の「髭(ヒゲ)」にたとえられる葉をよせないと実を見ることがなかなかできません。瑠璃色の輝きが人の目にふれずに失われていくのは何とも惜しい気がします。

 

今日のことば

私たちが吸う息のなかには、はるか大昔に生きた人びとが、
嘲笑や怒声や悲鳴や歓声や祈りとともに吐きだした息が入っている。
                         ハーロウ・シャプレー

2011.12.14

シマハナアブ

2011.12.14 Wednesday

 今日は貴重なものをいくつか目にすることができました。
一つは、飛行蜘蛛です。クモの子どもが自分で糸を出し、その糸に風を受けて飛んでいく飛行蜘蛛を生まれて
初めて目にすることができました。次はコゲラの つがいです。キツツキの仲間も不二聖心には何種か生息しています。ツマグロヒョウモンが飛んでいたのにも驚きました。
もともと静岡にはいなかったツマグロヒョウモンは温暖化の進行とともに生息域を北に広げたと言われています。
温暖化指標のチョウが12月の半ばに姿を見せていることに驚きました。
ヤツデの花の周辺は今日もたいへん賑やかでした。写真のアブはシマハナアブのオスとメスです。
模様が全く違いますが、同じ種です。

 

今日のことば

ハードルは高い方が意欲はそそられますね。それをなんとか飛び越えて家に帰った時の方が達成感はあるし、
心地いい疲労感が流れるから。だから意識して自分でハードルを上げたりもしますよ。
                              宮沢りえ

2011.12.13

不二農園の方々への感謝

2011.12.13 Tuesday

 夏の頃、人の姿が隠れてしまうほどにススキが青々と生い茂っていたのが嘘のような今朝のすすき野原の風景でした。これは不二農園の方々の草刈りの おかげによるものです。
今日も農園の関係者の方々が、汗をかきながら枯れたススキの葉をきれいに刈り取ってくださっていました。
この手入れによって不二聖 心のすすき野原は守られ、そこに生息する数多くの絶滅危惧種も絶滅から逃れる
ことができています。
生物多様性を脅かす要因の一つは、人間の手入れの不足であり、不二聖心の生物多様性は多くの方の誠実な
労働によって守られているのです。
刈り取られたすすきは、お茶畑の肥料になります。一見不要と見えるものが、実は 別の場所で有効利用されているわけで、この関係が維持されれば、いつまでもすすき野原は健康な状態を保つことができます。持続可能な社会づくりが21世紀最大のテーマだと考えれば、不二聖心の環境は未来のあるべき姿について も重要な示唆を与えてくれていると言えるでしょう。

 

 

今日のことば

人間の自由とは、諸条件からの自由ではなく、それら諸条件に対して、自分のあり方を決める自由である。
                         ヴィクター・フランクル

2011.12.12

コバネイナゴ・タンザワフキバッタ

2011.12.12 Monday

 月が富士山に沈んでいくのがはっきり観察できるほど朝から快晴の一日となりました。
生き物たちも日中は活発に活動しており、ヤツデの花では10種類以上の昆虫を観察することができました。
クロスズメバチも相変わらず元気に動き回っていました。
久しぶりにバッタの姿も目にしました。写真のバッタはコバネイナゴとタンザワフキバッタです。

  今日のことば

寒さにふるえた者ほど
太陽の暖かさを知る
人生の悩みを
くぐった者ほど
生命の尊さを知る
          ホイットマン

2011.12.12

イロハモミジ

2011.12.11 Sunday

 不二聖心の中には、岩下清周の時代に京都から移植されたイロハモミジの木がたくさんあると言われます。
写真のモミジも、かつて岩下家の建物があった近くに生えていましたので、そのうちの一本である可能性があります。

 

                今日のことば

綾子、神は、わたしたちが偉いから使ってくださるのではないのだよ。聖書にあるとおり、
吾々は土から作られた、土の器にすぎない。この土の器をも、神が用いようとし給う時は、
必ず用いてくださる。自分が土の器であることを、今後決して忘れないように。
                                三浦光世