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フィールド日記

2012.09.07

ムラサキシキブ  オオセンチコガネ  「無言館の青春」の感想

  2012.09.07 Friday

 富士山の実に美しい朝でした。芙蓉の花の数も日に日に増えています。


 
  

 ムラサキシキブの実が紫に色づき始めました。ムラサキシキブの学名はCallicarpa japonica
といい、「日本の美しい実」という意味を持ちます。日本では、昔から紫を格別高貴な色として
きましたが、ムラサキシキブの学名もその色の美しさを特に強調しています。
 

 

 

 久しぶりに糞虫のオオセンチコガネの姿を接写することができました。これもまた美しい
紫色をしています。鹿が多い奈良公園はたくさんのセンチコガネが生息することでも知られています。
鹿の糞を食べて育つセンチコガネは糞の掃除屋としての役目も果たしているのです。不二聖心でも、
たくさんの鹿がいることが、センチコガネの数の多さと関係しています。


 
今日のことば

    「無言館の青春」(窪島誠一郎)についての中学3年生の感想

◎「無言館」という言葉は小学生の時に一度聞いたことがありました。絵に少し興味がある
私は少しだけ行ってみたいなという気持ちがありましたが、それを誰かに言ったことはあり
ません。それは正直「戦争」が怖いからです。だから普通の美術館ではない無言館は私にと
って近寄りがたい場所でした。しかし、改めてこの作品を読んで、この絵を描いている画学
生は普通の画家と同じような気持ち、ただ絵が好きだという気持ちで描いていることがわか
り、それを恐ろしいと思っていた自分が情けなくなりました。いつ行けるかわからないけれ
ど、生きている間に一度は行けたらいいなと思います。

◎私は、この「無言館の青春」を読んで、「そういえば、兵士となった学生にも、今の私た
ちのような特技や趣味があったんだ。」と今頃になって気づかされた。それを不条理な戦争
によってあきらめ、またさらに家族とも離れ、二度と会えないというのを理解して戦争へ行
くというのは、本当にむごい。私には絶対にできない。夢をあきらめて死んでいった学生の
志は、今の日本には足りない志だと思った。画学生たちが私たちに教えてくれた「魂の静け
さ」を少しでも正しく心に留められたらいいと思う。


◎私は無言館について書かれた「春さんのスケッチブック」という本を小学四年の時に読ん
でから、ずっと無言館のことが気になっていました。いつか行きたいと思いつつ、未だ行け
ていません。今回もまた無言館とご縁があったので、絶対行きたいです。夢をあきらめ命を
捨てた彼らの絵を心におさめたいです。

◎私は戦争が、こんなにも若い人の、未来ある人々の命をうばっていったものだということ
を初めてここで知りました。むごいことをしたな…と思い、つらいです。でもみんな絵が大
好きで未来を信じていたように感じます。家族を大切にしていました。無言館に行ってみた
いです。現実を見つめなければならないと改めて知らされました。
私の祖父の兄はフィリピンで亡くなっています。しかし、みんなくわしく教えてはくれませ
ん。今はもういないから、六十年以上前のことだから、という思いが強いのだと感じます。
近年、平気で「死ね」などと言える人を見かけますが、何だか同じあやまちを犯そうとして
いるような気がしてなりません。今度、祖父の兄のことをきいてみようと思います。動かぬ
歴史をもっと知って、ちゃんと未来にも伝えられるようにならないといけないと思いました。